一休さんのような少年僧が、暗い道に張られた縄に足をとられた。地面にしたたかに顔を打ち付け、血が噴き出す。しかし、少年は泣くこともなく寺に帰ってゆく。

跟一休一般大的小僧,经过一条昏暗小巷时被拉着的绳子绊了一跤。脸重重地磕在地上,鲜血直流。但少年没掉一滴眼泪回到了寺里。

★強か(したたか):1.厉害、强烈。▲~に打つ。2.大量、多▲酒を~飲む。▲~小言を言う。

「衣を着たときは、たとえ子どもでも、お坊さんなのだから、喧嘩(けんか)をしてはいけません」。少年は、縄を仕掛けた連中が近くに潜んでいるのを感じたが、この母の教えを守った。母は、血だらけで帰ってきた彼の手当てをし、抱きしめて言った。「よく辛抱したね」

“即使是孩子身披袈裟也是僧人了,所以不能跟别人动手”。少年知道使坏的人就藏在附近,可又想起了母亲的教诲。当妈的看见孩子满是鲜血的回来,赶紧给包扎伤口并搂在怀里安慰到。“你忍的对。”

★仕掛ける(しかける):1.开始工作、准备。▲仕事を~。2.中途▲仕掛けて辞めた。3.主动的作。▲話を~。4.挑衅。▲喧嘩を~。▲戦争を~。5.设置。▲罠を~。▲時限爆弾を~。6.准备。▲ご飯を~。
★連中(れんちゅう):1.家伙、伙伴。▲とんでもない~。▲こういう~。▲会社の~。
★だらけ:1.满是。▲ほこり~の本。▲泥~の自動車。2.多。▲借金~。▲彼は欠点~だ。

 
80歳で亡くなった植木等さんが『夢を食いつづけた男』(朝日文庫)に書いた、幼い頃に受けた「いじめ」と母の記憶だ。住職だった父は、部落解放運動の闘士でもあった。治安維持法違反で入獄したり、各地の社会運動に出かけたりして寺に居ないため、植木さんが檀家(だんか)回りをせざるをえなかった。

作家植木等(享年80岁)在他的作品——《蚕食梦想的人》(朝日文库)中写到了关于他小时候受的“欺负”以及对母亲的回忆。身为住持的父亲同时也是部落解放运动的斗士。他时常因为违反治安维持法而被投入监狱,又或是参加各地的社会运动奔波在外。因此植木不得不辗转于各个施主家。

★住職(じゅうしょく):(寺院)住持。
★檀家(だんか):施主。

父・徹誠さんは後年、「スーダラ節」の「わかっちゃいるけどやめられない」のくだりについて、「親鸞の教えに通じるものがある」と言ったという。「人間の弱さを言い当てている」

据说,后来他父亲彻诚老人曾就“斯塔拉小调”中的“深知其理、身不由己”一段,说到“与亲鸾教导的相通”。“此话正中人们的弱点”

おだてられてその気になったり、お呼びでないところに出てしまったり、あげくには、ハイそれまでよになってしまったり。人の弱さと浮世の切なさとを、底抜けの明るさで歌い、演じた。

要么被人指使干傻事,要么无所顾忌不受人待见。最终到了一个该了结的时候了,植木用高亢清亮的歌唱演绎了人的软弱和尘世的困苦。

「無責任男」として有名になったが、根は誠実で、思慮深い人だったという。いわば、世の中の「無責任感」を一身に背負うという責任感が、あの笑顔を支えていたのではないか。耳に残る数々の「植木節」は、戦後の昭和という時を共にする多くの人の道連れであり、応援歌でもあった。

他是出了名的“不负责任”,可他骨子里却是诚实、深谋远虑的那种人。可以这么说,世间的“无责任感”他都一身背负了,难道不是这种责任感在支持着他的笑容。在耳边回荡的《植木节》是一起走过战后昭和时代人们的写照,也是一首打气的歌。