社会人になっても親と同居したままの20、30代の子どもは少なくない。FPの横山光昭さんは「同居中にしっかり貯金できず、親もその状態を放置しがちだ。おまけに経済的支援する親もいて、自分たちの老後資金が減る危険性もある」と指摘する。横山さんが、「ストレス散財」を続ける実家住まいの39歳女性にアドバイスした内容とは——。

有不少20、30岁的年轻人在步入社会之后依旧和父母住在一起。资产管理师横山光昭先生指出“明明和父母一起住,却无法好好存钱,父母放任这种情况。再加上有些父母会在经济上支援孩子,很可能导致他们自己老后资金不足”。横山先生就一直住在自己家、始终在“压力消费”的39岁女性的建议是——

■20、30代で親と同居のパラサイト息子・娘が散財する理由

■20、30代与父母同住的啃老族挥霍金钱的原因

親と同居している20、30代の独身者で、自分のために使えるお金が多いにもかかわらず、貯金ができない人は少なくありません。

和父母住在一起的二三十代单身男女中,很多人即使有不少可以为自己所用的钱,却始终无法存下来。

今回相談にいらっしゃった契約社員の池田真理(39歳)さんも、そんな「残念な独身」のひとり。毎月の赤字が約6万円あり、それをボーナスで補填してきましたが、それも底を突き、100万円の貯金を切り崩すところにまで追い込まれたそうです。

本次前来咨询的是非正式员工池田真理(39岁),她也是这样让人遗憾的“月光单身族”的一员。每月赤字6万日元(约3700元),虽然可以用奖金填补,但还是杯水车薪,100万日元(约6万2千元)的存款眼看就要花费一空。

首都圏の郊外都市に住む池田さんは、同居している両親には、毎月の手取り19万5000円のなかから、2万円を渡しています。ただし、食費、水道光熱費、インターネット代の負担はなく、残りの17万5000円をすべて自分のために使うことができます。

池田女士住在首都圈的郊外城市,每月从19万5000日元(约1万2千人民币)的工资里,取2万日元(约1200元)交给她的父母。但除此之外,她没有用餐、水电煤、网络等费用的负担,剩下的17万5000日元全部可以自由使用。

しかも、通っている英会話教室と資格取得のセミナーの費用は、「教育費」として親が負担していました。40歳間近だというのに経済的に依存している池田さんも問題ですが、いつまでも過保護な両親も問題です。

甚至,英语口语课程和考取资格证的课程费用也由双亲作为“教育费”承担。当然年近40岁还要在经济上依赖父母的池田女士有问题,而对女儿过度保护的双亲也有问题。

■家賃なし、水道光熱費なしでも月20万円を使い果たす39歳

■零房租,不付水电煤,每月依旧能花光20万日元的39岁

毎月17万5000円も自分のために使えるお金がある池田さんは、どうして毎月6万円も赤字を出してしまうのでしょうか。ひとつひとつじっくりと支出の状況を伺ってみました。

每月有17万5000日元可以自由使用的池田女士为什么还会有6万日元的赤字呢?笔者详细询问了她的支出状况。

通信費(1.6万円)、被服費(3.5万円)、美容費(1.3万円)など、独身女性の必要経費といえる出費もありますが、手取り19万5000円という収入のなかで、池田さんの家計を苦しくしている一番の要因は、毎月合計5万円にもなる「リボ払い」でした。

通信费(1.6万日元,近一千人民币)、服装费(3.5万日元,约2100人民币)、美容费(1.3万日元,约800人民币),这些都还算得上单身女性的必要支出,而在这19万5000日元的工资中,让池田陷入赤字的最大原因就是每月近5万日元的“分期付款”。

リボ払いはクレジットカードの返済額を一定にする支払方法です。たとえば毎月の返済額を1万円に設定すれば、9月に3万円の服を買い、10月に5万円の家電を買っても、毎月の返済額は1万円のままです。返済額が増えないため、「家計にやさしい」と勘違いしがちなのですが、リボ払いの金利手数料は約15%と非常に高く、支払いが長期間終わらないという状況に陥りやすいのです。

分期付款是每月支付一定金额的信用卡还款方式。若每月的还款金额设定为1万日元,9月花3万日元买了衣服,10月花5万日元买了家电,每月依旧只需要还款1万日元。由于每月还款金额没有增加,很容易造成“收支平衡”的错觉,分期付款的手续费高达15%,所以很容易陷入付款期限越拖越长的境地。

案の定、池田さんのリボ払いの残高は93万円で、返済は2020年まで続くことになっていました。このまま毎月の赤字が続けば、100万円の貯金はなくなってしまうでしょう。

而正如所料,池田女士尚未分期付款完成的金额高达93万日元(约5万7千日元),还款期限已经拖到了2020年。如果今后依旧每月赤字的话,100万日元的存款很快就会花费殆尽。

■93万円のリボ払い分を一括返済して「借金ゼロ」にする

■一口气还清93万日元分期付款 实现“零借款”

私は、池田さんの家計を再生するため、ふたつの方法を提案しました。

为了让池田女士的经济状况有所好转,我提出了两个方法。(by上文提到的资产管理师横山光昭先生)

ひとつは毎月の支出を減らし、リボ払い額をこれ以上増やさないようにしながら、返済を続けていく方法。もうひとつは、100万円の貯金でリボ払い分(93万円)を一括返済し、毎月の支出も減らしながら、貯金を再スタートさせる方法です。

第一个方法是,减少每月开支,不再增加新的分期付款金额,将现有欠款付清。另一个方法就是,用100万日元的存款将分期付款(93万日元)一口气还清,减少每月支出,重新存款。

すると、池田さんは貯蓄が消滅してしまうことに迷いはあるようでしたが、「一括返済して、貯金ゼロからやり直すこと」を選択しました。

于是,虽然池田女士对存款清零抱有不安,但最终还是选择了“一口气还清欠款,从零开始存钱”的选项。

ただし、現在の「自由すぎる消費」は見直す必要があります。これまでの「好きなものを好きなだけ買っていた生活」を改めなければ、同じことの繰り返しになります。

不过,目前很重要的就是修正她“太过自由的消费习惯”。若不改正她“喜欢什么就买什么”的生活方式,今后只会重蹈覆辙。

要・不要を考えながら、買い物に優先順位をつけ、無駄な支出をできるだけ減らす必要があります。そのため、支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けて考え、浪費を削っていくことにしました。

将是否需要放在购物的第一顺位,尽量减少不必要的支出,这对现在的池田女士是十分必要的。因此,可以将支出分为“消费”、“浪费”、“投资”三块,并尽量削减浪费。

消費は生きていくために必要な支出、浪費はいわゆる無駄遣い、投資は将来の自分につなげる支出です。この割合が、消費:浪費:投資=70:5:25になることを目指します。この割合は、私がしばしばアドバイスする、健全な支出の「黄金律」です。

消费指的是生存必要支出,浪费也就是所谓的无用消费,投资是为了自己将来所做的支出。三者比例要以【消费:浪费:投资=70:5:25】为目标。这是笔者精算过后的建议,是健全支出的“黄金比例”。

■「大浪費」の原因はストレスと不安、着ない服もたくさん

■“过于浪费”的原因是压力和不安,买了太多不穿的衣服

池田さんは30代の半ばまでは、文具メーカーの事務職として堅実に働き、貯金も200万円ほどあったそうです。ところが、職場での人間関係に疲れて退社したことがきっかけで、退職後の散財で貯金が半分に。契約社員として再就職した今の会社では人間関係のストレスはなくなったものの、30代後半となり「結婚できないかもしれない」という不安で洋服や化粧品、エステ代などにお金をつぎ込んでしまったのだそうです。

池田女士在35岁之前都作为文具生产商的事务职员努力工作,存款也有将近200万日元。但后来因为疲于职场人际关系而辞职,辞职后肆意挥霍导致存款只剩一半。后来作为非正式职员再就职,如今虽然没有公司人际关系的压力,但到了奔四的年龄,处于“可能无法结婚”的不安中,因此买了不少衣服和化妆品、在美容方面花费了不少金钱。

「欲しくて買った服でも、1回も着ていないものがたくさんあるんです」

“就算是想要才买的衣服,也有不少一次也没穿过的”

ストレスや不安から、衝動的に散財することはあるでしょう。そのとき拍車をかけるのが、手軽に使えるクレジットカードです。そのまま「カード破産」に至る人も少なくありません。しかし今回、池田さんは「貯金で借金をチャラにして出直す」という荒療治をしたおかげで目が覚めたようでした。

谁都有过出于压力和不安的冲动消费。这时候推动冲动消费的就是使用便利的信用卡。也有不少人陷入“信用卡破产”的境地。不过这次池田女士采用“用存款还清借款”这样置之死地而后生的手段,本人似乎也想通了许多。

クレジットカードは親にあずけ、被服費や化粧品代も「長く着ることができる服、自分の肌に合った化粧品」という「買ってもいい基準」を自分で決めることで削減できたそうです。

她把信用卡交给父母,就服装和化妆品,给自己制定了“买能长穿的衣服以及适合自己肤质的化妆品”这一“购物基准”来削减开支。

その結果、毎月の支出は約7.5万円減り、毎月1.5万円ずつ貯金ができるようになりました。エステ代の分割払いが5カ月後に終わる予定なので、その後はさらに貯金額がアップし、老後資金を貯める準備が整います。

从结果上来看,池田女士每月的支出减少了7.5万日元,每月留下1.5万日元作为存款。美容院的分期也将在5个月后还清,这之后存款也将增多,可以为自己老后存储资金了。

■すねをかじらせる親「子どもファースト」は老後破産のトリガー

■啃老族父母的“子女优先”是导致他们老无所依的最大元凶

今回の相談の当初から、私は「池田さんのご両親は、ご自分の老後は心配ないのだろうか」ということがずっと引っかかっていました。

本次咨询一开始,我就对“池田女士的双亲难道不担心自己的老年生活吗”这件事惦记在心。

「子どもファースト」で教育費にお金をかけすぎたり、社会人となったあとも経済的に援助したりすることで、自分たちの老後資金が足りなくなるケースが目立ちます。いわゆる「老後破産」のトリガーは、子どもへのお金をかけすぎということも多いのです。

出于“子女优先”,他们花了大价钱作为女儿的教育费用,即使在女儿步入社会之后还给与经济援助,自己很可能会面临老后资金不足的局面。也就是说“老后破产”的最大元凶,就是在子女身上花了太多的钱。

実は今回の家計費の見直しの際に、池田さんと相談した結果、「増額」する費目も作ることになりました。それはこれまで親に払ってもらっていた教育費。

而借这次修正经济支出的机会,和池田女士进行了商讨,创立了“增额”类目。也就是以往父母为她支付的教育费用。

実家住まいであれば余裕があるはずなのに、お金の使い方にルーズになってしまい、結婚してもマイホームを買う資金がない、老後資金にも不安が残る……という相談をたくさん受けています。親は、子どもに同居を許したとしても「独身貴族」のような生活をさせていては、自分の首を絞めることになってしまいます。要注意です。

住在自己家,理应有不少余钱。但我曾接受过不少咨询都是因为资金管理太过松散,最后甚至连结婚后买房的资金都拿不出来,对老后资金也十分不安。如果双亲允许子女和他们同住,还放任他们“单身贵族”一般地生活,只会是自讨苦吃。因此要特别注意。

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