「カルテット」は「逃げるは恥だが役に立つ(以下、逃げ恥)」の枠として注目したが、期待を大きく上回る面白さですっかりハマってしまった。

《四重奏》作为《逃跑可耻却有用》的接档剧十分引人瞩目,观看后可谓大大超出期待,十分有趣引人入胜。

ところが「カルテット」は「逃げ恥」とは違って視聴率があまりよくない。出だしは9.8%と悪くはなかったのだが、「逃げ恥」が初回の10.2%からぐいぐい上がって最終回で20%に達したのに対し、自己最高の第9話で11%に浮上したが、直前のWBCが延長したことが影響したと思われる。

不过《四重奏》与《逃耻》相比收视率并没有那么高。《逃耻》是从首集收视10.2%开始不断上升,直到最终话20%的高收视,而《四重奏》首集收视率虽说有9.8%,不算低,但全剧最高收视在第九集达到11%的收视,也被认为和在此之前播出的WBC(世界棒球经典赛)的延长有关。

ところが「カルテット」はネット上では異様に“語られて”いる。ツイッターは毎回盛り上がり、視聴率がもっと高いドラマよりずっとツイート数が多い。

然而《四重奏》却在网上掀起了不一样的“话题热潮”。推特更是每次更新都有热烈讨论,比起其他收视率高的电视剧的推特讨论数量高出不少。

あるいは"カルテット"で検索すると、玄人たる記者や批評家のかなり深みのある記事が出てくる。ブログも多数書かれていて、一般の方がなかなか鋭い洞察力を示したりしている。

或者说只要在网上检索一下“四重奏”,就会发现很多专业记者或者评论家内容十分深刻的评论文章。也有很多博客发布了相关内容,展示出了一般人没有的敏锐洞察力。

何かそういう「語りたくなる」「言いたくなる」気持ちを刺激するのだ。例えば「みぞみぞする」という言葉が頻繁に出てくるが、これは存在しない日本語で意味がはっきりしない。そのはっきりしない不思議な言葉について、ブログやツイートで語りたくなったり、実際に使ってみたくなったりする。野球でスタートが遅れた直近の2回は、開始を待つ人びとがツイッター上で「みぞみぞ」を連発し待ち遠しさを表現していた。そんな不思議な楽しみ方ができるドラマなのだ。

到底是什么刺激了大家“想要表达出来”、“想要说出来”的心情呢?比如说“来劲儿了”这句话频繁在剧中出现,但这句话其实在日语中是不存在的,真正的意思也是个迷。这句不明所以的不可思议的词,让很多人想要在博客和推特上表达看法,或者想要在现实生活中尝试用一用。在因为棒球比赛而推迟播出第二话时,就有很多人在博客和推特上连发“来劲儿了”,表达自己的期待。这部剧就是可以激发大家这样不可思议的观赏方法。

繰り広げられる“深読み”大会

不断扩大的“品剧”大会

毎回ドラマが終わってツイッターを眺めると、視聴者がいかに熱く物語に入り込んでいるかがわかる。かなり鋭く深読みしているツイートも多く、一所懸命見ているつもりでも気づかなかった発見を教えてくれたりする。

在每一集结束后再看推特就能看到大家有多么沉迷于这个故事了。有不少观点独特的解析推文,为了能够发现和告诉大家难以注意到的细节而细细观剧的人也不少。

それが高じて、深すぎた深読みも出て来て話題になった。ドラマに出てくる時計などからわかる時間軸がずれているのではないか、との指摘が出て来たのだ。そこには何か重要な意味があるのか、と大いに盛り上がった。

更有甚者因为看得过于细致而引起话题。有人还指出了电视剧里钟表表现的时间轴错位。引起大家思考这其中会不会有什么重要含义。

これには制作者側が驚き、公式ツイッターでプロデューサーが「単純なミス」だったと謝罪する場面もあった。

这一消息甚至惊动了电视剧制作方,以至于制作人在官方推特上道歉称“只是单纯的失误”。

そんな余波もあるが、とにかく深読みツイートが面白い。同じ回の前半に何気なく出て来たエピソードが後半の伏線になっていたり、かなり前の回のセリフが最新話では伏線になっていたり。そんなことを気づかせてくれるツイートが次々に出てくる。

虽然也有这样的小意外,但总而言之大家解析的推文真的很有趣。前半段毫无意义的细节会成为后半段的伏笔、很早之前的台词会成为最新话的伏笔。让我们注意到这些细节的推文源源不断出现。

ドラマを見ていないとまったくわからないと思うが、私はこのツイートを見て思わず「あ!そうか!」と声に出して言っていた。最新話の場面は第3話のセリフが伏線だったのだ。感動が増幅する発見だ。

没看过电视剧的人可能会搞不清楚状况,但笔者看到这些推文的时候就会不禁感叹“原来如此!”。第三集中的台词就为最新一集的这个场景埋下伏笔了啊!这么看的话就更加感动了。

何度も噛み締めて”咀嚼”するVOD時代のドラマ

顺应可以反复研究“咀嚼”的VOD时代的电视剧

こんな風に、ずいぶん前のエピソードがいま見ている回に生きたりする。また微妙なセリフが出て来て聞き落としたりする。だからリアルタイムで観ていても録画が欠かせないのだ。毎回、視聴後にもう一度観てしまう。私の周りにも2回見る人が多いようだ。あるいは、深読みツイートを見て気になり、数回前の該当シーンを見直すことも多い。録画したものを簡単に消去できないドラマだ。

像这样,很早之前的故事细节在当下的发展中起重要作用之类,听漏了某句微妙的台词的部分等等。所以即使是在看直播也必须要做好录像。每次都要在看完直播后再看一次。笔者周围的人大部分也都会看第二遍。也有一些人在看了推特上的解析之后因为很在意所以会重新再看一次埋梗的那一集。总之这是一部让人舍不得删掉的电视剧。

こういう見方はあまりしたことがなかった。ドラマはいい意味で”消費”するものだったと思う。この先どうなるかをワクワクしながら見る分、展開を見るのが楽しみで何度も味わうことは少なかった。アニメファンは気に入った作品を噛み締めているようだが、同じような楽しみ方をドラマでできるとは思わなかった。

这种看剧方式是之前很少有的。笔者认为电视剧可以说是好的意义上的“消费品”。很少有电视剧能做到让人在期待未来发展的同时为了能更好看剧而回看很多遍。我一直认为电视剧很难达到像动漫粉会把喜欢的作品反复品味一般的观赏境界。

消費するドラマとは別に、咀嚼するドラマがこれから色々な意味で求められるのかもしれない。VODが普及することで、いずれ近いうちに”消費”と”咀嚼”の経済バランスが拮抗すれば、「このドラマは消費タイプで視聴率を稼ごう。この企画は咀嚼タイプとして2年スパンで収益を見よう」という考え方になるかもしれない。

和用来消费的电视剧不同,人们可能在未来于各种意义上更加追求值得品味的电视剧。随着VOD(视频点播)的普及,“消费”和“品味”的经济平衡将会开始动摇和抗衡,说不定未来的思考方式会变为“这部电视剧是消费型的所以短期内很赚收视。这个企划是品味型的两年左右就会看到收益”。

私はその方が視聴者にとってドラマの楽しみ方が広がっていいのではと考える。ドラマの面白さはもっと広がりがあるはずだし、もっと新しい可能性もあると思うから。作る側、見る側、それぞれにとって自由があるなら、その方がずっといいのではないだろうか。

笔者认为这样会大大改善观众的视听感受所以很好。电视剧本身也应该有更多的有趣的题材和内容,有很多新的可能性。从制作方、观看方来讲都是很自由的,这样不是更好吗?

声明:本双语文章的中文翻译系沪江日语原创内容,转载请注明出处。中文翻译仅代表译者个人观点,仅供参考。如有不妥之处,欢迎指正。

相关阅读推荐:

《四重奏》大受好评却收视低迷的3大理由

《四重奏》编剧:语言魔法师坂元裕二