2008年07月20日付 借助食材,安然度夏
翻译:天声人语翻译讨论组 整理解说:young忧雪
▼東京南部の等々力(とどろき)渓谷(けいこく)を訪れた。せせらぎを樹木(じゅもく)が覆い、気温はちまたより5度ほど低い。遊歩(ゆうほ)道を行くと、修験者のための細い滝(たき)が涼(すず)やかな放物線を描いていた。修行の足らぬ身、これに打たれたら脳天から生き返ると雑念がよぎる。
最近去了趟东京南部的等々力溪谷。在那里,树木掩映着潺潺的溪水,温度要比城里低5度左右。延漫步道而行,为苦修者准备的涓涓瀑布勾勒出一道清凉的弧线。它不禁令我心生杂念,如果用它来拍打我这未成正果的身体,一定会有醍醐灌顶的感觉吧。
▼各地で梅雨が明け、本物の夏が来た。暑さ対策の手始めに「冷や汁」を試してみた。みそ仕立ての汁をご飯にぶっかける宮崎県の郷土料理だ。なるほど、しばらくは氷のかけらを含んだように、腹がひんやりする。冷たい汁とともに、シャリシャリと口で砕けたキュウリやミョウガも効いたらしい。
各地都已出梅并进入盛夏了。我开始尝试用“冷汁”来应对暑热。这种将准备好的酱汁浇在米饭上的吃法,是宮崎県的乡间菜肴。果然,片刻后腹部就如同含着冰屑一般,凉爽了起来。将黄瓜和茗荷佐以“冷汁”,嘎吱嘎吱地大口咀嚼,似乎也很有效。
▼「夏野菜には体の熱を取り除く力があるの」。薬膳(やくぜん)に通じたジュディ·オングさんから、そう聞いたことを思い出す。旬の食材は、その季節を健やかに送るための滋養分(じようぶん)を備えるようだ。
这使我想到了从精通药膳的ジュディ·オング先生那里听来的一句话:“夏季蔬菜具有消除体热的功效”。据说,应季食材中都蕴含着能令人健康度过该季的营养成分。
▼作家の池波正太郎は、食欲のうせた朝をナスの漬物でしのいだ。「小ぶりの茄子(なす)に芥子(からし)をつけて、ぷっつりと噛(か)み切るときの醍醐味(だいごみ)は筆にも口にもつくせない」と、随筆 「東京の夏」にある。
作家池波正太郎在名为《东京的夏天》的随笔中写到:我会借腌茄子来挨过食欲不振的早晨。“噗哧一声咬开加了芥末子的小茄子时的乐趣,是笔和口都无法营造出来的。”
▼みずみずしい野菜の助けを借りて体を内から冷ます。冷たい、辛い、酸っぱいなど、舌やのどを驚かすことで、なえた食欲を抱き起こす。 こうした先人の知恵を盗まぬ手はない。冷房の中、そうめんを流し込むばかりでは猛暑に負けてしまう。
借助水灵灵的蔬菜的帮助,令身体从内降温。依靠凉爽、辛辣、酸等味道惊醒舌与喉,从而“抱起”枯萎的食欲。我们无法不借用先人的这些智慧,但如果只是在空调房间吞冷面的话,可是在酷暑面前甘拜下风的表现。
▼食通で知られた俳人、草間時彦に〈滝壺や 冷やしトマトの一つ逃げ〉がある。岩陰の網袋からこぼれ出たのか。清流に消え去る赤い実を思うだけで、なにがしかの涼が脳裏をすり抜ける。炎天下で蓄えた野菜の冷却力、侮(あなど)りがたい。
很多人都知道演员草間時彦对食物很有讲究,他的观点是:“一个凉凉的西红柿,逃入了瀑布中”。那是指从岩石背阴处的网袋中流出来的西红柿吗?这话只会令人想到那红色的果实消失在了清流之中,头脑中挤进了某种凉意。很难有人能小视在严严烈日下孕育出的蔬菜的冷却力量。
解说:
1.しゃり‐しゃり[副](スル)固くて薄いものが触れ合って立てる音を表す語。また、固くて薄いものをかみくだいたり、連続的に切ったりする際の感触を表す語。「―(と)して歯ざわりのいい漬物」 2.池波 正太郎(いけなみ しょうたろう、1923年(大正12年)1月25日 - 1990年(平成2年)5月3日)は戦後を代表する時代小説·歴史小説作家。美食家·映画評論家としても著名であった。 更多翻译讨论尽在天声人语翻译讨论小组
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