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「わざわい」と「さいわい」は、不幸と幸福という、一対の対立概念を現す言葉である。「わざわい」はもと「わざはひ」と書いた。「さいわい」のほうは「さきはひ」と書いた。両者に共通に含まれている「はひ」は「はふ(這う)」の名詞形で、一帯に物事がひろがり渡っているさまを言った。だから「さきはひ」とは「さき」が広がり渡っている状態のことを現した。「さき」とは「さち」と同義語であり、幸せを意味した。それ故「さきはひ」とは、幸せが広がり渡った状態のことを意味したわけである。

“わざわい”与“さいわい”是一对表示对立概念的词语,意思是“不幸”与“幸福”。“わざわい”原本写作“わざはひ”。“さいわい”则写作“さきはひ”。两者都含有共同的“はひ”,它是“はふ”的名词形式,描述某一事物在一个范围内扩展蔓延的状态。“さき”是“さち”的同义词,意思是幸福。因此,“さきはひ”也就意味着幸福蔓延开来的状态。

では「わざはひ」の「わざ」とはどういう意味であろうか。「わざわい」が「さいわい」の対立概念だということを知っていれば、自づから「不幸」あるいは「不吉さ」を意味するだろうと検討がつくが、そのあたりをもうすこし厳密に考察した学者がいる。大野晋である。

那么,“わざはひ”的“わざ”代表什么意思呢?既然知道“わざわい”是“さいわい”的对立概念,自然能做出推断,它大概是“不幸”或“不吉”的意思。而对于这一问题,有位学者进行了更为严谨的考察。他就是大野晋。

大野は、必殺わざとか、神わざとか、ワザオキとかいう言葉を手掛かりにして、「わざ」という言葉は神意の現れをさして言った言葉だと推論した。そこから「ことわざ」とは、本来は神意や深い意味を現す言葉だったものが、次第に今のような意味、つまり教訓とか風刺を含んだ言葉という風に変ったのだろうと推測した。

大野把“必殺わざ(必杀技)”、“神わざ(神技)”等词作为线索,推测“わざ”是一个指代神意显现的词。顺着观点他推测认为,“ことわざ”原本是表示神意或更深意义的词语,后来才逐渐演化为今天的意思(谚语),变成含有警言或讽喻的意思在内的词语。

「ことわざ」の場合には、神意という原義が有難い方向に解釈されたわけだが、逆に「わざ」が不吉の方向に解釈されることもある。神意というものはとかくに測りがたいものであって、したがって不吉に結びつくこともあると考えたわけだ。

从“ことわざ”的发展看来,对“わざ”的原意”神意“的理解是来自积极方面的,相反也会从消极、不吉利的方向解读“わざ”。“神意”往往难以预测,因此也会与不祥之兆联系起来。

このマイナスイメージに解釈された例が、まさに「わざはひ」なのだと大野はいう。「わざはひ」とは神意が実現された状態だが、その実現された状態は、天変地異や災害といった禍々しい事態だったわけである。

大野认为,这种从消极面进行的解释,就正是“わざはひ”。“わざはひ”是神意实现的状态,而这种实现的状态是天变地异、灾害等不祥的事件。

なお、「はひ」という接尾語を持つ言葉に、「なりはひ」や「にぎはひ」がある。「なりはひ」は五穀がなって伸び広がっている状態を原義とし、そこから「生業」という現在の意味に転化してきた。「にぎはひ」のほうは「にぎにぎしさ」が満ち溢れたさまをあらわし、そこから現在のような「賑わい」という意味に転化してきたと考えられる。

另外,带有接尾词“はひ”的词语中还有“なりはひ(生计)”和“にぎはひ(热闹)”。“なりはひ”的原意表示五谷生长繁茂的状态,由此转化为现代的意思“生業”。“にぎはひ”表现“にぎにぎしさ(热闹)”充满洋溢的情景,由此转化为现在的意思“賑わい(热闹)”。

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