分割した画面を開きながら、それが何かを当てるクイズ番組があった。記憶は定かでないが、タワシかと思えばハリネズミ、はげ山のはずが実はラクダといった意外性の妙。ボタンを押す出演者が間違うたびに、お互い様の「木を見て森を見ず」を笑ったものだ

打开分割画面,便有打某一谜底的猜谜节目。尽管记得不是很准确,但总有一些意外的妙趣,比如本以为是锅刷结果却是针鼠、按理应该是秃山实则是骆驼。每次按下按钮的答题人回答错误时,相互间都会取笑其“只见树木不见森林”。

あと1日の参院選で、期日前投票が空前の出足という。クイズ番組の早押しとは違い、初めから森は見えているという票である。今回は、木を見る前に怒りを投じた人もいよう。

在还剩一天的参议员选举上,据说期日前的投票已到了空前高潮。与猜谜节目的抢答不同的是,这是从以开始就能看得见森林的投票。这次,在看见树木之前也有泄愤之人吧。

選挙では、お粗末な年金行政、閣僚の事務所費や失言が盛んに論じられた。それを「小事(しょうじ)」とし、移ろう世論を嘆く言説がにぎやかだ。与党が大敗すれば景気は失速、外交が揺らぐという警告さえある。

在选举中,不负责任的年金行政、官员的事务所费用和过失言论受到众口谴责。将之当作小事一桩、感叹波动的民意之言论也此起彼伏。还有人警告说,执政党如大败,则经济将不景气、外交会动摇。

それらの当否はさておき、どんな投票行動も生活に影響する。それを承知で国民が怒る時がある。怒るなら小事ではなく、国家の針路や屋台骨を論じよとも言う。正論だが、肝心の政党や政治家が大事(だいじ)を扱うに値するかどうか。これこそ民主主義の超大事だろう。

暂且不论其得当与否,无论怎样的投票行动都会波及日常生活。认识到这一点的国民也有愤怒之时,如怒之便不是小事了,可说是触及到了国家的方针政策和上层建筑之筋骨。尽管是通论,然重要的政党和政治家是否具有处理大事的价值,这才是民主主义的重中之重吧。

公示の日、安倍首相は秋葉原の電気街で「負けるわけにはいかないんです」と絶叫した。日の丸の小旗が一斉に打ち振られる秒の間(ま)に、首相は腕の時計に視線を走らせた。意外な余裕と見たが、同じ街でいま、店頭の大型テレビが与党苦戦の予想を伝えている。

公示之日,安倍首相在秋叶原电器街发出“绝对不能败”的竭力呼吁。在一起挥舞着太阳旗的那一瞬间,首相将视线扫向腕上的手表。尽管得以见到这意外的余暇,然而此时在同一条街上,店里的大型电视正在宣传着执政党预期的苦战。

本日が期日前投票のピークらしい。その票が箱に収まったところで選挙戦は終わり、審判を待つ森が現れる。あすの「期日投票」には満を持したなりの選択があろう。思い切りボタンを押していただきたい。

本日似乎是期日前投票的高峰。票被收入投票箱之后便是选举战终了之时,其时等待审议的森林将现身。在明天的“期日投票”中会是把握十足的选择吧。希望能够果断地按下按钮。

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