「昼間から酒を飲み、ひたすら車窓を眺めて過ごす。これが正しい鉄道旅行です」

“从白天开始就喝酒,一味眺望着窗外。这才是正宗的铁道之旅。”

そう言うのは、「アウトバック エクスプローラー ラウンジ」を取り仕切るバーテンダーのダニエル。朝食が終わる午前9時ごろから、ディナーが終わる午後9時ごろまで、1日12時間もワインをグラスに注いだり、シェイカーを振ったり。ラウンジでは、午前中からグラスを手にした乗客が、トランプをしたり、キンドルで本を読んでいた。

说这话的是掌管“内地探险家·休息室”的调酒师——丹尼尔。从早饭结束大约9点开始,到晚饭结束21点左右,1天12个小时都觥筹交错。休息室内,整个早上开始就手握酒杯的乘客,打着扑克牌、用Kindle读着电子书。

一部有料メニューもあるが、ドリンクは、フリーフロー·スタイルで提供される。つまり飲み放題だ。ビールだけでも7種類、スパークリングワイン2種類、赤白ワインが各5種類、ジントニックマティーニ、モスコミュールといったスタンダードカクテルまで、品揃えは充実している。

在一份收费的菜单上面,饮料都是“无过程类”提供的。也就是随意饮用。光啤酒就有7种,起泡葡萄酒2种,红白葡萄酒各5种,金汤利、马蒂尼或是莫斯科骡子这类的鸡尾酒也都供应,品种十分齐全。

  

酒が好きな乗客のあいだで、いつの間にか「全種類制覇」を目標に、“ドリンキング·マラソン”と称したゲームが始まった。トップを突っ走るのは、イタリア系という40がらみの男性。落ち感のきれいなシャツは、ボタンを3つ開けて着崩し、香水を欠かさない。パートナーの男性は、いつもジャケットをきちんと着て、ピアスリングにデザイン眼鏡。彼だけが、レモンを絞った炭酸水を口にしている。カナダから来た母娘連れをはじめ、女性陣もいいペースでグラスを重ねていく。

在喜欢酒的乘客之间,不知什么时候,以“称霸全部种类”为目标的“畅饮马拉松”比赛开始了。领头的是意大利籍40岁左右的男性。他那件笔挺干净的衬衫上,3个纽扣都敞开着,浑身是香水味。他的朋友,一直整齐地穿着夹克,戴着耳环和戒指,还有一副眼镜。只有他一个人喝着柠檬榨汁的苏打水。以从加拿大来的一对母女为首,女性群体中也保持着良好的势头,不停地互相碰杯。

3泊4日の行程の中に、列車を降りてバスに乗り換え、観光に出かけるツアー“オフトレイン·エクスカーション”が、3回組み込まれていた。ベッドつきコンパートメントタイプのキャビン「プラチナサービス」と「ゴールドサービス」に滞在している乗客は無料、イス席「レッドサービス」の乗客は追加料金を支払えば参加できる。

4天3晚的旅程当中,包含3次下火车后换乘巴士的“车外短途旅行”观光游。住在配有床铺的客厢包房里,并享有“白金服务”、“黄金服务”的乘客可以免费参加,享受“红色服务”的座位乘客只要多付一点钱也可以加入。

 

(左からは、フランクリンとモスコミュール)

(左起开始:富兰克林酒和莫斯科骡子)

最終日の“オフトレイン·エクスカーション”は、金鉱の街カルグーリーのナイトツアーだった。夜10時ごろ戻ると、ダニエルが待ち構えていて、ビールやワインを手早くグラスに注ぐ。“ドリンキング·マラソン”は、どうやら道半ばにさえ到達せずに終わりそうだ。

最后一天的“车外短途旅行”,是夜游金矿大街——“卡尔古利”。约晚上10点回来,丹尼尔已恭候多时,麻利地在酒杯中倒入啤酒和葡萄酒。“畅饮马拉松”比赛总算是在未到达之前,中途结束了。

「最後の夜だというのに、そしてせっかくバーテンダーが乗務しているというのに、あなたはまだ、1度もカクテルを注文していません」問答無用。目の前に、アルコール強めのマティーニが置かれた。

“虽说是最后一晚,而且好不容易有调酒师在车上,可你还没有点过一杯鸡尾酒呢!”不用多说。眼前,就摆着一杯高浓度酒精的马蒂尼。

作者介绍:江藤詩文(えとう·しふみ)

旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

我是喜欢旅行这种生活方式的自由作家。我提倡一种奢华旅程的生活方式:就是体验着时间慢慢流逝的铁道、当地的风土人情和养育人们的食物,以及打上历史烙印的文化。兴趣是搜集有关旅行和食物的信息,以及穿民族服装玩cosplay。现在,我的《世界美食纪行》连载在朝日新闻电子版的旅行专栏上。

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