サッカー日本代表のオシム監督(66)は、祖国ユーゴスラビアの解体や、ボスニア内戦といった辛酸をなめてきた。それゆえだろうか。口をつく言葉は奥が深い。民族の悲劇が、名将の人生に、深々とした陰影を刻んでいるように見える。

日本足球国家教练---奥西姆(66岁),遍尝祖国南斯拉夫的解体,和波斯尼亚内战的辛酸。或许正因如此罢,他的谈吐颇意味深长。依稀可见民族的悲剧将深深的阴影铭刻在名将的人生上。


動じない精神力と、異文化への広い心が持ち味である。それを戦争体験から学んだのかと聞かれ、「(影響は)受けていないと言った方がいい」と答えたそうだ。「そういうものから学べたとするのなら、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が…」(木村元彦『オシムの言葉』)。

那是毫不动摇的精神力量,以及对异国文化的包容之心所折射的人生体味。据说曾被问及这样的人生体会是不是从战争体验所学来的。他答曰:“说没有受到影响更恰当些罢!”“若是从那样的东西学来,那应该早变成了必要的东西了。那场战争……”。

内戦の死者は20万を数え、サラエボの街は破壊された。街の一角に、監督が生まれ育った地区がある。そこで起きた悲劇を描く映画『サラエボの花』が、近く東京の岩波ホールで上映される。内戦下の組織的レイプを見据えて、内容はずしりと重い。

内战的死者总计20万人,萨拉热窝城市一片狼藉。在城市的一角,是教练出生成长的地带。描写发生在萨拉热窝的那桩悲剧的电影----『萨拉热窝之花』,最近将于岩波大厅上映。久久的凝视着内战下那团伙Rape(此词不雅),内容让人内心沉甸甸的。

この映画に、脳梗塞(こうそく)で倒れる直前のオシム氏が文章を寄せている。愛してやまない故郷を、「すべての者が共存し、サッカーをし、音楽を奏で、愛を語らえる場所だった」と誇らしげに思い起こしている。

因脑梗塞病倒前的奥希姆为该电影寄来文稿。文章中自豪的谈到,电影让他想起他多么深爱的故乡是“所有的人一起生活,踢球,唱歌,恋爱的地方”。

その故郷を、「人類のモラルと良心がかき消された、世界史上に類のない場所になってしまった」と言い切るのは、辛(つら)かっただろう。燃えるような郷愁と、戦争への憎悪が渦を巻く、切ない一文である。

然而将那样的故乡,断然的说成是“人类灵魂和良知的沦丧,世界上无以类比的地方”,难道只是出于悲愤么?火样的乡愁,战争的憎恶,交织成为这意犹未尽的一句。

オシム氏の容体予断を許さないと聞く。現役時代の氏は、ハンカチ一枚の隙間(すきま)があれば、3人に囲まれても突破したそうだ。危機突破して、新たな言葉を聞かせてくれるよう願う。

据闻奥希姆的健康不容乐观。据说曾为球员的他,即便被三人围困,但若存手帕大小的间隙,都能突围。希望他能“突破危机”,让我们听到到更多的新词。