日本語教師の心得として形容詞を教える場合「い形容詞」と「な形容詞」の知識が必要である。国文法では中学時代に「形容詞」と「形容動詞」と習った記憶があるが……。すなわち「大きい家」や「重いカバン」など「い」で終わるものを「い形容詞(形容詞)、そして「きれいな人」や「しずかな部屋」など「な」 で終わるものを「な形容詞」(形容動詞)と教えている。更に注意点として後ろに「です」を付けたとき、い形容詞「重い」はそのまま「重いです」だが、な形容詞は「しずかなです」ではなく「な」を取って「この部屋はしずかです」と大きな変化が起きると教えなければならない。

作为日语老师我有一点心得,那就是在教形容词的时候,掌握「い形容詞」和「な形容詞」的知识非常重要。记忆中在中学时代的日语语法课上,有学过“形容词”和“形容动词”。也就是「大きい家」、「重いカバン」等以「い」结尾的称为「い形容詞」(形容詞);「きれいな人」、「しずかな部屋」等以「な」结尾的称为「な形容詞」(形容動詞)。需要注意的是,后面如果有「です」的话,い形容詞「重い」就直接说成は「重いです」,而な形容詞的话,不是「しずかなです」,而是去掉「な」变成「この部屋はしずかです」。

さて、日本語教師になる勉強をしていたとき、「い形容詞」と「な形容詞」と両方に使えるものがいくつかあると学んだ。例えば「柔らかい肉」と「柔らかな肉」である。確かに「この肉は柔らかいです」も「この肉は柔らかです」も両方使える。そして日本語教師に成りたてのころ教室でこんな質問を受けた。表題の「大きい車」と「大きな車」の違いである。とっさに「柔らかい肉」と「柔らかな肉」を思い出して、それは文法的には「い形容詞」と「な形容詞」の違いです よと自信満々に説明したのだが、そのあととても困ってしまった。「い形容詞」の場合「この車は大きいです」で問題ないのだが、「な形容詞」の場合は「な」 を取るのであるから「この車は大きです」でなければならない。でも「大きです」とは絶対言わない。どうしよう・・・、新前教師としてはうまく振舞うことも 出来ず、教師の面目丸つぶれであった。

在日语老师的培训课程上我明白了有一些词既能用「い形容詞」,又能用「な形容詞」。例如,「柔らかい肉」 和「柔らかな 肉」。确实我们既可以说「この肉は柔らかいです」,也能说「この肉は柔らかです」。在我刚成为日语老师的时候我遇到了这样一个问题,那就是标题所示的 「大きい車」和「大きな車」的区别。当时我立马想到了「柔らかい肉」和「柔らかな肉」,于是自信满满地告诉学生,那是语法上「い形容詞」和「な形容詞」的区别,但是在那之后我就苦恼了。「い形容詞」的话,可以说「この車は大きいです」,但是「な形容詞」的话,去掉「な」 就变成了「この車は大きです」。我们是绝对不会说「大きです」的。作为新手老师不能很好地解答这个问题,脸面尽失啊。

確かにこの「大きな」は国文法では連体詞といわれており、形容詞の「大きい」とは文法的には異なるのだがそんなこと意識している日本人はほとんどいないし、日常会話において困ることなども全くない。「大きい車」と「大きな車」に意味の上で違いなどほとんどないし、そんなことどうでもいいのでは……、が本音である。

几乎没有日本人会意识到这个「大きな」在日语语法上被称为连体词,与形容词「大きい」在语法上是有区别的,因此在日常会话中也不会存在苦恼的事情。其实我认为「大きい車」和「大きな車」在意思上几乎没有什么区别,所以无所谓啦。

しかしやはり日本人である。無意識のうちにちゃんと使い分けている。確かに「大きい車」と「大きな車」だけなら使い分けは難しいように思えるが……、養成講座の生徒さんに「カナダでの小さな出会いを大切にしてください」とメールを出して、はたと気がついた。決して「小さい出会い」とは書かないのである。 なぜといわれても困るのだが・・・でも車や家など目に見えるものには「大きい」も「大きな」もどちらでも使うが、確かに目に見えない心で感じる抽象的な 「怒り」や「喜び」「驚き」などにはなぜか「大きい」や「小さい」は使いにくく、「大きな」や「小さな」を使ってしまう。でもなぜなのだろう……。

但是,这才是日本人的独特之处。在无意识中却能很好地区别使用。光凭「大きい車」和「大きな車」来区分使用的话是比较复杂的,不过在给培训讲座上的一位学生发了“请珍惜在加拿大的每一次小的相遇”的邮件之后,我恍然大悟。因为我们绝不会写「小さい出会い」,要问为什么的话,我也回答不了。不过对于车、家等眼睛能看得到的东西,「大きい」和「大きな」都能使用。对于眼睛看不见只能用心感受的抽象的东西,比如说「怒り」、「喜び」、「驚き」等就很难使用「大きい」 和「小さい」,而使用「大きな」、「小さな」了。至于为什么我也弄不清楚。

やはり目に見えない心で感じるものには話し手の気持ち を入れたくなるのであろうか。「愛情」なども「大きな愛情」のほうがふさわしい。すると「大きい車」 と「大きな車」も使い分けているのでは・・・、例えば「どんな車に乗りたいですか」の答えにすごく気持ちを込めようとする場合には「大きな車に乗りたい」 と言うのでは・・。でも初中級の生徒さんにはこの違いは微妙で難しく、「大きい車」と「大きな車」には「大きな違い」はないからどっちでもいいですよ、と 教えたほうがよさそうである。

或许是由于在眼睛看不见需要用心感受的东西里饱含着说话人的心情吧。「愛情」的话,「大きな愛情」比较合适。那么 对于「大きい車」和 「大きな車」,是不是也能区别使用了呢?比如说回答「どんな車に乗りたいですか」时,如果是想注入感情的话,是不是会说成「大きな車に乗りたい」呢。但是对于初学者来说这种区别太微妙复杂,告诉他们「大きい車」和「大きな車」之间没有什么大的区别,都可使用就可以了。

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