英国の文豪サマセット ・ モームが晩年、一番うれしかったことは何かと聞かれ、こう答えたそうだ。「戦場の兵士から、あなたの小説は一度も辞書を引かずに読めたと手紙をもらったとき」だと。平明な筆致の作家ならではの感慨だろう。

英国文豪萨默塞特•毛姆在晚年时,有人问起他最开心的事情是什么,他如是回答“那是在接到战场上士兵来信,信上写着读你的小说我无须翻查一次字典就可以读懂之时。”只有运笔庸俗易懂的作家才能发出如此感慨吧。

昔から辞書は、枕にはいいが持ち運ぶのは大変、と相場が決まっていた。だが今なら、その兵士のモームへの感謝は薄かったかもしれない。手のひらサイズの電子辞書が、紙の辞書に取って代わりつつある。

以前的辞典,通常适和置于枕边而不适合携带。但若在今日,那些士兵对毛姆的感激恐怕就要淡薄许多。因为手掌大小的电子辞典正在逐渐取代纸质辞典。

進学、進級の季節、売り場の新機種は実に多彩だ。辞書機能だけではない。100冊分の実用書を取り込んだもの、外国語の音声を出すもの、と進化を重ねてきた。業界団体によれば年間の販売は230万台を超す。人気ぶりを詠んだ川柳が地方版にあった。〈広辞苑にあくびをさせる電子辞書〉。

在这入学、升级的季节,卖场的新机型实在丰富多彩。除了辞典功能,电子辞典还收录了100本实用书籍、并带有外语发音等,其功能不断地完善。据 业界团体介绍,一年的销售额超过 230万台。还曾出现吟咏电子辞典人气盛况的川柳短诗。“ 广辞苑打瞌睡,电子辞典统天下 ” 。

退屈しなくてもいいのは、古今の知識人が皮肉とユーモアを込めて編んだ読み物としての辞書だ。米国の作家ビアスの「悪魔の辞典」は名高い。たとえば「平和」を「二つの戦争の間のだまし合いの時期」と辛辣(しんらつ)だ。 

不让人觉得无聊的是,古往今来的知识人士以讽刺与幽默笔调编著、作为读物的辞典。美国作家比尔斯的《魔鬼辞典》十分有名 。比如,他辛辣地 将“和平”意为“两次战争间相互欺骗的时期 ”。

フランスには「楽天家用小辞典」なるものがあると、河盛好蔵さんの随筆に教わった。この辞典では、たとえば「約束」は「選挙のときに使われる小銭」となる。さらに「約束を守らない人間に対してもあまりきびしくしてはならない。彼らは希望の種をまく人だから」と皮肉る。

笔者从河盛好藏的随笔中得知法国有部名为《乐天派小词典》之物。这部辞典,将“约定”释为“选举时使用的零钱”。而且他还进一步挖苦道“即便是对那些不守约的人也不能过于严厉。因为他们是播种希望的人 ” 。

統一地方選がたけなわだ。小銭をばらまいているだけの候補者はいないのか。厳しく吟味して、地域の将来を誤らぬようにしたい。

统一地方选举正如火如荼。这其中难道就没有单靠散小钱进行选举的候选人么?希望大家仔细考虑,莫要贻误了地方的将来。

【酣 たけなわ】〔比較的短い期間しか続かない状態について〕ピーク時の称。

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