中国人エリートは日本人をこう見る [著]中島恵

中国精英这样看待日本人    【著】中岛惠

[文]永江朗  [掲載]2012年11月23日

【评论】永江朗  【刊登】2012年11月23日

■中国人エリートと手を結ぶべきか?

应该和中国的精英们联手吗?

中国で日本車が売れなくなっている。影響は部品メーカーにまで及ぶ。「尖閣ショック」と呼ぶメディアもあるようだが、ぼくは「石原不況」と呼ぶべきだと思う。この際、責任の所在をはっきりさせよう。

在中国,日本车越来越卖不动了,此番影响甚至波及到了零件生产商。媒体称之为“尖阁冲击”,我觉得应该叫“石原萧条”。在这个时候,还是分清楚责任的归属吧。

もっとも、すべての中国人が反日感情を抱いているかというと、そうでもない。すべての日本人が中国嫌いではないように。

其实并不是所有的中国人都抱有反日情绪,就像不是所有的日本人都讨厌中国一样。

中島恵の『中国人エリートは日本人をこう見る』は、中国人若手エリート約百人に聞いた、日本観・日本人観である。

中岛惠的《中国精英这样看待日本人》,调查询问了约一百位中国年轻的精英分子对于日本、日本人的看法。

びっくりしたのは、小泉元首相の人気がけっこう高いという話。靖国神社参拝で対立の種を蒔いた張本人ではないか、と思ったが、小泉のように白黒はっきりするほうがわかりやすいということらしい。人気があるからといって、靖国神社参拝に賛成している中国人が多いということではない。

令人觉得惊讶的是,原首相小泉的人气非常高。这不是参拜靖国神社、播下中日对立种子的元凶么?但貌似像小泉这样黑白分明的人更容易引起共鸣。虽说有人气,并不是说很多中国人赞成参拜靖国神社。

登場するのは日本への留学生をはじめエリートたちだ。高い教育を受け、経済的にも恵まれている。都会育ちで、家庭環境もいい。

本书中登场的是以在日留学生为首的精英们,他们受过高等教育、受惠于良好的经济条件,在城市中成长,家庭环境也不错。

彼らは冷静に日本と日本人、中国と中国人、そして世界を見ている。日本はいい国だといい、日本人に対してもよい感情を持っている。中国のGDPが日本を追い抜いたことについても浮かれてはいない。国民一人当たりではまだ大差があるからだ。「中国に負けた」「日本はもうダメだ」と悲愴感ばかりの日本人よりもずっとクールである(と、つい自虐的に悲愴感にひたってしまう)。

他们能冷静地看待日本与日本人、中国与中国人,然后全观世界。他们说日本这个国家很好,对日本人的印象也不错。对于中国的GDP超越日本的这一现状,也不自我陶醉,因为在人均GDP上还有较大的差距。比起“输给中国了”、“日本已经不行了”这些充满悲怆感的日本人,他们反而显得更冷静。(话说,不小心又自虐地沉浸在悲怆感里了。)

しかし、親日的なのがエリート層だということに注意を払わなければならない。貧しい、地方の、高い教育を受けられない人びとは、反日的な感情を抱いているだろう。それは中国社会の矛盾かもしれないし、もしかするとその矛盾を政治が利用しているのかもしれない。

但是我们仍需注意到,亲日派大多属于精英层。贫穷的、地方的、没有受过高等教育的人们,还是抱着反日情绪的吧。这可能是中国社会的内部矛盾,也许这个矛盾还会被政治所利用。

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