言葉は生きもの、時代とともに移り変わっていくものと頭では分かっていても、慣れ親しんだ言葉が変わっていくのは、なんだか時代に取り残されていくようで寂しいものです。

我们虽然明白语言是“活”的,会随着时代而变化,但当真正感受到熟悉的语言正慢慢远离自己的生活,还是会觉得好像跟不上时代,难免有些伤感,

ところで、マスクにより表情筋の衰えを実感している人は多いと思いますが、マスクで口元が見えないと相手の発した言葉もよく分からず、コミュニケーションがお互いに取りづらいですね。

想必很多人如今因为需要长时间佩戴口罩,觉得自己的表情肌都变得衰弱了,而且说话时大家都戴着口罩,看不到对方的口型,无法准确分辨对方所说的话,沟通起来便会有些困难。

使わないと衰えていく人間の機能ですが、それを保つために面倒なことをしたくないのも本心。それは発音も同じなのです。

人体很多机能长时间不使用就会衰弱,但说实话人们也觉得麻烦不会费精力去维持这些技能。发音也处在同样的境地。

日本語から「い」が消えていっている、と言ったら、あなたは驚くでしょうか。たとえば「いやだ」が「やだ」とか、「うまい」が「うまっ」というふうに音が脱落したり、語尾が変化したりしています。それではなぜ、このような現象が起こるのでしょうか? 実は発音の“省エネ化”からなのです。

如果说日语中的“い”正逐渐消失,你是不是会很惊讶。比如“いやだ”变成了“やだ”这样词汇漏掉了“い”的发音,或是“ うまい”变成了“うまっ”这样词尾发生了变化。为什么会出现这样的现象呢?其实是因为发音的“节能化”。

口の中で舌を前上方に引き上げ、口角を左右に引き、喉頭を少し締めた状態で声を発する母音――。文字で書くと、なんだか難しくなりますが、「い」の発音の仕方はこのようになります。私たちは普段、無意識にこうやって筋肉を動かして発声しています。マスクをした状態では当然、口の動きはマスクによって制限され、相手が聞きづらくなってしまいます。

舌头在嘴巴里向前向上推,同时嘴角向两侧拉动,喉头微微收紧时发出的元音——。“い”发音的方法用文字解释起来有些困难,但正是如此。我们平时是无意识地使用着面部肌肉在说话。而当我们戴上口罩,口罩会限制嘴巴的运动,对方要听清说话内容就有些困难。

さらに、マスクがなかったとしても、これまで身近にも「やばい」が「やべー」や「やば」と変化したり、「難しい」が「ムズい」から「ムズッ」へと変わったりしている例があることに気がつきます。これも省エネ化の表れなのです。

即使没有口罩的干扰,有些发音也在发生改变,“やばい”变成了“やべー”或者“やば”,“ 難しい”先是变成“ムズい”又简化为“ムズッ”,像这样的词汇不在少数。这些也都是发音节能化的体现。

「い」の発音は前舌母音といい、舌の位置が他の母音よりずっと高く、声帯のある喉頭をキュッと引き締めるエネルギーの要る発音法なのです。ですから、この“面倒くさい”発音をより楽な方、楽な方へと変えていってしまったのです。

“い”是前舌元音,发音时舌头的位置要比其他元音时的位置高出很多,发音时要收紧声带所在的喉头。所以发音不再带“い”后,发音不再麻烦累人,变得轻松很多。

省エネ化でアクセントも消えていく

发音节能化也表现在重音的消失

言葉の変化は、アクセントの変化にも及びます。ギター、バイク、カレシなどの読み方は、アクセントが付いていたものが、一本調子の発音になります。これをアクセントの平板化と言います。

伴随着词汇的变化,重音也有了些许改变。原本ギター、バイク、カレシ等词都有重音,但如今全部变成了一个声调。我们将其称之为“声调平板化”。

アクセントの平板化も省エネのたまものです。まず、アクセントの位置を覚える必要がありませんから、脳のエネルギーを節約できます。それと、実際に発音してみると分かるのですが、平板化した発音は腹筋を使わなくて済むのです。

声调平板化也是由发音节能化促成的。最明显的就是,我们不需要再去记忆重音的位置,也就相当于节约了脑力。并且,平板化的发音不需要腹肌运动支持就能够发出。

「ギター」を平板に発音した場合と、「ギ」にアクセントを置いて発音した場合を比べてみてください。おへその辺りに手を置いて、平板化と頭にアクセントを置く発音を交互にしてみてください。アクセントがあると、おなかがキュッと動くのが分かると思います。

请大家将手放在肚脐边,试着用平板型音调和重音型音调分别读出“ギター”一词。你就会发现,当读出重音时肚子会随之震动。

大きな声を出すときに、「腹から声を出せ」と言われるのもこれで納得ですね。声を出すのには、腹筋も大きく関わっているのです。

这也解释了为什么大声说话时要用“丹田之气”。腹部肌肉在发音过程中起着很大的作用。

マスクとの生活は、まだまだ終わりそうにありません。対面でもオンラインでも、コミュニケーションを取るには、表情はもちろんですが、きちんとした発音も大切です。面倒くさがらずに一語一語丁寧に話し、特にオンラインだと普段しゃべっているよりもスピードを8割くらいに落としてゆっくりしゃべることが求められます。マスク生活で衰えがちな時は「イウイウ体操」を勧めます。

我们暂时还无法摘掉口罩。不管是面对面还是通过在线语音交谈,正确无误的发音以及面部表情都很重要。要不厌其烦地一字一句认真地说,特别是在线上交谈时,语速要放慢到正常说话速度的8成左右。如果面部肌肉因长期佩戴口罩而感到疲惫的话,建议试下“イウイウ体操”。

「い」の発音と、「う」を連続で、やや速く発音します。「い」は、下唇下制筋、笑筋、 大頬骨(だいきょうこつ) 筋、などの筋肉、「う」は口輪筋をそれぞれ鍛えます。

连续快速地念“い”“ う”两个音。通过“い”的发音可以锻炼下唇方肌、笑肌、颧肌等肌肉,“う”则可以锻炼口轮匝肌。

「い」の時には、口角を真横に引き、上下の歯が見えるように「いー」と声を出します。「う」は、上下の唇をまん丸くとがらせて前の方にしっかりと突き出します。一緒に「うー」と声を出します。これを連続して20回、1セット1秒くらいですこし速く口をうごかします。コロナ疲れを癒やしてくれると思いますよ。

念“い”的时候,要把嘴角拉开,露出上下牙齿发出“いー”的声音。念“う”的时候嘟起嘴巴向前凸出,发出“うー”的音。连续做20次,1秒1次,语速要快。“イウイウ体操”应该对“コロナ疲れ”( 为了不感染上新型肺炎,每天过得小心翼翼,持续保持紧张状态致使自主神经紊乱,身体因此出现不适症状)有一定的治愈效果。

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