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むかしむかし、ある屋敷の裏の井戸(いど)に、毎日の様におかっぱ頭の男の子がやって来ました。

很久很久以前,在某座房子后面的井里,几乎每天都会有个长着河童脑袋的男子来。

男の子は深い井戸の中をしばらくのぞき込んでは、スーッとどこかへ消えていくのでした。

男子会窥视一会深井,然后又一下子消失不见了。

「何をしているのだろう?今度来たら、話しをしてみよう」屋敷の人たちはそう思いましたが、男の子は気がつくと、もう姿がないのです。

“到底在干什么呢?下次来的时候问问吧。”屋子里的人这样想着,可是男子一注意到就消失不见了。

話を聞いた屋敷の主人は、井戸のわきにひそんで男の子が来るのを待ちかまえました。用心のために、刀(かたな)を持っています。

听了这话的屋子主人就藏在井边等着男子来。而且,为了以防万一,还拿了刀。

そこへ何も知らない男の子がやって来ると、いつもの様に井戸の中をのぞき込みました。

而对于这一切都一无所知的男子再来的时候,就像往常一样向井里窥视。

そこへ、屋敷の主人が現われました。「お前はどこの子だ?何で毎日の様にここへ来て、井戸の中をのぞき込んでいく」

这时,屋子的主人出现了。“你是什么人?为什么每天来这里往井里看?”

主人の持っている刀を見た男の子はブルブルと震えながら、その場ヘペタンと座り込んでしまいました。

看到主人手里拿着的刀,男子瑟瑟发抖,一屁股坐在地上。

「どうやら、お前は人間の子ではなさそうだな」主人は、刀をにぎりしめました。

“不管怎么看,你都不像是人类啊。”主人握紧了刀。

すると男の子は、あわてて言いました。「あ、あやしい者ではありません。村はずれの川に住む、ただのカッパでございます」

那男子慌慌张张地答道:“啊,我不是怪人。我住在村子尽头的河里,我只是个河童。”

「カッパだと?カッパが何で、井戸をのぞくんだ?」

“是河童?河童为什么要窥视井啊?”

「はい。実は、深い井戸の底にある、きれいな水を見ているだけです。この井戸の水は、とてもきれいですから。わたしたちカッパはきれいな水を見ると、とても気持ちがいいんです」

“是的。其实我只是来看井底深处那清澈的水的。因为这个井的井水很干净。我们河童只要看到干净的水,心情就会很好。”

「お前は気持ちいいかもしれんが、家の者たちは気味悪がっておるんだ」主人はおどすつもりで、刀を振り上げました。

“你可能会心情好了,可是我家里人却觉得很恶心啊。”主人为了吓吓他,就举起了刀。

「ご、ごかんべんを。命ばかりは、お助けを」

“请,请饶了我吧。无论如何请饶了我的命吧。”

「いや、ならぬ!」

“不,拿命来!”

「命を助けてくださいましたら、カッパのトゲぬき薬のつくり方を教えますから」

“如果能饶了我的命的话,我就把河童的拔刺药的制作方法告诉你。”

「トゲぬき薬?はじめて聞くが、それはどんな薬じゃ。つくり方を言ってみろ」

“拔刺药?第一次听说,这是什么药。说说做法看。”

するとカッパは、まじめな顔をして、「ナシの葉とカキの葉と、野山にあるマユミ(→ニシキギ科の落葉小高木)の葉を、それぞれ土用の丑の日(どようのうしのひ)にとって、こまかくちぎってよくまぜて、それから・・・」と、トゲぬき薬のつくり方を説明したあと、「これはカッパの秘薬です。つくり方は、お屋敷の跡継ぎの方にだけに教えてください」と、つけくわえました。

河童一本正经地告知了拔刺药的做法:“用梨的叶子和柿子叶,还有野山里的桃叶(棉木科的落叶小高木),在各个立春立夏立秋立冬的前十八天取来,撕碎搅拌在一起。然后・・・”然后又说道:“这是河童的秘方。做法请只告诉这座屋子的接班人。”

主人はカッパを許してやると、夏の土用の丑の日を待って薬をつくってみました。そして試してみると、本当にどんなトゲでもトゲの方からスルリと抜けてくるのです。「なるほど。これは大した物だ」

主人就放过了河童,并且等到夏至的前十八天时做了药。而且试了一下的话,真的是不管是什么刺都能轻易地除去。“这可真是个好东西啊。”

屋敷の主人がこのトゲ抜きの薬を村人たちに売ってみると、これが大評判(だいひょうばん)で、つくってもつくってもすぐに売り切れてしまいました。

屋子的主人就把这种拔刺药卖给村里人,大获好评,而且不管做多少都能卖的完。

その後、屋敷ではカッパの像(ぞう)をつくって、屋敷の裏の井戸のわきにまつったという事です。

之后,听说做了个河童像摆在屋子后面的井边供奉着。

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