「どんなに辛くても、逃げちゃいけない」
「最後まであきらめないで」
「努力は報われる」

“无论多么辛苦,都不能逃避”
“要坚持到最后一刻”
“努力会有回报的”

小さいとき、親や先生にこんな言葉を散々聞かされた。それは、呪文のようにアタマとカラダにしみついている。でも…、一人職場に居残り、24時を回った時計の針を見て、ため息をつく。簡単にやめたらただの根性なしかもしれない。ここであきらめたら、あきらめ癖がついて、今後何をやっても続かないかもしれない。続けてこそ見えてくる世界があるのかもしれない。でもでも…、本当にこれでいいの!?

我们从小就从老师和家长哪里总是听到这些话。它们就像咒语一样萦绕在我们的脑海里,影响着我们的行为。但是…,一个人独自加班,24小时连轴转,真是让人叹息。轻易地放弃可能是因为没有毅力。要是在这儿放弃的话,会养成半途而废的习惯,今后无论做什么或许都没法儿做得长久。要是能坚持下去,或许就能看到不一样的世界。但是,但是…,这样真的好吗!?

『人生の9割は逃げていい。』(井口晃/すばる舎)。このタイトル、まさに聞きたかった言葉。逃げてどうにかなるなら、今すぐこの場から逃げます!…と喜び勇んで本を手にしてみたものの、逃げればいいなんて、世の中そんなに甘くないはず。まず、著者の井口晃氏ってどんな人?

《九成人生还是逃了好》(井口晃/昴舍)。这个标题正是我们过去想要听到的话。要是逃跑后能努力维系下去的话,现在立马逃走吧。…虽然欣喜地买下这本书来看,但说什么还是逃了好,世上应该没有这般好事呢。作者井口晃到底是何方神圣?

経歴を見ると、井口氏はまさに逃げのスペシャリスト。中学・高校でいじめられて、転校を繰り返すこと5回。高校卒業後、ホテルマンになるべく専門学校に通うも、ホテルのバーのバイトでミスを犯して怒られ、学校もバイトも続ける意欲をなくしたそうだ。さらに、家族・友人との人間関係も悪化し、その環境から逃げるためにニューヨークに留学。しかし、留学先でも自分に自信がなく人間関係に対する恐怖のために、授業に行かない日が続いてあえなく帰国。そして、就職活動もせずに日本でしばらくニート生活を送ったという。

一看井口的履历便会发觉,他绝对称得上是逃跑专家。初中、高中阶段因为在学校被欺负,结果转校了五次。高中毕业后,虽然他去上了酒店业的专门学校,但因为在酒店吧台的打工犯了错,被训斥后的他似乎也失去了继续学业和打工的想法。甚至他在和家人、朋友关系恶化的时候,他为了逃离那个环境,跑到了纽约留学。然而,在国外因为缺乏自信,害怕人际交往,他也不去上课虚度终日,不久又回国了。然后,他也不找工作,一度过上了啃老族。

そんな彼が、なけなしの3万円を手に実家を出て上京。英語を人に教えるセミナーをはじめて、生活はなんとかできるようになったという。とはいえ、「これは本当にやりたいことではない」と、次に始めたのが自己啓発のセミナー。自己啓発本を読み漁っていた井口氏は、自分も「人が成長するための助けになりたい」と思うようになったそうだ。その仕事が成功し、今では好きなときに好きな仕事ができ、1年の半分は海外で生活をするという理想のライフスタイルを実現できたという。つまり、逃げ続けることで自分が本当にやるべき仕事を見つけることができたとか。こうした経験を振り返り、自分に合っていないことに時間を費やすことは間違いと語る。

就是这样的他,带着仅有的三万元离开了家乡来到东京。一开始他开了培训班教人英文,生活总算得以维持。尽管如此,他还是觉得“这并不是自己真正要做的事情”,接着他又举办了自我启发主题的培训班。遍览该类型书籍的井口,据说也想通过这个班对自己“个人成长有帮助”。结果这个培训班大获成功,目前他已经能够自己安排时间做自己喜欢的工作,并实现了半年国内半年国外的理想生活模式。因此,通过不断逃跑或许就能找到自己真正应该去做的工作。他如此说道,回想自己的经历,在不适合自己的事情上浪费时间确实是个错误。

では、どうやって合っている、合っていないということを見極めればいいのか。多くの人が悩んでいるのは、そこではないだろうか。例えば、「苦手な仕事からは逃げていい」と言ってのける井口氏は、仕事を得意・不得意と、好き・嫌いに分けることをすすめている。

但是,到底如何才能分辨什么是适合自己的,什么是不适合的呢?众人烦恼的应该就是这个吧。例如,大胆说出“逃离自己不擅长的工作比较好”的井口晃,就劝大家要分清对于这份工作是擅长不擅长,还只是个人喜好问题。

「不得意かつ嫌いな仕事」:どう頑張ってもできないので、人に任せるべき。
「得意で好きな仕事」:一番重要な仕事。何よりも優先的に行う。
「好きだけど不得意な仕事」:やったほうがいい。熱中できるから、結果が出やすい。
「得意だけど好きではない仕事」:得意なら好きになる可能性があるので、やってみる価値あり。どうしても好きになれない場合は、人に任せる。

“不擅长又讨厌的工作”:因为无论如何努力还是做不好,那么就应该交给别人做。
“擅长又喜欢的工作”:这是最重要的工作。应该最优先去做。
“喜欢但不擅长的工作”:还是去做的好。因为能投入进去,所以容易做出成绩。
“擅长但不喜欢的工作”:既然擅长就有喜欢上的可能性,那么还是有去做的价值。要是无论如何都喜欢不上的话,还是交给别人做吧。

忙しさに流されて、今更そんなことは考えず、ただ毎日の業務をこなすだけになっている人もいるのでは?一度立ち止まって整理してみるといいかもしれない。また井口氏は、大切なのは弱みを克服しようと考えないことだという。確かに、“克服”は日本人の美徳とするところ。この考えに囚われていた人は、そんな自分を客観的に見直すのもいいかもしれない。

那么对于那些每日忙忙碌碌,无暇考虑其中差别的人来说,他们每天只能应付处理好手上的活,他们该怎么办?或许暂时停下脚步、试着自我整理比较好。还有,井口认为克服自身弱点并不重要。确实,“克服”是日本人的美德之一。但被这种想法所囚禁的人,如果能重新客观地看待自我或许是更好的途径。

仕事にも大きな影響を及ぼす、人生の大きな課題が人間関係。井口氏は、「あなたにとって重要でない人からは逃げていい」と断言する。すべての人と平等に付き合うのは難しい。だから、不謹慎と知りつつ彼は次のように人間関係に優先順位をつけている。

人际关系,对工作有着颇深的影响,也是人生中的重大课题。井口如此断言,“远离那些对于你不重要的人比较好”。要平等地对待所有人是很困难的事。因此,虽说有些轻率,还是可以根据下面的内容把对方进行人际关系的优先排位。

「超重要カテゴリー」:仕事でもプライベートでも一緒にいたい人。
「重要カテゴリー」:ビジネスを一緒にする人。
「普通カテゴリー」:友達。たまに会ったり、仕事を依頼したり、頼まれたりする人。
「知り合い」:フェイスブックを通して、「お話したい」「会いたい」という人。

“超重要”:无论工作还是私下都想呆在一起的人。
“重要”:职场上想共处的人。
“普通”:朋友。偶尔会碰头,有事会互相拜托的人。
“熟人”:通过FACEBOOK,“想和他/她说话”“想见他/她”的人。

こうしたカテゴリーに分け、順序をつけて付き合っているという。「知り合い」レベルの人間関係は、お客さん以外は切ってもいいと思っているそうだ。なんともシビア。しかし、例えばメールの返信でいつも誰にでも丁寧に返事してすっかり疲れているという人は、参考にしてもよさそう。順序づければ、嫌な人間関係や仕事を引き寄せることがなくなると井口氏はいう。

如此分类之后,根据顺序和他们进行交往。“熟人”层面的人际关系,客户以外的人都可以断绝往来。真的是毫不留情。但对那些疲于给每份邮件都作认真回复的人来说,这条也可供参考。正如井口所说,对人际关系排好顺序的话,那些讨厌的人和工作就不会找上门了。

「この状況から逃げたい!」と思っている人は、置かれている状況を整理し、重要ではないことからは躊躇なく逃げる、そんなやり方もアリかもしれない。かといって、この方法に固執する必要もない。うまくいかないという人は、さらにほかの方法がないか探すべく“逃げていい”だろう。

对于“好想从这种状况里逃出来!”的人来说,梳理自己所处的情况,不要犹豫直接逃离那些不重要的事,或许也是种做法。虽说如此,也不必固执于这一种方法。不适合这种方法的人还是应该寻求下其他的途径,“逃离这种方法得好”。

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