ツクツクボウシが季節を結ぶ独唱を終えつつある。ここ数日で、虫の声は樹上から草むらに移った。動いたのは自然の音源だけではない。取材のざわめきもまた、首相官邸や国会から自民党本部へと所を変えた。

寒蝉凄切的季节。近日,虫儿的鸣叫声已从树梢落入了草丛。不止是这些来自自然界的声音在变,我们关注的焦点,也正在悄悄地从首相官邸及国会等地,转向自民党本部。

自民党の総裁選が告示された。優位とされる福田康夫氏は戦後13人目の首相の長男、麻生太郎氏は同3人目の孫だ。「8人目の孫」が職を投げ出した後は、子と孫の争いらしい。政治の世襲化を煮詰めたような光景に、つい嘆息する。

自民党总裁选举已宣告开始。同为占据优势地位的两个人: 福田康夫氏,是战后第十三任首相的长子;麻生太郎氏,是第三任的孙子。在“第八任的孙子”交出政权后,一幕子孙之争的好戏似乎又要开场了。总而言之,就是政治世袭制。此情此景, 不禁使人感慨万千。

40歳まで会社員だった福田氏は、首相になった父上の秘書官として政界に入った。後継ぎで衆院選に出た時は「独立した一人の人間として見てほしい」と父離れを強調した。「あんな年寄りと比べないでよ」は初登院のだ。

福田氏,四十岁之前还是公司职员。父亲就任后,他以首相秘书的身份,步入政界。作为下届候选人参加议院选举时,他特意强调”希望大家把我视为一个独立的人”,从而摆脱父亲的影子。第一次出席议会时,他巧舌如簧,宣称”不要把我和那些老人家相比喽”。

逆に「祖父は私の原点」と、近さをにしてきたのが麻生氏。22歳で米国に留学し、母親に車をねだった。「危ないから」と拒まれ、大磯に手紙を出す。吉田茂はたちまち説得してくれた。「孫にいい顔する祖父をかわいいと思った」と自著にある。

相反, 麻生氏把祖父当成自己的坚强后盾,说”祖父是我的起点”。22留学美国时,他曾多次要求母亲允许自己买一部车,但是,均因”危险”被拒绝。于是,他写信给大磯的祖父吉田茂。很快便得到了应允。在自传中,麻生这样写到:”祖父对孙辈宠爱有加,甚是可爱”。

血筋との距離のとり方は各様だ。親の仕事や地位は選べない。政治の家に生まれても、向き不向きがあろう。地盤だ看板だと担がれ、祭られ、重圧につぶれる人もいる。首相であれば国民の不幸だ。お二人が並の七光りでないことを願う。

如何处理血缘关系,因人而异。父辈的事业与地位, 我们无从选择。即使生在帝王之家,也有从政与不从政之别。有人会一直背负、供奉着”地盘” ”招牌”等无稽之谈,继而被其压至崩溃。如果此人是首相的话,那就是民众的大不幸了。希望以上两位候选人不单单是借父辈的影响力吧。

虫なら、木で鳴くか草で鳴くのかは血が決める。ほかも選べただろうに、父や祖父と同じ木、同じ草で、まさに鳴かんとする両人。どちらの声になるにせよ、「有権者の血」しか引かない大多数の耳に届けばよいが。

血缘,决定了虫儿唱歌的地方。树上,或是草中。可以自行做出选择的两个人,就要开唱了。在和他们父亲、祖父相同的树上、草中。不管他们唱得如何,传入大众耳中的恐怕只有”帝王将相之家”这一句吧。这样好吗?我无语。