松野博一官房長官が危機感をあらわにした、今年1月から9月までの出生数は、速報値で59万9636人。調査開始以来、最も少なかった去年より、およそ3万人も少ない数値です。

日本官房长官松野博一向大众表达了危机感。今年1月至9月,日本出生人数速报值为599,636人。比统计以来出生人数最少的去年还要少3万人左右。

松野官房長官:「調査開始以来、最も少なかった昨年の出生数を下回るペース。危機的状況であると認識している」

松野官房长官表示:“本次统计期间调查数据少于自统计以来出生人数最少的去年。可见目前日本正处于危机状态”。

松野長官は会見で、「少子化の背景には個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていると認識している」「ライフステージに応じた総合的な少子化対策を進めていきたい」などと話していたが、このニュースに対し、ネット上で多く見られたのが、<当然>、<とっくに危機的だった>、<もはや手遅れ>との意見だ。

松野长官在记者招待会上表示:“要认识到,少子化的原因是各种现实因素复杂交织,阻碍了个人结婚、生子、育儿的实现”,“希望政府能够根据国民不同的人生阶段,推进综合性的少子化对策”。而网络上对该数据纷纷表达了“当然会是这样”“早就是危机状态了”“现在已经晚了”的意见。

とりわけ目立った投稿は、賃金の低さや増税に対する不満だろう。

值得关注的言论主要围绕着对低工资和增加税收的不满。

<9月分の実質賃金が6カ月連続で前年を下回っていた。自分1人でも生活するのが大変なのに、どうやって子供を養えというのか。減るのは当然だろ>

“9个月的实际工资已经连续6个月低于上年了。我们光是自己一个人生活就已经很难了,拿什么养孩子啊。出生数减少是必然的啊”

<OECDの調査だと、実質賃金の水準は97年を100とすると2016年は89.7。つまり、どんどん貧乏になっている。子供なんてとんでもない>

“据经合组织(OECD)调查,如果将97年的实际工资看作标准的100,那么2016年只有89.7。也就是说我们越来越穷了。怎么敢生孩子”

<給料は増えず、消費税はどんどん上がり、今は配偶者控除の見直しや道路利用税など増税の話ばかり。子供を産むどころか、結婚しないでしょう。大変になるだけだよ>

“工资不涨,消费税越来越高,现在天天研究的都是修改配偶者控除(在日本,若配偶没有收入或收入较少时,抚养者可减免税费)或者道路利用税等增加税收的话题。且不说生孩子,我们连婚都不结吧。只会越来越糟的”

<松野官房長官は少子化対策を進めると言っているが、出てくるのは防衛予算を増やす話ばかりでしょ。子供よりもミサイルが大事なんだよ、この国は>

“松野官房长官光是说推进少子化对策,最后出台的不都是增加防卫预算之类的东西吗。在日本,导弹比孩子更重要吧”

全世代型社会保障の構築を掲げ、子育て関連予算の増額を打ち出しているものの、具体的な議論は進んでいない岸田政権。「GDP2%目標」は防衛費ではなく、子育て関連予算として考え直すべきではないのか。

岸田政府虽然提出构建全世代型社会保障体系,增加育儿相关预算,但具体讨论仍未取得进展。政府应该重新考虑,“GDP2%目标”不应该放在防卫费用上,而应该作为育儿相关的预算才对。

■家族持つこと「前向きになれず…」

■对组建家庭“态度不积极”

また、大手シンクタンクが推計した今年1年間の出生数はおよそ77万人で、調査開始以来、初めて80万人を下回る見通しだといいます。

此外,权威专家预计今年一整年的出生人数将有77万人,这也是自统计开始以来首次出生人数预计少于80万人。

政府は子育て世帯への経済支援など、総合的な少子化対策を進めるとしていますが…。

虽然政府出台了对育儿人群的经济支援等综合少子化对策。

日本総研 調査部・藤波匠上席主任研究員:「(背景には)若い人たちの結婚、出産の意欲の低下ということが見て取れる。賃金が伸びないとか、非正規で働く人が多いといった状況で、家族を持つということに、前向きになれない人が多いのでないかと考える」

日本总研调查部上席主任研究员藤波匠称:“(大前提是)年轻人结婚生子的欲求低下。工资不上涨、非正规员工越来越多,让很多人对组建家庭这件事态度并不积极。”

去年行われた調査では、「結婚すれば子どもを持つべき」と考える人が大きく減少したことが明らかになりました。

去年的调查中发现,认为“结婚必须要生孩子”的人越来越少。

■これからの10年間「最後のチャンス」

■往后十年是“最后的机会”

では、少子化に歯止めを掛ける効果的な対策はあるのでしょうか?

那么,有没有有效的政策能够阻止少子化呢?

藤波上席主任研究員:「高等教育の費用負担をどうしていくのかも、大きな課題。若い人たちの半分以上が男女ともに、大学に進学する時代だ。しかし、親の負担で進学できる人は、必ずしも多くない状況にあるので。ここ(高等教育の費用負担)をどうしていくのかということ、それの国民的な同意を作っていくということが重要だと思う」

藤波上席主任研究员:“如何分担高等教育的费用负担也是值得研究的一大问题。如今,大半的年轻人无论男女都会上大学。但是,依靠父母上大学的人并不多。如何处理这部分(高等教育的费用负担)问题,我认为重要的是获取国民的一致同意”。

1990年代生まれの世代が出産をする時期にあたる、これからの10年間は、少子化対策をするうえで、最も重要な期間だといいます。

如今这正是二十世纪九十年代出生的人的最佳生育期,在少子化对策的帮助下,往后十年是最重要的时期。

藤波上席主任研究員:「90年代の10年間に生まれた人は、比較的数が多かった時期。安定していた時期なので。今を逃すと、この後いくらやっても、少子化のペースのほうが早く進んでしまう。今やらなければいけない時期だと思う。これはもう、最後のチャンスです」

藤波上席主任研究员:“在90年代这十年出生的人数相对较多。是出生人口数量比较稳定的时期。如果错过这个时间段的话,今后再怎么努力,都会比少子化的进程慢。现在是必须要成功的时期。这已经是日本人口增长最后的机会了”。

結婚したいのにできない若者が4割~「不本意未婚」増大した若者を取り巻く環境

想结婚结不了的年轻人有4成----“不得已未婚”的年轻人增多的环境

未婚にもいろいろある

未婚也分很多情况

昨日、松野官房長官は、今年の9月までの出生数が調査開始以来、最も少なかった去年を下回っていることについて、「危機的状況である」との認識を示したことが話題になった。それに関して思うところをヤフーコメントにて書いた。ツイッターでも触れたところ大きな反響があった。

到今年9月为止的婴儿出生数量,低于该调查开始以来出生数量最少的去年,昨天,松野官房长官就此表示“这是危机状况”一事成为了话题。我在雅虎评论中写了关于这一事件的想法。 在推特上也有很大的反响。

今回は、そこでも触れた若者の「不本意未婚」について解説したい。

这次,我想对在网络上接触到的年轻人的“不得已未婚”的情况进行解说。

一括りに未婚というが、その中には結婚しないと決めた「選択的非婚者」と、本当は結婚したいのにできないという「不本意未婚」がいる。

虽然统称为未婚,但其中有决定不结婚的“选择性不婚”和本来想结婚却结不了的“不得已未婚”。

前者は、その決断までの過程には個々人いろいろあったとはいえ、生涯未婚を決めたのであればそれはそれで尊重すべきだろう。しかし、後者に関しては、個人の力ではどうにもならない環境の影響が大きいことも事実である。

前者,虽说在做出决定前每个人都有各种各样的想法,但是如果决定了终身不婚的话,那就应该尊重。但是关于后者,事实上以个人力量无法解决的环境的影响也很大。

結婚したい人口の男女差

想结婚人口的男女差异

まず、結婚意欲の男女の年齢による人口差がある。

首先,有结婚意愿的男女的年龄存在人口差异。

出生動向基本調査に基づき、「1年以内に結婚したい」と「理想の相手がいたら結婚したい」という層を「結婚したい人口」と分類し、20-34歳までの若年層と35-49歳の中年層とで男女の人口差がどれくらいあるかを見てみよう。

根据出生动向基本调查,将“想在1年内结婚”和“如果有理想的对象就想结婚”的人归类为“想结婚的人口”,看看20-34岁的青年层和35-49岁的中年层的男女的人口差有多少。

それによれば、若年層では、2000年代以降、結婚したい人口は男女逆転し、いわゆる「結婚したい女余り」状態になっている。これも以前にこちらの記事(→男余りなのに、婚活現場に「男がいない」のはなぜ?【前編】)で書いたように、単純な未婚人口比較では大量に男が余っているのに、婚活の現場では女余りになってしまうことの表れでもある。

据此,在青年人中,2000年以后,想结婚的人口发生了男女逆转,成为所谓的“想结婚的女性过多”状态。这也是以前的报道(→为什么即使剩男多,相亲现场也没有男性?【前篇】)中所写的那样,在单纯的未婚人口比较中,即使有大量的男性剩余,但在相亲现场依旧是女性更多。

34歳までは、男女とも婚姻数がもっとも多い年齢層であり、そのボリュームゾーンでは「結婚したい女性が、結婚に前向きな同年代の男性がいないことによる結婚できない」現象が起きている。反対に、中年層では、圧倒的に「男余り」状態だ。

到34岁为止的年龄层,不管男性女性结婚人数都是最多,在这个年龄层范围内,发生了“想结婚的女性,因为没有对结婚积极的同龄男性而不能结婚”的现象。相反,在中年人中,“未婚男性太多”的状态占压倒性态势。

もちろん、単に頭数が同数ならマッチングするというものではないが、そもそも相手がいなければマッチングなどするはずがないのである。

当然,就算未婚的男女人数相同,也无法对应匹配,没有合适的对象就不可能结婚。

つまり、年代別結婚したい人口の推移から未婚男女の置かれた環境構造を見ると、「結婚できない若い女」と「結婚できない中年男」という構造が見えくる。

也就是说,从各年龄段想结婚的人口的变迁来看,未婚男女所处的环境结构,可以看到“不能结婚的年轻女性”和“不能结婚的中年男性”的结构。

達成率はどうか?

成功率怎么样?

続いて、これら年代別の「結婚したい人口」が、その後の5年間でどれだけ初婚をしたかという「結婚希望達成率」を算出する。初婚数は5歳階級別の初婚数を人口動態調査より当てはめている。

接着,算出“有意结婚的成功率”,就是这些年龄段的“想结婚的人口”中,在之后的5年间有多少实现初婚的比率。从人口动态调查中得出不同阶段的初婚数量。

これによれば、中年男女は、達成率そのものは低いが、結婚したいという希望者に対する達成率は、男女とも90年以降それほど変わらない。

据此,中年男女的成功率本身就很低,有意结婚的人的成功率,不论男女在90年以后没有太大的变化。

注目したいのは、若年層の推移である。

值得注意的是,结婚成功率降低这一现象的年轻化。

1990-1994年では、男性でも達成率80%超、女性に至っては、ほぼ100%である。これは、結婚を希望する20-34歳の独身女性は1990年代前半まではほぼ全員が結婚できたということになる。

1990至1994年,即使是男性,结婚成功率也超过了80%,而女性几乎是100%。这意味着,希望结婚的20-34岁单身女性在20世纪90年代前半期几乎全部结婚。

その後、2005年にかけて大きく減少し、男女ともに6割を切っている。要するに、「結婚したいのにできない」未婚が34歳までに4割も残されていることになるのだ。これこそ、つまり、これは「結婚できない若者」問題でもあり、若者に不本意未婚が4割もいるという実態なのである。

此后,结婚成功率到2005年间大幅减少,男女都跌破了6成。总之,34岁之前“想结婚却结不了”的未婚人士剩下4成。也就是说,这是“结不了婚的年轻人”的问题,相当于年轻人不得已未婚的情况有4成。

「結婚したくない」や「結婚する必要性を感じない」という「選択的非婚者」は別にして、「結婚したいのにできない」という「不本意未婚者」人口が年々増えてきていること、しかも、それが若者に集中していることは憂慮すべき問題だろう。

除了“不想结婚”和“不觉得有结婚的必要性”的“选择性不婚”之外,“想结婚却结不了”的“不得已未婚”的人口逐年增加,而且这些都集中在年轻人身上,这是令人担忧的问题。

隠れ「不本意未婚者」

隐藏的“不得已未婚”

ちなみに、「選択的非婚」割合は、男女とも40歳以上を機に増加する。20代の頃からずっと非婚だった人ももちろんいるだろうが、40歳までは「結婚したい人口」の一員だった可能性もある。

顺便说一下,“选择性不婚”的比例,男女都以40岁以上为转折点增加。当然也有从20多岁开始一直未婚的人,但是他们在40岁之前也有可能是“想结婚的人口”的一员。

そこまでの過程で、今後も「結婚する相手が見つからない」「結婚できる経済的余裕がない」あるいは「染みついた生活習慣により、もう結婚する必要性を感じなくなった」ことで、「選択的非婚」への鞍替えをした人もいるだろう。

在这样的过程中,今后也会有人因为“找不到结婚的对象”、“没有可以结婚的经济实力”或者“目前的生活习惯,已经感觉不到结婚的必要性”而转向“选择性不婚”。

中には、本音ベースでは「結婚したい」のに「結婚できない」という現実に対する認知不協和から、心を安心させるための理屈付けとして「私は本当は結婚なんてしたくないのだ・不要なのだ」と思い込もうとしている人もいるかもしれない。

其中,可能也有人,即使真心“想结婚”却对“结不了婚”的现实无法接受,固执地“认为”“我其实不想结婚,不需要”,来让自己安心。

「選択的非婚」が増えている背景には、若いうちに結婚したいのにできなかった大勢の「不本意未婚」が隠れているともいえる。

在“选择性不婚”增加的背景下,可以说隐藏着很多想趁年轻结婚却结不了的“不得已未婚”。

皆婚時代とは環境が違う

和全民结婚的时代不同

「男女とも年齢を重ねれば重ねるほどハードモードになるのだから、本当に結婚したいなら、若いうちに結婚しておけ」と言うのは簡単だが、今の高齢既婚者が若いころとは明らかに置かれた環境が違う。

“男女都是随着年龄的增长而越来越强硬的模式,如果真的想结婚的话,就趁年轻结婚吧”,虽然说起来很简单,但是现在的高龄已婚者和年轻时明显所处的环境不同。

おじさん・おばさんたちが恩恵を受けていたお見合いや職場のお膳立てもなくなり、30年間全然あがらない給料という経済環境の中で、さらにはコロナ禍の行動制限などによって、そもそも出会いの機会すら剥奪されてしまった今の若者たちにとっては、本人のやる気や努力の問題ではないのだ。環境の問題である。

受长辈主动给晚辈介绍相亲情况减少,职场就业环境不太友好,30年来完全没有提高的工资的经济环境,甚至由于疫情的行动限制等影响,连原本相遇的机会也被剥夺了。对现在的年轻人来说,这不是本人的干劲和努力的问题,而是环境问题。

少子化は、根本的には婚姻数減少によるものであることはこの連載上でも何度も指摘している。子育て支援の充実それ自体は否定しないが、現在の少子化対策で婚姻数が回復できるとは到底思わない。

少子化从根本上来说是由于婚姻数量减少而引起的,这在连载上也多次指出。并不是否定对育儿补贴的加强,而是无论如何我也不认为现在的少子化对策能够恢复婚姻数量。

→出生数が増えない問題は「少子化」ではなく「少母化」問題であり、解決不可能なワケ

→新生儿出生数量不增加的问题不是“少子化”而是“少母化”问题,这是不能解决的理由。

結婚したいと願っている若者が、若者であるうちに結婚できない。そんな「結婚したいのにできない若者が4割」も存在する状況こそもっと真剣に向き合うべき問題ではないだろうか。

盼望着结婚的年轻人,趁年轻的时候结不了婚。这样的“想结婚却做结不了的年轻人占4成”的情况才是应该更加认真面对的问题吧。

もともとあった若者の「結婚したい」という希望を、若者自身が打ち消して「最初からそんな希望なんてしなかったことにしよう」と無理やり納得させなきゃいけない世の中はどうなんだろう。

迫使年轻人打消原本就“想结婚”的念头,迫使他们接受“从一开始就没有那样的念头”的世界是怎么了。

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