「“お女優”にはなりたくないんです。昔ながらの『女優はこうあるべき』というしきたりを守ろうとすると、つらくなっちゃう」。NHK連続テレビ小説『エール』で喫茶店の店主としてコミカルな演技を見せたかと思えば、TBS系『恋する母たち』ではダブル不倫する妻役を好演。女優・仲里依紗は、ドラマでの演技だけにとどまらず、「型にハマらない生き方」を地で行っている。話題のYouTubeチャンネル、夫との関係、子育て論……包み隠さずに打ち明けた。

“我不想成为人们刻板印象中的‘女演员’。维持一直以来所谓的‘女演员应该有的样子’让人心累”。在NHK晨间剧《应援》中展露喜剧表演天赋,成功饰演咖啡店店长后,又在TBS电视台的《恋爱的母亲们》中出色诠释了一个和丈夫双双出轨的妻子角色。女演员仲里依纱“不拘泥于形式的生活方式”不仅表现在电视剧中的演技上,还真切地体现在她的生活中。仲里依纱毫无保留地聊了她受到热议的YouTube频道、和丈夫的关系以及育儿观念。

アンチは「知らない人だから気にしない」

面对黑自己的人“我不认识他们所以并不在意”

「女優さんって、私生活が謎に包まれているし、優雅なイメージがあると思うんです。『ファミレスのご飯なんて食べないでしょ』と言われるけど、月に何回も行くほど大好きだし、スーパー銭湯で知らないおばちゃんからミカンをもらうこともある。ホント、普通の生活をしてます。でも、インスタグラムだと、作り込んだおしゃれとか“映える写真”ばかりになる。それは違うなって。YouTubeで偽りのない素の自分を見てほしかったんです」

“女演员的私生活是充满谜团的,而在人们的设想中是很优雅的。会有人说‘女演员肯定不会在家庭餐厅用餐的吧!’,但其实我很喜欢家庭餐厅,一个月会去好多次,去公共澡堂的时候还有不认识的阿姨送我蜜柑。我过的真的就是普通的生活。但在Instagram上,呈现的都是精心准备过的时尚一面,上传的都是抢眼好看的照片。那不是真实的。我想在YouTube上展现真实没有伪装的自己。”

夕飯の準備がだるいと言いながら家のソファでゴロゴロする私生活をさらけ出し、黒ギャルメイクやキティちゃんのコスプレも披露する――。企画、編集、テロップ入れなど全て自らが手掛けるYouTubeチャンネル『仲里依紗です。』は、登録者数100万人を超えた。温泉に向かう車中で突然『もののけ姫』を歌い始めることもあれば、パジャマ姿で寝転がりながら愚痴ることもある。鼻をすすっても、あくびをしても、くしゃみをしても、編集でカットしない。

一边说着准备晚餐好累,一边在自家沙发上滚来滚去的私下生活状态全公开,还尝试了黑辣妹妆和凯蒂猫cosplay。从企划、剪辑到字幕全部亲自操刀的YouTube频道“我是仲里依纱。”粉丝已超过100万人。频道视频中有她开车去温泉的路上突然唱起《幽灵公主》的画面,也有她穿着睡衣横卧在床发牢骚的模样。无论是吸鼻涕、打哈欠还是打喷嚏的镜头,都不会剪掉。

「『あっ、ウケる』と思って、残してます。基本的に、何を言ったか覚えてない。『何やってるの?この人』『すごいテンション高いんだけど』と冷めた目で編集していますね」

“(这些镜头)觉得‘啊,很好笑’,就留下了。我基本上不记得自己说过什么。后期剪辑的时候,总是冷眼看着自己会想‘这人到底在干嘛?’、‘哇怎么会这么嗨?’”

毎回のように女優の固定概念を打ち破る衝撃に、コメントは2000件を頻繁に超える。だが、人気を呼べば呼ぶほど、意に沿わない書き込みも生まれる。エゴサーチをすれば、「劣化した」「昔は可愛かったのに」という言葉が並ぶ。

因为每次视频都会打破大众对女演员的刻板印象,很有冲击力,评论也经常超过2000条。不过,随着YouTube频道人气增高,也经常有表达不满的评论,在网上搜索自己名字的时候也经常会出现“劣化艺人”、“明明以前那么可爱”的评论。

「傷つかないと言ったら、絶対ウソですよね。でも、知り合いに言われたら悲しいけど、知らない人だから、全然気にしない」

“要说我没有受伤,绝对是假的。不过如果是熟人这么说,我会伤心,但这些都是不认识的人,所以完全不在意。”

この心境にたどり着くまでには、幾多の試練があった。海と山に囲まれた長崎県東彼杵郡に生誕した仲里依紗は中学2年の2003年、少女漫画雑誌のモデルオーディションに応募。現在の所属事務所であるアミューズに見いだされ、卒業と同時に上京した。

仲里依纱达到这样的心境,经历了许多磨练。生长在被山和海包围的长崎县东彼杵郡的仲里依纱,在2003年中学二年级时,参加了少女漫画杂志的模特试镜。被现在所属的Amuse事务所挖掘,中学毕业就去了东京。

「カリスマになりたかった。カリスマ、イコール、東京に行かないとなれない。女優というより、ギャルになりたかった。長崎に住んでいると、福岡まで行かないと好きなお洋服を買えないから、ギャルになれない。109の店員になって、渋谷を制覇したかったんです」

“我想成为受别人崇拜的佼佼者。而在我的认知里,要成为佼佼者就必须去东京。那时候比起当演员,我更想做辣妹。我家在长崎,不去福冈,连喜欢的衣服都买不到,成不了辣妹。所以我的目标是成为109的店员,制霸涉谷。”

両親は、娘に3年という期限を設けた。高校在学中に芽が出なかったら、長崎に戻らなければならない。渋谷のカリスマを目指す彼女は、ハングリー精神の塊となった。太りやすい体質を改善するため、1回300円のジムに毎日通った。高校の寮で、自分だけ遊びに誘われていないと気付いても、全く羨ましさを感じなかった。

父母给她设定了一个3年的期限。如果高中在读期间,没有什么成绩就必须回长崎。想要制霸涉谷的她,充满野心和渴望。为了改善自己的易胖体质,她每天都会去一次300日元的健身房。就算知道了高中宿舍的同学们一起玩不叫她,也完全不眼红。

「両親に『東京って、怖かとよ。おそろしか』と教育されてきたんですよ。全員、敵だと思えと。完全に、田舎者の発想なんですけど(笑)。だから、自分しか信じないというか、自分の身は自分で守ろうと決意していたんです」

“父母总教育我‘东京很可怕。很吓人’。所以我把这里的所有人都当成敌人。完全就是乡下人的想法(笑)。所以与其说我只相信自己,其实是我决定要自己保护自己而已。”

“お女優”ではない生き方を結婚が後押し

结婚坚定了自己不做“正统女演员”的生存方式

我が道を一直線に進んできたように見えるが、当初は“お女優”のレールを歩いていた。

看似朝着自己的道路一往无前的仲里依纱,其实最早也是走的“正统女演员”路线。

「駆け出しの頃、服装も髪形も“清純派”を求められました。そういう作品も多かったし、イメージに沿わなきゃいけないと思ってました。でも、本当の自分ではないから、ファンの人が付いてもつらくなっちゃう。ピュアに見える女の子の真逆の一面を週刊誌で知ったら、『だまされた!』と感じませんか?」

“刚出道的时候无论是服装还是发型都是走‘清纯派’路线。这类作品也比较多,当时觉得自己必须要符合大众的印象。但那不是真正的我,就算有粉丝喜欢我,也难以感到高兴。因为要是在周刊杂志上得知,看上去很清纯的女孩子完全不同的一面,不就会觉得‘被骗了’吗?”

「普段から、かわいらしい洋服じゃなくて原色系ばかり着ていたし、好きなものを好きと言い続けていました。そしたら、マネージャーさんもあきらめモードになった。変化球タイプだと気づいてくれて、本当に助かりました」

“因此平常我就不穿可爱的洋装,基本都穿原色系的衣服,一直在强调自己喜欢的东西,所以最后经纪人也就放弃了把我往清纯路线带。能意识到我是个异类真的帮了大忙”。

20歳の時、映画『ゼブラーマン ―ゼブラシティの逆襲―』(2010年)にヒロインとして出演。ボンデージ衣装で〈殺しにしてやるわ!〉と叫ぶ極悪悩殺キャラを演じ、吹っ切れた。3年後には、俳優・中尾明慶と結婚。自分にない性格を持つ彼の存在は、“お女優”ではない生き方をさらに後押しした。

20岁时,她在电影《斑马人2:斑马城的反攻》(2010年)中担任女主角。影片中她饰演了一个穿着束缚衣喊着“我要杀了你们!”的穷凶极恶角色,找到了和自己匹配的路线。3年后,她和演员中尾明庆结婚,对方是和她互补的性格,也坚定了她不做“正统女演员”的生活方式。

「私はすごく人見知りをしてしまうタイプ。でも、旦那さんは誰とでもすぐ打ち解けられるし、引っ張ってくれる。それに、派手な服を着ても、何も言わない。むしろ、普通の格好をしたら『今日何か違うな。……モテようとしてるんじゃないか、この女』って思われそう。結婚してから、より自分を出せるようになりました」

“我是个很怕生的人,但我丈夫就是那种和任何人都能打成一片的人,能够带领我。而且无论我穿多么华丽奇怪的衣服都不会说什么,反倒是我若穿得普通一些,他会觉得‘今天不一样啊。......这女人是不是想去撩人啊’。因此结婚以后,我能更自由地做自己了。”

2020年11月22日には、ある調査で“理想の芸能人夫婦”1位に選ばれた。だが、彼女は世間の評価を冷静に捉えている。

2020年11月22日,仲里依纱和中尾明庆在某调查排名中获得“理想艺人夫妻”第一名。但面对大众的评价她十分冷静。

「ウケる!って感じでした。旦那さんとは『毎日、けんかしているのにね』と話しました。いつも些細なことで言い合ってます。洗面所にあるマウスウォッシュのキャップを半分ぐらい開けておくんです、旦那さんが。しかも、タオルやドライヤーのあるほうに置くから、倒れて液が漏れるんですよ。トイレやお風呂の換気扇も付けないし。子供が学校の先生に『昨日、ウチのお父さんとお母さんがまたけんかしてた』と告げ口していたくらいです(笑)」

“我觉得太好笑了!还和丈夫说‘明明我们每天都在吵架’,我们经常会因为一些小事争执。我丈夫会不把漱口水盖拧紧就放在洗手台上,而且还是放在有毛巾和吹风机的那边,就会碰倒,把漱口水漏出来。去卫生间或者洗澡的时候也不开换气扇。我俩吵架已经到了孩子会去学校向老师告状‘我爸妈昨天又吵架了’的程度(笑)。”

「母親にも母親の人生がある」

“妈妈也有妈妈的人生”

女優、1児の母、YouTuberと三足のわらじを履く仲は毎朝5時に起床し、小学生の長男の弁当をこしらえる。6時半に学校へ送り出した後、家の掃除や洗濯を済ませ、8時15分から1時間ほどヨガのレッスンを受ける。その足で、皮膚科やクリニックでメンテナンスをしたり、ジムに赴いたりして、自分の体と向き合う。

女演员、一个孩子的母亲、YouTuber,有着三个角色的仲里依纱每天早上5点起床,为还是小学生的长子准备便当。6点半送走上学的儿子后,要打扫和洗衣服。八点一刻开始上1个小时左右的瑜伽课。之后会去皮肤科或诊所进行护理、或是去健身房,锻炼保养自己的身体。

「夕方になると、白目むいてますもん、眠くて。朝起きた時には絶対、今日はもう一度寝ようと決めます。でも、お弁当を作っていると、『ああ、ヨガ行きたい』と思っちゃう」

“傍晚的时候我会困到翻白眼。每天早上起来的时候都想今天绝对要睡个回笼觉,但做便当的时候就又会想‘啊,想做瑜伽’。”

日が沈む前に自転車を漕いで、スーパーに寄って食材を買い込み、駅前に子供を迎えに行く。夕暮れ過ぎ、家に到着すると夕食の準備に取り掛かる。食事を終えれば、食器を洗い、洗濯物を畳み、明日の弁当の準備をする。全ての家事を終えてようやく、YouTubeの編集をしたり、ドラマの台本を覚えたりする。

日落之前,她会骑着自行车去超市购买食材,再去车站接孩子。傍晚回家后开始准备晚餐。饭后洗碗、叠衣服、准备第二天的便当材料。做完一天的家务后,才终于有时间剪辑YouTube视频、记台词。

「夜は、いつも何時に寝たかわからない。気絶したように横たわります。でも、世の中のお母さんはみんな、忙しいですよね。家事も編集もだるいなあと思うこともあるけど、仕事も子育てもYouTubeも全部好きだし、本当に楽しい」

“晚上我基本上不知道自己是几点睡的。几乎都是倒头就睡。但是全世界的妈妈都很忙的。虽然会觉得家务和剪辑视频好累,但无论是工作、育儿还是YouTube我都喜欢,所以还是很开心的。”

温和な日々だけが続くわけではない。長男を叱り、お互いに引きずっていたことがあった。数日経つと、学校から帰ってきた息子がそっとテストの紙を渡しながら、ボソッと〈せっかくママのために100点取ったんだけどな。だから仲直りしようよ〉とつぶやいた。

日子不会总是温馨平和。偶尔也会责备儿子,冷战着谁也不让谁。几天后,放学回家的儿子悄悄把成绩单递给她,小声说“为了妈妈我好不容易才考了100分,我们和好吧”。

「キュンとしましたね。子育ては、あんまり考え過ぎないでやってます。母親も子供も、人と比べないことが大事かなって。育児の本も読まないです。あと、お互いに楽しいほうがいい。母親にも母親の人生がある。子供の好きなアニメ映画を見終わったら、私の行きたい洋服屋に付き合ってもらうようにしてます。だからなのか、『こんな静かな子は初めて見ました』とよく言われます。我慢のできる子に育っているのかな」

“这真的瞬间感到心动。育儿上,我一般不会考虑很多。无论是妈妈还是孩子,最重要的就是不和别人攀比。我也不会看育儿的书。然后就是,两个人都开心才是最好的。妈妈也有妈妈的人生。陪儿子看完他喜欢的动画电影后,就让他陪我去我想去的服装店逛逛。所以经常听别人说‘第一次见这么安静的孩子’。看来我培养了一个很能忍耐的孩子呢。”

かつて、〈ずっとネバーランドにいたい〉〈大人になりたくない〉(「週刊文春」2011年11月10日号)と発言していた仲も31歳を迎えた。誰しも加齢は避けられない。

过去曾经说“想永远待在梦幻岛”、“不想长大”(《周刊文春》2011年11月10日号)的仲里依纱如今31岁。没有任何人能逃避年龄的增长。

「人生はソフトクリームだと思います。子供の頃は1年が長く感じるけど、大人になると時間がどんどん短くなる。でも、透明な気持ちでいれば、いろんなものを吸収できるし、どんな状況にも対応できる。コロナによって世の中がこんなに変わっちゃったけど、これからも自分が楽しく感じることをやり続けて、周りの人やファンの人も楽しんでくれたらいいなって」

“人生就是一支冰激凌。小时候觉得一年很长,长大后时间越走越快。但是,如果保持通透的心,就能吸收很多东西,应对所有情况。因为新冠疫情,世界发生了如此巨大的变化,但今后我也会继续做让自己开心的事情,如果能让身边的人和粉丝们也觉得开心的话就最好不过了。”

仲里依紗は現状を受け止めながら、自分の道を模索し、感情を素直に発する。嫌な出来事があれば愚痴り、嬉しい瞬間があれば歓喜する。決して己を誇示せず、卑下もしない。ただ、あるがままに――。

仲里依纱在接受现状后,不断探索自己的道路,坦诚地表达自己的感情。遇到讨厌的事情就发牢骚,有开心的瞬间就大声欢呼。不卑不亢。真实地生活着——。

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