季節の変わり目を感じる頃になると、あちこちで流行色というフレーズに触れる。『流行っている』色を使ったマフラーや手袋などの小物は特に街でみかける機会が増える。

每当季节变换的时期, “流行色”这个词就会充斥于耳。尤其在街上,常有机会看到用了“流行的”颜色制成的围巾、手套等小物。

しかしこれも考えてみれば不思議なハナシだ。大勢の人が申し合わせたように一つの色を身につけたくなり、流行の色が決まる、などということがあるのだろうか。「今年の夏はこの色が流行る!」なんてコピーは、自ら矛盾を吐露しているようなものだ。流行とは広まって初めて流行といえるのであって、事前に分かろう筈も無い。

但是仔细一想,这真是一件不可思议的事情。这么多人,简直像事先商量好了似的,同时开始喜欢某种颜色,把它穿上身,成为一种流行色,这样的事情可能发生吗?“今年夏天将流行这个颜色!”诸如此类的广告文案,自身就很矛盾。所谓流行,只有当真正蔓延开来才称得上是流行,事先是不可能知道的。

流行やブームというものは、往々にして企業やメーカー、プロダクションの 意向によって創り出される。 そして、流行色はその最たるものといっては言い過ぎだろうか?

流行潮流这些玩意儿,往往是根据企业、制造商、商家的意愿创造出来的。其中,最淋漓尽致的,莫过于流行色。这种说法会言过其实吗?

「流行色」はなんと2年前の段階から検討が始められている。元締めとなっているのは「インターカラー」(国際流行色委員会)というグループ。インターカラーは18カ国の加盟からなるシンクタンクであり、日本からは日本流行色協会という、これまた臆面の無いネーミングの団体が参加している。インターカラーの会議では、各国が提案色を持ち寄り、2年後の「流行色」を選定する。日本流行色協会はその会議で選定されたカラーを参考にして、 「アドバンスカラー」と呼ばれる日本国内向けの色を選ぶ。そして目指す年度の1年前には、更に話題になりそうな色に絞り込んだ「ファッションカラー」を発表。

“流行色”在真正流行的2年前就开始被探讨研究。Intercolor(国际流行色委员会)负责这一项目。Intercolor由来自18个国家的专家团体组成,日本方面则是日本流行色协会——这个顶着一个毫无惧色的头衔的团体参加。在Intercolor的会议上,各国带上各自提案的颜色,一起评出2年后的“流行色”。日本流行色协会将会上选定的颜色作为参考,挑选出适合日本国情的“预告色”。在流行开始的前1年,再进一步挑出一批较有话题性的颜色,作为“潮流颜色”对外发布。

注目すべきは、この段階での発表は消費者向けではなく、メーカーのためのものということである。要するに、あらかじめ「流行らせる」カラーを決めておいて、それをメーカー側に知らせてそれらの色を含んだ製品をスムーズに製造できるようにするわけである。シーズン3ヶ月ほど前になってようやく一般消費者の元にもいわゆる「流行色」が知らされる。

值得注意的是,这一阶段的发布,并非面向消费者,而是面向生产商的。总而言之,就是事先决定“要让这个颜色流行起来”,然后通知生产商,以便他们生产制造带有该种颜色的商品。等到换季前3个月,普通消费者方才收到所谓下一季“流行色”的讯息。

流行というものは、理想としては民主的かつ大衆的に広まり、認知されていくものだと思うが、このように一協会が決定した「流行」というのは果たしていかがなものだろうか。 この業界のイメージカラーは、「限りなく黒に近い灰色」が似合う気がする。

流行这个东西,理想状态下应该是以民主的方式流传开来、被大众逐渐认知的。像这种由一家协会决定的“流行”,到底算是什么呢?笔者觉得这个行业的标志颜色,用“无限接近黑的灰”倒很适合。

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