世界で16人しかいないレゴ認定プロビルダー。どうやってプロになったのか、 「ただの1ファン」と何が違うのか、どのような生活を送っているのか...。好きなレゴを仕事にした日本唯一のプロビルダー、三井淳平に聞いた。

乐高认证的专业搭建师,全世界只有16人。他们是怎样成为专业大师的呢?他们和“普通的乐高迷”有何不同?过着怎样的生活...?就这些问题对把喜欢的乐高作为工作的日本唯一的乐高专业搭建师・三井淳平进行了采访。

その会社は、東京の都心から西に少し離れた住宅街にある。オフィスは地下1階の 1フロアで、広さは100平方メートル超。 窓はほとんどない。

他的公司位于东京市中心偏西稍远处的住宅街里。办公室设在地下1层,面积100多平方米。几乎没有窗户。

オフィスといっても、一般的なオフィス と違って、背丈ほどの高さの半透明キャスター付き収納ケースや段ボール箱がやや乱雑に所狭しと置かれている。自由に動ける空間は少なく、他にはデスクが1 つとテレビが1台。収納ケースと段ボール箱の中身は、色·種類別に分けられた、 おびただしい数のレゴブロックだ。

虽说是办公室,却和普通的办公室不一样,里面杂乱地挤放着和人一样高的有脚轮的半透明收纳箱和纸箱。能够自由活动的空间很小,还放了一张桌子和一台电视机。收纳箱和纸箱里放着的是按颜色·种类分类的量大到惊人的乐高积木。

ここは日本初にして、今も日本唯一のレゴ認定プロビルダーである三井淳平のオフィスである。

此处是日本第一人,现在也是日本唯一的乐高认证的专业搭建师・三井淳平的办公室。

三井によれば、レゴブロックの保存状態を良く保つためには地下がいいのだという。また、その場所に居を構えた理由は、高速道路のインターチェンジに近いから。依頼を受けてレゴで作った作品は、国内であればトラックで配送するので、この立地が便利なのだ。

据三井称,能够让乐高积木保持完美状态的最佳场所就是地下。另外,工作室选址在那里还有离高速公路交叉口近的原因。如果是国内的委托,用乐高制作完作品,就会用卡车进行配送,交通十分便利。

すべてはレゴのためー一。それが、世界でわずか16人しかいない認定プロビルダーの1人であり、レゴだけで生計を立てている三井の「工房」だ。

一切都是为了乐高ー一。那就是,全世界仅有的16名乐高认证专业搭建师之一,以乐高维持生计的三井所开创的“工作室”。

とはいえ、「認定プロビルダー」とはいったい何なのか。レゴ社に雇われるわけではないというが、では「ただの1ファン」と何が違うのか。認定されると、どうなるのだろうか。

话虽如此,“认证专业搭建师”究竟是什么?并非乐高公司的职员,又和“普通的乐高迷”有何不同呢?被认证后,又会怎样?

中学から作品を発表、タイで声を掛けられた

自中学起就开始发表作品,在泰国被搭话

三井は1987年、兵庫県明石市で生まれた。レゴが大好きで、中学3年生の頃にはすでに小遣いをはたいて海外からパーツを買うようになっていた。

三井出生于1987年,兵库县明石市。因为十分喜爱乐高,初三左右已经将所有零花钱用于从海外购买乐高零件。

高校3年生で『TVチャンピオン』(テレビ東京系列)の「レゴブロック王選手権」に出場。予選を突破してデンマークで行われた決勝に進んだ(結果は準優勝)。中学生のときから自分のホームページでオリジナル作品を発表しており、それもテレビ出演につながったという。

高三时参加了《TV冠军》(东京电视台)的“乐高积木王争夺赛”。通过了预赛闯进在丹麦举行的决赛(最后获得亚军)。中学时期开始他就坚持在个人主页上发表原创作品,据说这也是他得以出演电视节目的一个契机。

その後、東京大学に進学するとレゴ部を創設。仲間たちと作った安田講堂を学園祭で展示して話題になる一方、ネットを使って、個人でもレゴ作品を発表し続けた。さらにはレゴブロックを使ったイベ ントに携わり、依頼を受けてイベントや店舗で展示する作品を制作するなど、活 動の場を広げていく。

后来,在考上东京大学后他创办了乐高社团。在学园祭上展示了和朋友一同用乐高搭建的安田讲堂,因此成为了话题,另一方面,他仍坚持在网络上发表乐高作品。而且还参与了使用乐高积木的活动,接受委托,制作在活动上、店铺里展示的作品等等,逐渐将活动范围扩大了。

レゴを使った活動で「東大総長賞」を受賞。そして、東大大学院で材料工学の研 究をしていた2011年、プロに認定された。世界で13人目だった。

因为用乐高展开的活动他获得了“东大校长表彰奖”。然后,在东京大学研究生院研究材料工学的2011年,他被认证为专业搭建师。是世界上第13位被认证的人。

「嬉しかったですね」と、三井は振り返る。「タイでレゴのイベントをやったときに、デンマーク(レゴ本社)からレゴ の担当者が来ていて、
その人に『認定ビルダーの制度があるけれど興味はあるか』と声を掛けてもらった。それから、やり取りをして、あとは審査結果を待つだけだった」

“当时很开心”三井回忆道,“在泰国比赛时,乐高负责人从丹麦(乐高总公司)过来,那人对我说‘乐高有一个认证搭建师的制度,你有兴趣吗?’。有过一些问答,之后就只需等待评定结果。”

三井によれば、レゴ認定プロビルダーは審査の試験があったり、毎年採用枠があったり、大会で選ばれたりするものではない。大きな作品を作った実績やイベ ントを行った実績などを評価され、推薦されたり、自ら手を挙げたりするのだという。

据三井称,乐高认证专业搭建师并没有审查考验,每年也没有固定名额,也并非通过比赛来筛选。作为评价标准的是过往创作的大型作品、参加活动及比赛的实绩,被他人推荐或自荐都可以。

また、1カ国に1人などと人数が決まっているわけでもなく、その国·地域のマーケット規模も考慮して認定するようだ。 現在、レゴのマーケットが大きいアメリカや中国には複数の認定プロビルダーがいる。

并且,也没有每个国家只有一个名额的人数限制,而是综合考虑其所在国家·地区的市场规模后再认证。目前,在乐高市场规模大的美国、中国就有多位认证专业搭建师。

年に約10件の依頼を受け、全部ひとりで作る

每年接到约10件订单,全部都是由自己一人完成

三井は大学院修了後、大手鉄鋼メーカ ーに就職している。認定プロビルダーにはなったが、もともとエンジニアを目指しており、レゴビルダーとエンジニアの両方を続けたいと考えていたという。

三井在研究生毕业后,进入了钢铁制造业的龙头企业。他虽然已被认证为乐高专业搭建师,但原本是以工程师为目标的,乐高搭建师和工程师的工作他都想继续下去。

そして2015年、専業でやりたいという気持ちの強まった三井は、いよいよレゴで起業。現在、仕事の依頼は多く、全てを受けられないくらいだという。1件の依頼で複数の作品を作る場合もあるが、年間に受ける依頼は10件ほど。それらを全部ひとりで、それぞれ平均1カ月かけて制作している。

而到了2015年,专门从事乐高搭建工作的心情越发强烈的三井终于创业了。据说目前,工作委托非常多,几乎无法全部承担下来。有时1件订单会要求制作多件作品,一年内只能接受10件左右的订单。那些作品全是他自己一人制作,平均耗时1个月。

「ただ、私の場合は特殊で、他の認定プロビルダーはアシスタントを雇ってチムで活動している人が多い」と、三井は言う

“不过,我的情况比较特殊,其他认证的专业搭建师大多会聘请助手,以团队形式开展活动。”三井说道。

確かにそのほうが、より多くの依頼を受けることができそうだ。今後アシスタントを雇う可能性について尋ねると、考えなくもないが....とのこと。「海外にはパソコンで設計をして、それを基にアシスタントに作ってもらうという人もいる。 でもそうすると、作品のデザインが似てきてしまい、自分のオリジナリティーを出しづらい」

的确,那样做似乎能接下更多订单。当被问到今后聘请助手的可能性时,他回答说也不是没有想过....但,“海外也有人用电脑设计后,以此为基础请助手制作出成品。但是如此一来,作品的设计就会越来越相似,扼杀自己的创造力。”

三井は手描きのスケッチを元に、 手を動かしながら考えていくスタイルを 取っている。

三井现在是在手绘的草图的基础上,一边动手制作一边思考。

ブロックを直接レゴ社から買えるようになる

开始直接从乐高公司购买积木

昔は三井も、数多くいる大人のレゴファン(略称AFOL)の1人に過ぎなかった。 その頃から依頼を受けて作品を作り、それで対価を得ることはあったし、それは三井だけでなく他の一部のAFOLもそうだ。では、認定プロビルダーになると何 が変わるのだろうか。

过去三井也只不过是许多成年乐高迷(简称AFOL)中的一人。那时就有过接受委托制作作品,然后收取回报的经历,这样的经历除了三井,其他一部分AFOL也曾有过。那么成为认证的专业搭建师又有何不同?

「いちばん大きく変わったのは、ブロックを直接レゴ社から買えるようになり、パーツの調達が容易になったこと。この色のこのパーツというように、工場に発注できるようになる」

“最大的不同就是开始直接从乐高公司购买积木,零件的筹备更加方便了。可以直接向工厂订购,要这个颜色的这个零件。”

ディープなファンの多いレゴの世界には、パーツ屋と呼ばれるブロックをまとめ売りする業者があり、個人間のパーツ売買も活発に行われている。そのため 「お金を出せば手に入るのだが、やはり流通量に限界がある。例えば、特定のパーツを1万ピースとなると、手に入れるのが難しい」と、三井は言う。

在拥有很多资深饭的乐高世界里,有被称为零件商、批发积木的商人,个人之间的零件买卖也非常频繁。因此“虽说只要出钱就能得到,但流通量果然还是有限制。比如,只生产了1万个的特定零件,就很难入手。”三井说道。

とりわけ日本では、海外に比べるとパーツ売買の市場が小さく、海外より流通量が少ないという事情もあるらしい(とはいえ、三井も今でもパーツ屋を利用することがある)。

尤其在日本,与海外相比,零件买卖市场更加小,流通量也比海外少(话虽如此,三井现在有时也会通过零件商进行购买)。

もう1つの大きな違いは、「レゴ (LEGO)」のブランドを背負って活動できること。レゴ社のウェブサイトには「信頼できるビジネスパートナー」と表記されており、公式と連携してイベントを行うこともある。

另一个大变化就是可以以“乐高 (LEGO)”品牌的名义开展活动。在乐高公司的网页上被标明为“值得信赖的商业伙伴”,有时也会和官方合作举办活动。

食事時以外はずっと地下の「工房」にこもって制作

除用餐以外,一直呆在地下“工作室”中潜心创作

そんな三井は普段、どんな生活を送っているのだろうか。

这样的三井,平常过着怎样的生活呢?

依頼主との打ち合わせで外出したり、 ワークショップを開催したりすることもあるが、食事時以外はずっと、陽の当らない地下1階の「工房」にこもって制作するという日も珍しくない。当然ながら、 レゴが好きでなければやれない仕事だ (実際、それはまったく苦痛ではなく、むしろ制作に充てる時間がもっと欲しいくらいだという)。

虽然有时因为要和顾客协商工作而外出,有时也会举办研讨会,但是除用餐以外,呆在没有阳光的地下一层“工作室”中创作的日子非常多。当然,这是只有爱好乐高才能做下去的工作(他说实际上,这样一点也不痛苦,反而希望有更多的时间用于创作)。

オリジナル作品を作る時間をなかなか取れなかった

难以抽出时间来创作原创作品

ただ、順風満帆に見える三井にも悩みはある。起業以来ずっと走り続けてきて、依頼作品でなく、自分のオリジナル作品を作る時間をなかなか取れなかったことだ。これまでも国内外で自分の個展を開いたことはあるが、それも多くは依頼作を展示する場だった。

但是,看似一帆风顺的三井也有他的烦恼。创业以来一直在不断向前奔跑,难以抽出时间创作自己的原创作品,而非顾客委托的作品。虽然之前也在国内外开过自己的个人展,但其中很多场都是展示委托作品。

そのため、今年後半は3カ月ほど仕事を断っており、そこで自分のオリジナル作品に取り組みたいという。

因此,他说今年半年会推掉3个月左右的工作,专心于自己的原创作品。

「依頼されて作る作品と自分の作品では、時間の使い方や進め方が違う。この3力月間はアート寄りのことをしたいと思っていて、今後は依頼作品と自分の作品の両方に取り組んでいきたい」

“因顾客委托而制作的作品和自己的作品,时间的使用方式和推进方法是不同的。我想在这三个月中创作出更具艺术性的作品,并希望今后能同时专心于委托作品和自己的作品。”

一方で、この3カ月間にパソコンで設計する手法も試して部分的に取り入れていきたいと話す三井。認定プロビルダーになって7年が過ぎた今も、新しい挑戦を怠ることはない。

另一方面,三井说在这3个月内也会尝试使用电脑进行设计,想要吸收其中一部分优点,在成为认证专业搭建师后的第7年的现在也没有放弃进行新的挑战。

好きなことで生きていくー一。それ自体は素晴らしいことだし、レゴファンでなくても、うらやむ人は多いだろう。だが、レゴ認定プロビルダーという職業は、日本では誰も歩んだことのない道。世界全体でもまだ16人だ。先駆者としての挑戦は、きっとこれからも続いていく。

靠喜欢的事情生活下去,能做到这样本身就很完美。即使不是乐高迷,对此很是羡慕的人也有很多。不过,乐高认证专业搭建师这一职业,在日本还是一条未曾有人走过的道路。全世界也只有16人。作为先驱者的挑战今后一定还会有很多。

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