海面が急に上昇したかと思うと、水の中から巨大な黒い坊主頭の怪物が現れる。ときには船を破壊することもあるというこの怪物は「海坊主(うみぼうず)」と呼ばれた。「海座頭(うみざとう)」や「海和尚(うみおしょう)」、「黒入道(くろにゅうどう)」といわれるものも、海坊主の仲間であるといわれる。

刚感觉海面好像急速上升了一些,水中就出现了巨大的黑色秃头怪物。这种有时会破坏船的怪物被人们称为“海光头”。还有被称为“海团长”、“海和尚”和“黑僧人”的妖怪,常被认为是海光头的同伴。

1体で現れることもあれば、集団でやってきて、船体や櫓(ろ)にしがみついたり、篝火(かがりび)を消したりするというものもあるらしい。

有时单独出现,有时也会集体行动,紧紧抓住船体或船橹,或是熄灭篝火。

歌川国芳の『東海道五十三対 桑名』(国立国会図書館蔵)

歌川国芳的《东海道五十三对 桑名》(国立国会图书馆藏)

江戸時代の随筆『雨窓閑話(うそうかんわ)』には、海坊主と出合ったもののそれをやり過ごした豪胆な船頭の逸話が記されている。

江户时代的随笔《雨窗闲话》中记载着遇到了海光头并最终使其离开的勇敢船夫的逸闻。

桑名(くわな)の徳蔵(とくぞう)という船乗りがある月末の日に、ひとりで船を出していた。船を進めていると、突如風向きが変わり、波が荒れ、海上に黒雲が立ち上った。たいていの人はこうなると肝をつぶして生きた心地もしないものだが、徳蔵は落ち着いてその場でじっとうずくまった。

有位被称为桑名的德藏的船夫,在某个月末的一天,独自驾着船出海。就在船只前进的过程中,风向突然变了,海浪开始翻涌,海上出现了黑云。大多数的人遇到这样的事都会胆战心惊,但德藏当时十分冷静地蹲下并一直保持不动。

そのうち、徳蔵の目の前に、常人の倍ほどはあろうかという大入道が現れた。その目はギラギラと血走り、いかにも恐ろしい形相である。その怪物は徳蔵に「どうだ、怖いか」とたずねた。

过了一会儿,德藏面前便出现了一个有如常人数倍大的秃头妖怪。他的双眼泛着血光,样子极其可怕。那个怪物向德藏问道:“如何,你害怕吗?”

ところが徳蔵はこれに臆することなく「世を渡ることのほかに怖いものはない」と、いってのけた。せっかく脅かすために出てきたというのに、これでは妖怪もかたなしである。大入道は、それを聞くとたちまち姿を消してしまったという。

然而德藏对此没有半分畏惧地说:“除了生存度日以外,其他都没什么好怕的。”海光头本是特意为了吓唬人而出来的,这下作为妖怪也丢尽了脸面。于是,他听到后便立刻消失了。

こうした古い伝承だけでなく、昭和46年には、ニュージーランド方面でマグロ漁をしていた宮城県の漁船が、巨大な海の化け物にはえ縄をちぎられたという記録も残されている。

而海光头还不仅仅只有这样的古代记录,昭和46年也有记录说,在新西兰捕金枪鱼的宫城县渔船被巨大的海上怪物撕毁了绳钩。

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