2017年度の流行語大賞になったという「忖度」について。

这次来谈谈2017年度流行语大赏第一名的“忖度”。

ロサンゼルスにいるとどのくらい今さらなのか、実は良く分からないのですが、今さらこの言葉について書いているその訳は、

因为笔者在洛杉矶,所以对于现在来谈“忖度”是否已经过时已久也不太清楚,但如今还想就这个词一抒己见的原因如下:

(1)カウンセリングに訪れた日本人の人間関係の悩みを探っていくと、この忖度的心理が働いて事態を悪くしていると思えるケースがしばしば見られること。

(1)当为前来进行心理咨询的日本人分析人际关系中的烦恼时,笔者发现了不少因为忖度这一心理作用而导致事态恶化的例子。

(2)日本にいたときはガイジンと呼ばれ、むしろKYなほうであったであろう自分も、無意識のうちに忖度していて、アメリカではかなり重度の忖度イストに属することを、つい最近自覚してしまったから、である。

(2)此外就是笔者最近意识到,在日本被称为“外国人”,甚至可能被认为是“KY”的自己会在无意识中忖度他人的心理,这在美国是要被列为重度忖度主义者的。

多文化社会では日本人の忖度スキルは機能しない

在多文化社会中,日本人的忖度技能不起作用

日本における忖度のメカニズムというのはとても静的だ。要求をしない、したくない。また、何がしたいのか、して欲しいのか、尋ねることも直接的すぎるようでためらわれる。もしくは相手の気持ちがとても繊細だったり、大事だったり、プライベートなことだったりするので、口にしてはいけないというプレッシャーにさらされる。

日本的忖度是一种相当静态的机制。不提要求,也不想提要求。此外,想做什么?想要对方做什么?哪怕仅仅是询问对日本人来说也太直接了,会让他们犹豫不定。或许是对方的情绪太纤细太重要,或是涉及个人隐私,让人有种不能将其付诸言语的压力。

そこで、相手の気持ちを推し測る。ここはズバズバ訊いちゃダメですよ的な空気を読んだ上で、相手の気持ちも読むわけである。

由此,日本人会推测对方的心理,在感知到“现在不能直截了当问”这一氛围后,就会推测对方的心理。

これをロサンゼルスのような多文化社会でやるとどうなるか?——日本人の持つ高度な忖度スキルはたいてい機能しない。勝手に推しはかって全然当たっていなくて空振っているだけならいいのだが、問題は日本人にとって忖度は習性といおうか、とうの昔にコミュニケーション方法の一部に織り込まれてしまっていると思えること。

若是在洛杉矶这样多文化社会中这么做会怎样呢?——日本人具有的高度忖度技能基本就不起作用了。若是擅自推测一点没中,只是白用功的话也就算了,问题是对日本人来说,与其说忖度是种习性,不如说很久很久以前就已经融入交流方式之中了。

日本人にとっては、相手の心を読んだり、相手に心を読まれたりするのが普通のことで、そこまでやってやっとお互いに理解し合っていると思えるふしがあることである。

对日本人来说,相互推测对方心理如同家常便饭,这个关键就是相互深入忖度最终达到双方互相理解。

日本人彼女のマインドリーディングが不愉快

日本女友的读心术让人很不愉快

それを痛感するのが日本人X他国人の異文化カップル・セラピーをやるときである。

让笔者深感这一点的是在进行配偶治疗法的时候,当事人是日本人X外国人,出身于不同文化国家的情侣。

端的に言って、忖度は嫌われるか、気味悪がられる場合が多いように思う。 場合によってはマナー違反と断じられる可能性すらある。

直截了当的说,在很多场合,忖度会让人觉得厌恶与不快。有时甚至会被认作不合礼节。

ある米国人男性は「日本人彼女のマインドリーディングが不愉快」だと言う。

一位美国男性这样对笔者说过:“日本女友的读心术让我很不愉快”。

「彼女はいつもこれしたかったんでしょ、これ好きでしょ、これ欲しかったでしょ、みたいなアプローチ。頼まなくてもくれたりする。実際、趣味とか良く知っていて、うれしいと思ったときもあったけど、彼女の考えている『自分』にフィットしないといけないみたいで、息苦しくなるから放っておいて!と言いました」

“她和我交往的时候总是表现出‘你想做这件事吧’、‘你喜欢这个吧’‘你想要这个吧’的样子。哪怕我并没有要求过她也会为我做很多事情。实际上,她很了解我的兴趣,有时的确让我很高兴,但给我一种自己必须和她所认为的‘我’一致的感觉,我对她说,我感到很拘束,别管那么多了!”

では、その逆はどうか。20代の米国人男性と婚約中の日本人女性は、

那么,另一方又是怎么想的呢?一位与20多岁的美国男性订婚的日本女性是这样说的:

「彼は何でも言わないと分かってくれない。やってくれない。こんなことまで?みたいなことまでいちいち言うのが苦痛」だと言う。

“要是我什么都不说的话,他就什么都不懂,更不会做什么。类似‘连这也要我提醒?’的事也要我一句句明说太痛苦了。”

「こんなことまで、ってどんなこと?」と訊くと、

当笔者询问“连这也要我提醒的事”是什么,女方是这样回答的。

「私の部屋にたまっていく一方の彼のモノを持って帰らないとか(他にもいろいろあったが以下略)」

“比如说他堆在我房间里的个人用品越来越多又不带走(其他还有很多,以下省略)”

「“これ持って帰って”って言わないの?」

“你没告诉他‘把这些带走’吗?”

「言ったことありません。そんなの、言わなくても分かってくれるものじゃないですか?ふつう」

“我没说过。这不是理所当然,不用说也该懂的吗?”

お分かりのようにその普通こそが問題なのだが、生まれ育った文化の普通から離れてみることはやはり結構難しい。

如您所见,这个“理所当然”才是问题所在,脱离原生文化的“理所当然”看事情果然很难。

彼のほうは彼のほうで、彼女が不機嫌になったときに理由を言ってくれないので困っているという。

而从男方的角度来看,女方不高兴的时候又不说原因让他困惑。

「このあいだも、デート先で急に黙ってしまって、どうしたの?どうしたいの?と訊いても理由を言ってくれない」

“最近也是这样,正在约会的时候突然就不说话了,问她怎么了,想要做什么,她也不说原因。”

どうもデートした場所が原因だったようなのだが、

看起来原因似乎是约会地点,然而,

「彼はわたしがどうしたいか、言わなくても分かってくれると思っていた」

“我以为我不说他也能明白我想做什么。”

「言わなくても分かるなら、俺はサイキックで食べていけるでしょ」という彼のジョークは至極正論に思えるのだが、彼女は察してもらうことにこだわる。そのほうがより理解されていると感じられるからだ。

“要是不说就能懂的话,那我直接靠这超能力吃饭得了”笔者觉得男方这个玩笑就是真理,但是女方相当在意对方能否体察自己的想法,这样才能更能让她觉得对方理解自己。

彼女にとっては、忖度とかお察しは、上品さや丁寧さといったプレミアム感のある、ワンランク上の理解を伝え、伝えてもらえる手法なのかもしれない。しかし、ここLAでは言わないとダメなものはダメである。このカップルは残念ながら結婚まで行き着くことはできなかった。

对女方来说,忖度与体察也许是种兼具文雅和委婉两种性质的高级的、同一层次的相互理解的方式。然而在洛杉矶,不说出来就行不通的东西就是不说不行。很遗憾,这对情侣最终没能走入婚姻的殿堂。

忖度しないコミュニケーション

无忖度沟通

1から10まで言語化して(特に口語で)表現することが推奨されていない文化で育った人が、そういう文化で育った人と人間関係を築いていくには、面倒がらずに言葉にして発言していくスキルを身につけることが必須になる。異文化間のコミュニケーションが誤読と誤解の連続だからといって、「どうせ分かってもらえないだろう」と忖度しないことも大事だ。忖度したら、コミュニケーションもそこで終わる。日本人が海外でコミュニケーション下手と言われるのは、その辺りをあまりにも潔く諦めてしまっているからなのではないかと思う。

在连从一到十都不推荐用语言表达(特别是口语)的文化中长大的人,想要与在完全相反文化中长大的人建立人际关系,必须不顾麻烦,学会如何用语言表达的技巧。即便不同文化间的交流一直处在误读与误解之中,不暗自忖度“反正对方也不懂”也相当重要。若这时忖度的话,沟通也就在这里结束了。笔者认为,之所以日本人被认为在国外不擅交流,有可能就是在这方面直接放弃了。

日本社会はハイコンテクストなので、互いの理解への期待度が段違いに高い。
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日本社会是个关系高度复杂的社会,这导致对双方互相理解的期待度异常高。

一方、アメリカに住む移民どうしの間は、わかり合えないことが前提なので、理解しあえるという期待などはなからない。しかし、理解はしあえないかもしれないが、共感はしあえる。

相反,居住在美国的移民间相互不理解是前提,由此‘相互理解‘这一期待从未消失过。虽然也许无法相互理解,但他们间却存在同感。

“Put yourself in other’s shoes” (他人の立場になって)というのが多文化社会での忖度の方法だ。忖度しないコミュニケーションでも、共感は得られるし、共感もできる。

“Put yourself in other’s shoes”(从他人的立场考虑),这是多文化社会的忖度方式。在不经忖度的交流中也能找到同感,建立同感。

日本の「言わなくても分かる」ガラパゴス的ハイコンテクストなコミュニケーションから、「言っても分からないかもしれないけど共感は可能」な、ざらつきのあるコミュニケーションに慣れるべき時代がそろそろ来ているのではないかな。

日本这种“不言而喻”的孤岛式高密度社会交流方式,必须转变成“或许说了对方不会懂但是可能会有同感”的碰撞式交流方式,这样的时代是不是就快到来了呢。

本内容为沪江日语原创翻译,严禁转载。

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