早くも終盤を迎える今年の大卒の就活だが、近年、早慶上智に代表されるような、いわゆる有名大の女子学生が一般職を希望する動きが注目されている。かつては一般職といえば、総合職の男性をサポートし、寿退社を目指すような位置付けで、短大や高卒の女性が多く目指すポジションだった。

终于迎来了今年大学生就业季的尾声,近年来,引人关注的当属以早稻田大学、庆应大学、上智大学为代表的名校女大学生,在就职时更加倾向于一般类职务的现象。以前说起一般类职务,是大多数短期大学和高中毕业的女生所选择的职务,即在业务上辅助综合职务的男性,目标是结婚就辞职的岗位。

男女雇用機会均等法から30年以上を経て、女性の総合職採用も当たり前になり、国を挙げて女性活躍が叫ばれている。働く女性には追い風のような時代に、高学歴女子があえて一般職を目指すのはなぜなのか。彼女たちの本音に迫る。

自男女雇佣机会均等法实行的30多年来,任用女性的综合类职位成为现实,出现全国女性就职热。在这样一个女性就业大潮的时代中,高学历女子竟要选择一般类岗位为就业目标,其中的原因是什么呢?我们来听听她们的真心话。

最優先する条件は「転勤がない」

最先考虑的条件是「不用调职」

「正社員として一生、働き続けたいからこそ、一般職を受けています」

“想作为正式员工一直工作一辈子,所以选择了一般类职务”

上智大法学部4年の女性(21)は、政府系金融機関や証券会社の一般職、法律事務所の秘書職に絞って、就職活動をしてきた。

上智大学法学部的女生(21岁),目前正在以政府金融机关、证券公司的一般类职务,和法律事务所的秘书职位为目标,开展就职活动。

最優先する条件は「転勤がないこと」だ。

最先考虑的条件就是“不用调职”

「結婚して子どもを産んでからも、働き続けたい」

“结婚之后即使生了孩子,也想继续工作”

配偶者の職業にもよるだろうが、共働きで転勤になった場合の子育てと仕事の両立に自信がもてなかった。働きやすさを重視した結果の一般職だ。そう考える背景には、母親の人生も影響しているという。

可能也考虑了配偶的职业因素,如果两人一起调职的话,在育儿和工作方面难以两全。所以一般类职务更便于工作。在这样的背景下,母亲的人生也受到了影响。

「母は結婚前、キャビンアテンダントとして働いていましたが、寿退社をしています。子育ての両立が難しかったからです。子育てがひと段落してからは、パートタイムで働いていました」上智大生の女性は、子ども時代を振り返る。「母からは正社員で働き続けることは本当に大事と、子どもの頃から言われてきました。(一般職を受けるという)現実的な選択には、賛成してくれています」

上智大学的女生回顾小时候说“妈妈在结婚之前是客舱工作人员,后来因为结婚而辞职了,所以对于女人来讲,事业和家庭很难兼顾。她把孩子养大了以后,才开始做兼职。”“小时候就听妈妈说,身为母亲能作为正式员工持续工作真的很重要。(从事一般类职业)是现实的选择,大家都赞成这样就职。”

就活の面接では「総合職でよかったんじゃない?」と聞かれることもある。その時は「一生働き続けたいからこそ一般職」との理由を話す。すると、たいていの面接担当者は、黙ってうなずいているという。

在找工作面试的时候,被问到“综合类职务不是很好的选择吗?”这时候,你给出的理由是“我想一辈子都能工作,所以一般类职务最适合”这样的话,大多数面试官也会默默赞同你的选择。

周囲の友人やゼミ仲間は総合職志望者が多いが、「出産や子育てはどうするの?と聞くと、その時に考える」と答えるという。総合職を目指す同級生に、子育てと仕事の両立への明確な「答え」があるわけではない。

虽然周围的朋友和学习组的伙伴们大多都选择了综合类职务,“问他们生孩子或是育儿的时候准备怎么办?都回答到时候再说”。选择综合类职务的同学在家庭和事业的平衡问题上,也无法给出明确的答复。

「自分のために使う時間もほしい」

“想要拥有属于自己的个人时间”

「終電よりは早く帰宅したいですし、残業なし週休2日ならば、なおいいです。収入を得た分、それを自分のために使う時間もほしい」そう話す早稲田大政治経済学部3年の女性も、一般職志望だ。卒業は再来年だが、メーカーや広告業界を中心に早くも就職活動をしている。やはり学内の友人は総合職志望者の多い環境だが、「表舞台で責任を持って活躍するよりも、それを陰で支える仕事の方が自分に合っている」と、周囲は気にならない。

“希望赶在最后一班电车之前回家,要是没有加班并且可以周休两天就好啦。希望有一定的经济收入,有自己的个人时间。”这是早稻田大学政治经济学部三年级女生的心声,所以她也选择了一般类职务。虽然毕业是两年以后的事情,但是现在已经在参加制造业和广告业相关的就职面试了。毕竟同学们还是选择综合类职务的居多,在这样的背景下,她表示“和负责很大的项目活跃在前线相比较,在背后默默支持的工作才最适合自己”所以不介意周围的意见。

「結婚や妊娠、出産のことを考えると、国内外問わず転勤の可能性がある総合職は選択肢にはありませんでした」

“考虑到结婚、怀孕、出差等问题,就不会选择随时会海内外调职的综合类职务了”

大手総合商社の秘書職で働く女性(24)は慶應義塾大の出身だ。就職活動中から商社の一般職や、損害保険や銀行で、転勤のないエリア総合職にターゲットを絞っていた。最終的に商社の一般職に決めたのは「エリア総合職も結局、エリア内のどこに配属されるか分からないリスクが伴う。確実に都内で働けることが自分のモチベーションに繋がると思いました」。親も転勤がないことを喜んでくれた。

毕业于庆应大学的女子(24岁),目前在巨头综合商业公司担任秘书一职。她在就职面试中,就是以商业公司的一般类职务、财产保险以及银行里没有调职要求的综合类职务为目标。最后她选择了商业公司的一般类职务,理由是“就算是区域综合职,最终还是有在区域内调职的风险的,保证在东京都内工作关系到我的动力”另外父母也会为自己不用调职感到开心的。

秘書として会社の上層部と関わる中で、スケールの大きな仕事を目の当たりにしている。第一線で働く総合職社員をサポートすることは「成果も目に見えやすく、やりがいと誇りをもっています」。一般職から総合職への転換制度もあるが、まったくその選択肢を考えていないという。

秘书和公司上层之间相互关联,会接触到规模大的工作。支持在一线工作的综合类职务的员工“容易看见成果,做事有价值有成就感”。虽然也有从一般类职务调到综合类的制度,但是人们几乎不会这么考虑。

総合職の6割、10年で離職

综合职中的6成10年后会离职

総合職、一般職といったコース別雇用は、男女雇用機会均等法の成立を機に、大企業を中心に導入された。転居を伴う転勤とセットで昇進・昇格に道が開かれ、基幹業務を担う「総合職」と、転勤を伴わず主に補助的な仕事を担う「一般職」といった位置づけだ。

综合职和一般职的区别雇佣,是以男女雇佣机会均等法为契机,首先在大企业里导入实施的。“综合职”是指负责公司核心业务,伴随着移居调转,可以为职业发展开辟新的道路。而“一般职”是指辅助性的工作,没有调职,晋升空间不大。

2014年の厚生労働省調査で、総合職採用に占める女性の割合は22.2%、一般職では82.1%が女性だ。注目すべきは採用10年後の離職率で、女性は58.6%と、男性の37.1%を大きく上回る。実に6割の総合職女性が、10年内に辞めている。

根据2014年劳动厚生省的调查显示,选择综合职的女性占22.2%,选择一般职的女性占82.1%。值得注意的是,入职10年后,女性的离职率为58.6%,远远高出男性离职率的37.1%。实际上有六成的女性在入职后的10年内都选择辞职了。

難関大学の女子学生が、一般職を志望する動きは、就活の現場では近年、珍しくない。「就職四季報女子版」で公表されている範囲の大手総合商社や大手メーカーの一般職の採用の出身校には、慶應、早稲田、上智や有名女子大が並ぶ。

近年来,对于各大名校的女生来讲,在就职现场选择一般类职业的现象并不罕见。“就职四季报女子版”公布的范围内的巨头商业公司、制造公司等,招收的女员工大多是毕业于庆应、早稻田、上智大学等名校。

「出産してからも長く働き続けることを意識するようになったからこそ、就活段階から産後の働き方も考えて、転勤のない一般職という背景もあるのでは」と、就活支援のディスコキャリタスリサーチの武井房子上席研究員はいう。むしろ、近年は男子学生でも、転勤地の限られるエリア総合職志望者は少なくないという。

支援学生就职活动的Disco carrier status research的首席研究员武井房子说“正因为女性逐渐意识到生育之后继续工作的重要性,所以在就职时,就考虑到了产后的职业道路,因此有选择不需要调职的‘一般职’的背景”此外不得不说,近年来也有不少男生选择调职区域有所限定的综合职。

両立思考の“現実主義“女子

双向思考的“现实主义”女子

「結婚もしたいし、働き続けたい。そんな希望は、転勤が多くて長時間労働の総合職では実現しないのではないか。最初から一般職についた方が、このまま働き続けられるかも。そうした気持ちが広がっている気がします」慶應大大学院システムデザイン・マネジメント研究科在学の新居日南恵さんはいう。

“频繁调职、长时间劳动的综合职,对于既想结婚又想继续工作的期望来说,是不现实的。从一开始就从事一般职比较可能继续工作到最后。我觉得这种想法正在蔓延”庆应大学研究生学院系统设计·管理研究科的学生新居南惠桑这样说到。

「少なくとも私の周りには、働く意欲のないような人はほとんどいません。就職活動中に『結婚・子育て』について聞く学生は『やる気がない』と思われがちですが、これは大きな誤解です。そもそも自分のキャリア形成について真剣に考えていない人は、そんなこと考えもしないし調べもしないんじゃないでしょうか」

“至少我周围几乎没有不想工作的人。当学生们在就职面试中提问关于结婚生子的问题,会容易被认为‘没有干劲儿’,其实这是极大的错误。那些原本就没有认真考虑自己职业道路的人,也不会去理解调查一般职和综合职的情况吧。”

前述の上智大4年の女性は「仕事へのやる気はもちろん、あります。転勤や残業のない、育児と両立しやすい環境があるのならば、総合職も考えました」という。高学歴で一般職を選ぶ選択には、自分でも少し複雑な面もある。

上述的上智大学4年级女生说“工作热情自不必提,如果不用调职和加班,如果拥有事业家庭兼顾的良好环境,我也会考虑综合类的职务”,对于高学历一般职的选择,学生自己心里也有复杂的一面。

「幸せな総合職」のメッセージ足りない

让人感觉不到幸福感的综合职位

高学歴女性の一般職志向について、大和総研の河口真理子主席研究員は「本当の意味でワークライフバランスとダイバーシティを達成する社会の仕組みが、追いついていない結果では」とみる。

针对高学历女性选择一般类职位的现象,大和综合研究的首席研究员河口真理子说到“这是因为学生们追求不到真正意义上的工作与生活相协调的平衡”

「企業は育休制度などを充実させ、ワークライフバランスにも配慮するようになり、一生働きたい女性が増えている。当然総合職女性が増えると思われたが、学生からみる総合職は大変過ぎて一生勤めきれない、一生働けるのはセカンドベストの一般職にという発想になるのではないか」と指摘する。

指出“企业应充实育休制度,考虑到工作和生活协调均衡,想要工作一辈子的女性不断增多。当然大家几乎都认为是综合职的女性增加了,不过从学生的角度来看,综合职过于辛苦,不可能工作一辈子,能持续工作一生的是排名第二的一般类职业”

さらに今年の就活については、昨年末の電通女性社員の過労自殺事件の報道の影響もみる。

另外,今年的就职活动也受到了,去年年末电通女员工过劳自杀事件报道的影响。

「大変痛ましい事件により、総合職は大変だ、ブラックだというイメージが、さらに強まった面があるのではないでしょうか」

“这样悲痛的事件,更加强了人们对于综合职很辛苦的负面印象。”

実際は、子育て期に女性が離職する実態を示す女性の就労率の「M字カーブ」は緩やかになっている。子育てしながら総合職で働き続ける女性は確実に増えている。河口さんは、「現時点で、マスコミで取り上げられる役員や管理職の女性たちは、昔のブラックな環境も耐え抜いて這い上がったスーパーウーマンのイメージが強い。ただ、現在では制度の充実、企業の考え方の変化により、普通に子どもを育てて働き続けている総合職も増えつつある。しかしまだ、企業全体の取り組みには濃淡がある。頑張っている企業の情報も、学生に理解されるほど十分に届いていない」と、イメージと現実のギャップの課題を挙げている。

实际上,女性就业率的‘M曲线’显示了女性在育儿期间的离职率,最近‘M曲线’的走向变得缓慢。一边育儿一边在综合职工作的女性正不断增加。河口桑提出了理想与现实的差距,她说“当前,媒体所说的女性员工和女性管理者们,给人一种在黑色环境下也能努力向上的超级女强人印象。但是,目前制度的完备,企业思考方式的变化,让女性一边工作一边正常照顾孩子的综合职渐渐增多。不过,全体企业的结构各有不同,努力发展的企业信息并没有很好地传递给学生们。”

本翻译为沪江日语原创,未经授权禁止转载。

相关阅读推荐:

日本就职大揭秘 多的是你不知道的事

趣味漫画:日本职业女性的内心吐槽