2009年の中央電視台(CCTV)恒例の春節(旧正月)番組「春節聯歓晩会(略称、春晩)」で大ヒットした人が二人いる。一人は趙本山の弟子「小瀋陽」であり、もう一人は、台湾出身のマジシャンのリュー・チェン。公演の後、そのマジックの謎解きがネットで大流行。

マジックとの縁

リュー・チェンはマジックに携わるようになって8年しか経っていない。多くの人たちはそのマジックは気功か異能かもしれないと推測しているが、33歳のリュー・チェンは「天才」だと自任しており、右の腕は左の腕より3cm長いことを明らかにした。

リュー・チェンは7歳のとき、デパートで初めてマジックを見て、それにとりつかれるようになった。それでいろいろな書物を読んで勉強し、小学校2年生の時、貨幣を一瞬のうちに消失させるマジックを披露し、同級生、教師たちをびくうりさせた。「私は先生に教わったことがない。仲間たちとの交流、先輩に教わるなど、いろんなやり方がある」と語る。

面白いことに、リュー・チェンの視力は乱視400度、近視100-200度で、目は大切なのでコンタクトレンズは使えないため、出演するときはものがはっきり見えない。そのためいつも目を覆って練習を重ねてきた。

なぜCCTVの『春晩』に?

CCTVがリュー・チェンに声をかけたのは、大陸部にはこのスタイルのマジシャンがいないからであった。彼は高い帽子、長いガウンやえんび服を着ることなく、箱、鳥かご、花束なども必要でなく、舞台道具はほとんど日用品である。

リュー・チェンは「春晩」の20日前に北京入りし、リハーサルに参加した。豊富な経験がある彼も、13億人の視聴者と会場の観客の前で8分半間もパフォーマンスするのはやはりドキドキする。「CCTVの『春晩』でパフォーマンスするのはただ事ではないことは知っているが、みんなの反応と熱心さにはもっとびっくりした」と語る。