未来」を聴こうと街頭に出た群衆の髪や肩に、過去から追いかけてきたような雪がはりついた。白い景色の中で、閉鎖中の「石炭の歴史村」が立ちすくんでいる。看板には「昭和の暮らし展/貧しくとも幸せだった日 々 」

为了聆听“未来“而来到街头的群众,头上肩膀都粘着飘落的雪花,雪花好似从过往紧追而来。白茫茫的雪景中,寂寞地耸立着封闭状态中的“煤炭历史村”。牌子上写着“昭和生活展/贫穷与幸福共存的日子”。

財政が破綻した北海道夕張市で、市長選挙が告示された。月給26万円、交際費、出張手当なしの職に7人が立候補した。地縁があるのは3人、あとは道外からの名乗りだ。

在财政陷入困境的北海道夕张市,公开选举市长。这个月薪26万日元,不含交际费、没有出差津贴的职位有7名候选人。其中本地的有3名,余者均来自他处。

「夕張へ来てみると、冬は寒いし、仲間はできんし、仕事はつらいし、毎日が面白くなくってなあ」。77年の映画『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』(山田洋次監督)で、高倉健さん演じる元炭鉱マンは九州から出てきた頃をそう回想する。誰が市長になっても、健さんのようにどん底からの再出発である。

“来夕张,冬日寒,无友人,工作苦,日日皆无趣”。笔者回想起77年的电影《幸福的黄手绢》(山田洋次执导)中,高仓健饰演的煤炭工从九州初来此地的情形。不论谁成为市长,都必须象健先生一样从这困难状况中重新开始。

炭都としては1世紀の命だった。「地上の鉱脈」と期待した観光事業は赤字を膨らませた。人口は往時の1割。市民1人につき新車1台分ほどの借金を抱えている。市職員は半減、粉飾を見破れなかった市議会も定数9に半減された。

夕张作为作为煤炭之都已有1个世纪了。但是被视为“地上矿产”的旅游业却使赤字不断膨胀。人口仅为过去的1成。市民还人均肩负一辆新车价值的欠债。市职员减半,勉强维持的市议会其人数也减至额定半数的9人。

一つの産業に頼りきる自治体は、ひとたびそれが衰えれば倒産の危機だ。そうでない都市でも、地方債の償還や団塊世代の退職金が財政を締めつける。地域ぐるみで、人と金を引き留める工夫を凝らすしかない。

完全依赖于一个产业的自治团体,一旦其衰败则将导致破产危机。即便不是此种状况的城市,地方债务的偿还和战后高出生率一代的退休金问题也使财政吃紧。包括地方在内,办法唯有尽力挽留人才、留住钱财。

夕張は教えてくれた。役所と議会、住民は、実は同じゲームを闘っている。東京や主要都市の引力に抗して、生活圏を守る闘いだ。統一地方選の後半は、何かを任せる為政者ではなく、チームメートを選び取る覚悟で一票を投じたい。

夕张告诉了我们:政府机关和议会、居民,其实都在玩着同样的游戏。他们抵抗东京和主要城市的引力,努力保持自己的生活圈。统一地方选举的后半,并非要将什么托付给当政者,而不过是希望以挑选队友的觉悟投出一票。

 

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