10芦泽央

2019年版「このミステリーがすごい!」で選ばれたベスト10作品(国内編)をご紹介していきましょう!※2017年11月 – 2018年10月に発刊された作品が対象です。

为大家介绍一下2019年版《这本推理小说了不起!》选出的推理小说Best10(国内篇)!※以杂志《这本推理小说了不起!》2017年11月-2018年10月期间刊载的作品为评选对象。

10位.芦沢央『火のないところに煙は』

第10名 芦泽央《从无火之处冒出的烟》

*火のないところに煙は,是无风不起浪的意思。

全部で計六話の物語が収められております。どの話も安定して怖く、意味があり、最終話でドカン!ときます。一見短編集のようですが、必ず第一話から順番に読んでくださいね。これは短編集に見せかけた長編作品ですので。

共收录了六个故事。每个故事都相当恐怖并有一定含义,到了最后一个故事给人当头棒喝的感觉。乍看会以为是短篇小说集,但请务必从第一个故事开始按照顺序读。因为这是一看起来是短篇小说集,但实际上却是长篇小说的作品。

10(2)市川尤人

10位.市川憂人『グラスバードは還らない』

并列第10名 市川尤人《回不去的玻璃鸟》

本格ミステリで、やっぱりこのシリーズ大好きだと思わされた作品でした。とある5人のがガラスの壁に囲まれた迷宮に閉じ込められ、そこで殺人事件に巻き込まれる。終盤は二転三転どころか五転六転ぐらいするし、そのどれもに「なるほどな」と思わせる説得力がありました。

本格推理小说,是会让读者觉得“果然就是喜欢这个系列”的作品。有5个人被关进了四周被玻璃墙壁包围的迷宫当中,并在那里卷入了杀人事件。尾声何止是反转两三次,简直是反转五六次了,而且都有让人觉得“原来如此”的说服力。

9叶真中显

9位.葉真中顕『凍てつく太陽』

第9名 叶真中显《冻结的太阳》

太平洋戦争末期の北海道を舞台に、連続殺人を追う2人の刑事の人生が絡み合う骨太エンターテイメント。本格ミステリではなかったのですが、意外とスラスラ読めるものですねえ。それにミステリ的にアッと言わせてくれる場面もあったし、なかなかに楽しめました。

这是以二战后期的北海道为舞台,描绘两个追查连续杀人案件的刑警交织的宏大人生。虽然不是本格推理小说,但意外地让人看到停不下来。从推理角度看,也有让人惊叹的场面,很是享受的阅读经验。

8月村了卫

8位.月村了衛『東京輪舞』

第8名 月村了卫《东京轮舞》

ロッキード、東芝COCOM、ソ連崩壊、地下鉄サリン、長官狙撃。昭和から平成を騒がせた大事件を、一人の刑事の数奇な人生とともに描く。実際に起こった事件に絡めた物語なのでリアルで迫力がありました。本当にフィクションなのかと疑ってしまうほどに。

美国洛克希德航天制造公司行贿事件、东芝机械违法科技走私事件、苏联解体、地铁沙林毒气事件、警察厅长官狙击事件。将从昭和到平成年间让世间产生骚动的大事件,与一名刑警的坎坷人生一同描绘。因为故事与实际发生过的事件联系在了一起,所以非常真实并有冲击力。甚至到了让人怀疑这就是事实吧的地步。

7奥泉光

7位.奥泉光『雪の階』

第7名 奥泉光《雪之阶》

昭和初期の日本を舞台にしたミステリ。親友の死に疑問を抱いた惟佐子と、彼女に調査を依頼された千代子が事件の謎に迫る。謎のドイツ人ピアニスト、革命を語る陸軍士官、裏世界の密偵など様々な人物が関わってきて、最後は二・二六事件に繋がっていく。ちょっと文体が独特で、しかも長文なのでサクサクと読んでいくことは難しかったですが、物語は重厚で読み応えがあり満足のいく作品でした。

是以昭和初期的日本为舞台的推理小说,对好朋友的死存疑的惟佐子与被她委托进行调查的千代子,接近了事件的谜团。神秘的德国钢琴家、热衷革命的陆军军官、地下世界的密探等各种各样的相关人物接连出现,最后与二·二六政变联系了起来。文体有些独特,而且篇幅较长,很难快速读完,但故事厚重饱满,耐人寻味,是会让人产生满足感的作品。

6三津田信三

6位.三津田信三『碆霊の如き祀るもの』

第6名 三津田信三《碆灵,祭祀之物》

海と断崖に囲まれた僻地の村に訪れた刀城言耶が、因習や伝説を調べるうちにあれよあれよと事件に巻き込まれていきます。江戸・明治・戦前・戦後とそれぞれの時代のおどろおどろしい怪談をなぞるように殺人が起きてしまうのです。刀城言耶の魅力が凝縮された感じがたまらない。

到访一个被大海和悬崖包围的偏僻村庄的刀城言耶,在调查当地的旧习与传说的过程中,卷入了一起事件中。仿照着江户·明治·战前·战后各个时代的惊悚怪谈的杀人案件不断发生。刀城言耶的魅力浓缩在一部之中的集大成之作让人欲罢不能。

5真藤顺丈

5位.真藤順丈『宝島』

第5名 真藤顺丈《宝岛》

希望を祈るな。立ち上がり、走り出せ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、恋人との愛を。美しい海を、熱を、人間の力を。英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は刑事になり、教師になり、テロリストになり――同じ夢に向かった。

不要祈求梦想实现。自己站起来,开始行动。爱不要轻声细语。大声喊出来,高声唱出来。去相信。和朋友的羁绊,和恋人的爱情。美丽的大海、热情、人类的力量。失去了英雄的岛屿,一个新的灵魂站起来了。有着深深羁绊的3个青梅竹马——グスク、レイ、ヤマコ。活着就是要奔跑,就是要反抗,然后就是要不断思考。少男少女一个成为了刑警,一个成为了教师,一个成为了恐怖分子——朝着同样的梦想前进。

4东野圭吾

4位.東野圭吾『沈黙のパレード』

第4名 东野圭吾《沉默的游行》

6年ぶりとなるガリレオシリーズの新作です。食堂『なみきや』の長女・並木佐織の失踪から3年、両親のもとに佐織の遺体発見の連絡が入る。佐織の殺害容疑で逮捕された男・蓮沼は、黙秘を続けることで起訴されず処分保留となっていた。起訴されてから『沈黙』を続けることで裁判で無罪を勝ち取っていた男と、その周りの者たちの物語です。さすがの東野圭吾さん。安定の完成度と読みやすさで一気読み、期待通りの面白さでした。

是时隔6年发行的伽利略系列的新作。餐厅“并木屋”的长女·并木佐织失踪3年之后,她的父母获悉女儿的遗体被发现。因杀害佐织的嫌疑而被逮捕的男人·莲沼,因为始终保持沉默而未被起诉,而被处分保留(因证据不足被暂时释放)。被起诉后,又继续保持沉默并成功被判无罪的这个男人与他周围人的故事。不愧是东野圭吾。保持了水准的完成度及流畅好读的故事,让人一口气看完,和期待一般的有趣。

3若竹七海

3位.若竹七海『錆びた滑車』

第3名 若竹七海《生锈的滑轮》

不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズの6作目です。前作『静かな炎天』も2017このミスで2位でしたからね。さすがの人気シリーズです。2人のお婆さんの喧嘩に巻き込まれ怪我をし病院送りになり、あれよあれよと事件に巻き込まれていく。たった一つの簡単に思えた謎がどんどん複雑になっていき、もう手に負えない!と思ったところで葉村晶の手によって華麗に解決されていく。二転三転する展開、張り巡らされた伏線を綺麗に回収していく様も圧巻でした。

运气非常差的女侦探·叶村晶系列的第6部作品,上一部作品《寂静炎日》在2017年的榜单上获得了第2名。不愧是人气系列。因牵扯进两个老奶奶的争吵中受伤,被送进了医院,因此意外地卷入了事件当中。本以为只是一个很简单的谜团,却渐渐复杂起来,在觉得已经棘手到无法解决的时候,叶村晶漂亮地解决了事件。跌宕起伏的故事展开,将布下的所有伏线全都完美回收也让人惊叹。

2深绿野分

2位.深緑野分『ベルリンは晴れているか』

第2名 深绿野分《柏林放晴了吗》

1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。

1945年7月。纳粹德国在战争中失败,柏林被美苏英法四国统治。在苏联与西侧诸国对立的状况下,救下了德国少女アウグステ的男人,却在苏联境内因美国制造的牙膏粉中含有的毒物不明不白地死去了。在美兵食堂中工作的アウグステ,尽管招来了很多怀疑的目光,但还是踏上了向恩人的侄子转达死讯的旅程。但不知道为什么就陷入了和一个开朗的小偷同行的状况——两个人怀揣着各自的想法,开始在荒凉的街道上行走。

1原尞

1位.原尞『それまでの明日』

私立探偵沢崎が活躍するハードボイルドシリーズです。探偵沢崎のもとに金融会社に務める望月という男性から、料亭の女将の身辺を調べてくれ、という依頼が届いた。しかし調べたところ、その女将はすでに亡くなっており……。沢崎が50歳を越えたためか前作品より性格が柔らかくなり、物語もマイルドになったように感じられました。それでも、様々な混乱をグイッと収束させておいてあの衝撃のラストはさすが沢崎シリーズという感じ。

这是私立侦探泽崎大展身手的冷硬派文学系列。侦探泽崎受到金融公司工作的名为望月的男性委托,去调查料亭老板娘周围的情况。但调查过程中却发现那个老板娘已经死了……因为泽崎年龄已经过了50,所以性格比之前的作品中所描述的要温柔一些,可以感觉到故事本身也有所缓和。即使这样,各种各样的混乱一下汇集到一起,最后的冲击让人感叹不愧是泽崎系列。

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