日本語には様々な漢字の熟語がありますが、それらの“音読み”にはとある共通のルールがあります。

日语中有许多各种各样的汉字熟语,但你若使用“音读”,会发现它们有一条共通的规则。

日本語漢字の音読みは1音か2音の2種類しかない。3音以上はない。2音の漢字の2音目は7種類しかない。

日语汉字的音读只会有一个音节或者两个音节。不可能存在三个以上音节。有两个音节的汉字的第二个音节只有七种读法。

漢字を音読したとき、2音目は「イ、ン、ツ、チ、キ、ク、長音」が圧倒的に多い。好きな二文字熟語を頭に浮かべて、音読してみてください。

使用音读读汉字的时候,第二个音节通常都是“イ、ン、ツ、チ、キ、ク、长音”。请想几个熟悉的二字熟语,使用音读规则来读一下。

音読みする漢字の熟語であれば、何でも良いです

只要是使用音读的汉字熟语,都会遵守这一规则

音読してみると、各文字の2音目は必ず「インツクチキ」もしくは長音になるはず。

尝试用音读规则,每个文字的第二个音节一定会是“インツクチキ”或者是长音。

早大(ソーダイ)、速記(ソツキ)、社会(シャカイ)etc...。漢字の二音目は、「イ・ン・ツ・チ・キ・ク・ー(長音)」だけで、書けたでしょう。

比如说早大(ソーダイ)、速記(ソツキ)、社会(シャカイ)…。汉字的第二个音节写出来一定只有“イ・ン・ツ・チ・キ・ク・ー(长音)”吧。

「社会」の最初の文字の2音目は「ヤ」じゃないか!と思われるかもしれませんが、文字で書くのと発音は違います。

你也许会想“社会”的第一个文字的第二个音节不是“ヤ”吗!但是文字的写法和发音是不同的。

「シャ」で1音なので、「社」に2音目はありません。

“シャ”其实是一个音节,因此“社”没有第二个音节。

漢詩の勉強していたとき、「よくもまぁ、こんなに韻をふめるものだ」と思わなかったでしょうか。実は、漢字の2音目の音というのは、音が限られていたのです。

当你学习汉诗的时候,你一定会想“居然能够做到这么押韵啊”。实际上,汉字的第二个音节的发音是受限的。

2音目が7種類しかないわけだから、韻を踏むのも簡単。

因为第二个音节只有七种读法,所以想要押韵自然也就简单了。

漢詩がやたらリズムよく読めるのも、この漢字の2音目の法則に秘密がありました。

汉诗读起来极具节奏感,也是由于这个汉字的第二音节的法则。

それがどうしたと思われるかもしれませんが、このことはひょっとすると、何かに役立つかもしれません。

你也许会想就算这样又有什么用呢,但是,这一法则也许会在某些地方派上用场。

ちょっとした日本語のトリビア…ではなく、実はこの法則を活用している分野があります。

这并不只是日语的一个小杂学,实际上这一法则可以活用在某个领域。

速記の世界では「インツクチキ」をどう書くかが重要だった

在速记的世界“インツクチキ”的写法非常重要

速記とは、速記文字や速記符号とよばれる特殊な記号を用いて、人の発言などをリアルタイムで書き記していく方法。

速记就是使用速记文字或者速记符号和一些能读出来的特殊记号,将他人的发言之类实时记录下来的方法。

国会などでも速記者が議事録を書いています。

国会之类的议事录也都是由速记者来书写。

日本に速記という概念が登場したのは江戸時代である。

日本出现速记这个概念还要追溯到江户时代。

西洋文明を積極的に導入した明治維新期、西洋の速記を日本語に導入する試みが数多く行われた。

在积极引入西方文明的明治维新时期,将西洋的速记运用到日语中的尝试也数不胜数。

古代ローマ時代以前には存在していた速記ですが、日本にその概念が登場したのは19世紀の中ごろと言われています。

因此,在古罗马时代之前就存在的速记,其概念在日本出现是19世纪中叶。

衆議院では、衆議院規則第201条に「議事は、速記法によってこれを速記する」 と決められている。

众议院将众议院规则第201条定为“议事时,可以利用速记法将其速记下来”。

速記を知らないほとんどの人にとって、とてもこの文字は日本語には見えません…。

在不了解速记的大多数人看来,这些文字怎么看都不像日语…。

「言葉を早く書き写すこと」を追求する速記という分野において、この「インツクチキの法則」がとても重要なのです。

在追求“尽快记录下语言”的速记领域,这个“インツクチキ法则”是非常重要的。

漢字熟語のうち「インツクチキ」と長音が占める割合は実に 44.6 %です。これがすべて四字熟語であれば、ほぼ 50 %になります。

在汉字熟语中“インツクチキ”和长音占据的比例有44.6%。如果全部都是四字熟语,那么这一比例接近50%。

訓読みも含めた漢字の読み方を統計すると、やはり「イ・ン・ツ・ク・チ・キ・長音」の占める割合が圧倒的とのこと。

将训读也包括在内的汉字读法进行统计,果然“イ・ン・ツ・ク・チ・キ・长音”占据的比例相当之大。

速記では 50音すべてを1画(一筆)で書きあらわします。これは平仮名の3分の1ぐらいの画数ですから、速記基本文字をマスターしただけでも平仮名の3倍速く書けるようになります。

在速记中50音全部用一笔写就。由于使用的是平假名三分之一的画数,因此掌握了速记的基本文字就可以以平假名的三倍速度来书写。

さらに、速記法のひとつ「早稲田式」では、「インツクチキの法則」を利用し、頻出する2音を一文字で表してしまうような技法も編み出されています。

另外,速记法之一的“早稻田式”利用“インツクチキ法则”,创造出了将频繁出现的第二音节用一个字来表示的方法。

なぜ漢字の音読みの2音目は「インツクチキ」なのでしょうか

为什么汉字的音读的第二音节会是“インツクチキ”呢

中国の漢字にはŋ音が多い。古代これが日本へ伝わった当時、なぜか「イ」や「ウ」と表記された。たとえば、経済の「経」(k─ŋ)の音は「k─イ」「k─ウ」と表記され、「ケイ」「ケウ(キョウ)」となった。

中国的汉字发ŋ音的非常多。古代汉字刚传到日本的时候,这个音不知为何是用“イ”或者“ウ”来表示的。比如说,经济的“经” (k─ŋ)的发音记为“k─イ”“k─ウ”,于是变成了“ケイ”“ケウ(キョウ)”。

「ŋ音」というのは英語の「song」の末尾のように、日本語には存在しない発音です。

“ŋ音”就和英语中的“song”的末尾发音一样,是日语中不存在的发音。

さらに、漢字には韻尾がp・t・kとなるもの(入声音)がある。たとえば、「甲」はもとのkapが「かふ→こう」と変化しやはり長音となっている。また、t・kについては、日本語の発音上では開音節化され「チ・ツ」あるいは「キ・ク」とならざるをえなかった。

同时,汉字的韵尾存在着p・t・k这样的入声音。比如说,“甲”由原来的k a p经历了“かふ→こう”这样的变化,还是发展为了长音。另外,对于t・k,在日语发音上对其开音节化,使其变成了“チ・ツ”或是“キ・ク”。

子音だけの発音のない日本語という特殊な事情が、この「インツクチキの法則」を生んだというわけです。

日语不存在只有子音的发音的这一特殊情况,是这个“インツクチキ法则” 产生的原因。

中国から漢字とその読み(今でいう音読み)が伝わり、日本で発音が日本式に簡略化されるにつれ、音読みの2音目が特定の発音に固定されていったようです。

从中国传来的汉字及其发音(即现在的音读),在日本对其发音进行了日本式的简略化,音读的第二音节就固定在了如今特定的几个发音上了。

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