会話構成による描写と展開

落語は、会話で物語を進めていくことが多い芸能で、身振りも伴って演じられます。これに対して講談は、物語を読み聞かせる芸能として誕生したため、説明口調で進める場合が多いという特徴があります。

对话构成的描写与展开

落语是一种一般通过对话来推进故事的表演艺术,演出时也会伴随身体动作。与此相对,讲谈的前身是讲读故事为主的表演,因而形成了一般采用解说语调的特点。

例えば、講談では、道の先をずっと見渡すと何か白い物が揺れているように見える。熊五郎(くまごろう)は八五郎(はちごろう)の肩をたたき、「おい、あそこを見ろ」と指さしました。

と表現するのを落語では、「おい、八っつあん(と八五郎の肩をたたいて、遠くを指さし)、あそこに何か白い物がチラチラしていねえか」

「ああ(と言いながら遠くを見て)、何だろう?」と演じます。

比如,在讲谈中会这样说:远远眺望道路前方,有什么白色的东西若隐若现。熊五郎拍了拍八五郎的肩膀,指着那边说,“喂,快看那儿”。

而放到落语里就会这样表现:“喂喂,阿八(拍打八五郎的肩膀,指着远方),那边好像有什么白色的东西在晃吶。”“啊哈(边说边朝远处张望)什么东西呀?”

ただし、説明口調は観客に緊張感を与えることができるので、物語に変化をつける演出として落語でも説明口調が使われることがあります。地噺(じばなし)といって、説明を主にして進める落語もあります。「地(じ)」というのは、会話に対して説明の文をさす言葉です。

不过,由于使用解说的语气能带给观众紧张感,因而落语在表现故事情节转折时,也会来上一段解说。也有主要用解说来推进故事的落语,这一种被称为“地噺(じばなし)”。“地(じ)”这个词指的正是相对于会话的解说文。

上手と下手を描き分ける

観客から見て舞台の右手を「上手」、左手を「下手」といいます。歌舞伎など日本の演劇では家のセットを組む時、下手に必ず玄関があり、上手は座敷の奥になります。落語もそれにならって演じられています。家の中に入る場面では落語家は観客から見て右手、つまり上手の方向を向いて、戸を開けるしぐさをします。反対に家の中から外に出かける時は左手、つまり下手の方向を向きます。

看图区分“上手”与“下手”

从观众的位置看舞台的话,居右边称作“上手”,居左边称作“下手”。在歌舞伎等日本传统戏剧中,布置居室时,下手的方向一定是正门,上手方向则安排为里屋的客厅。落语的演出也按照这个规矩。遇到走进居室时的情节时,落语家会面向上手方向(观众看过去的右方),摆出开门的动作。相反的,如果是从居室走出去的场景,则要面向下手方向(观众看过去的左方)。

家の中では上手が上座、つまり年長者や身分の高い人が座る場所と設定されています。ですから大家さんと八五郎(はちごろう)が家の中で話す場面では、大家さんは上手にいることになります。そのため落語家は大家さんを演じる時は観客から見て左手、つまり下手の方向を見て話し、八五郎を演じる時は右手、つまり上手の方向を見て話します。

在居室里,上手的位置被定为上座,即长辈或身份较高的人入座的地方。因而房东与八五郎在屋子里对话的场景中,房东就会坐在上手(右边)的位置。所以落语家在扮演房东的角色时,就会面朝下手方向(观众看过去的左方)讲话,而在扮演八五郎时,会面向上手方向(观众看过去的右方)讲话。

身振り手振りで人物を描写するためには、まず顔の向きを上手(かみて:舞台に向かって右手)と下手(しもて:舞台に向かって左手)に替えて、人を描き分けることが基本となります。その他にも、しぐさや表現で人の行動や心理を表していくさまざまな方法があり、これら身体による表現を「仕方」と呼びます。

为了使用身体动作来表现人物,首先最基本的是,将脸转向上手方向(かみて面向舞台的右手方)或是下手方向(しもて  面向舞台的左手方),以此分别展现不同的人物。其它还有各种各样的方法,比如用动作或表情来展现人物行动或心理等等。这类通过身体进行的表达被称作“仕方”。

普通の扇子と手拭いが落語家の扱い方次第で、さまざまな小道具に変化します。たとえば、扇子はお箸や煙草のキセル、釣り竿や包丁などに、手拭いは本や手紙、財布や焼きイモなどに化けてしまいます。

普普通通的扇子和布手巾,经过落语家之手也会变化成各种各样的小道具。比如,用扇子模拟筷子、烟管、钓鱼竿或菜刀等等,用布手巾变作书本、信件或钱包、烤白薯等等。

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