天声人语日刊2008-04-13

▼日本で初めて、まとまった数の蛍光灯がついたのは１９４０（昭和１５）年、法隆寺の金堂だったとされる。壁画の模写を国に頼まれた大画家たちは、何より明るさを求めた。当時、米国で出回り始めた白い光は、堂内の暗がりに「昼の戸外」を連れてきた。

１９４０（昭和１５）年, 受国家委托在法隆寺正殿临摹壁画的大画家们要求最好殿内能亮一些。于是, 那里就打开了日光灯。这被公认为是日本首次大量使用日光灯。当时,在美国刚刚上市的“白色光亮”,将漆黑的殿内与“正午的室外”连成了一片。

▼それから約７０年、蛍光灯は高度成長期に広まり、今では日本の照明器具の６５％。白熱灯が７割に近い欧州とは逆だ。白熱灯より高価だが、消費電力は５分の１で、６倍長持ちする。

此后约七十年,日光灯逐渐进入了一个高速发展的时期。现在,日本照明工具中的６５％都是日光灯。这与白炽灯占到70％的欧洲恰恰相反。日光灯虽然价格比白炽灯高,但其所耗用的电力只有白炽灯的五分之一。使用寿命更是白炽灯的六倍。

▼甘利経産相が、家庭の白熱灯を１２年までに蛍光灯に入れ替えたいと表明した。強制はせず、メーカーにコスト減や新製品の開発を求め、販売店にも協力してもらうという。白熱灯を減らす動きは欧米にもある。

经产相甘利表示,在2012年之前,用日光灯取代现在日本家庭中使用的白炽灯。虽然不是强制措施，但是要求生产厂家减少（日光灯）生产成本，开发新式灯具。并要求商店也积极配合。同样,欧美也在减少使用白炽灯。

▼だが、照明デザイナーの石井幹子（もとこ）さんは疑問を投げかける。「白熱灯でなければ出せない輝きや陰影がある。『適光適所』で使い分けるのが豊かな暮らしだ。日本の電球型蛍光灯は素晴らしいが、白熱灯でも効率の良いものがあるので、選択肢は残してほしい」。

但是,照明设计师石井幹子对此提出了质疑。他说:“某些光亮与阴影只有白炽灯才能营造的出来。只有‘适光适所’区分使用,我们的生活才是丰富多彩的。日本的圆形日光灯挺漂亮,而白炽灯中也不乏功率优质的产品。因此,希望保留二者,以供选择”。

▼割安で、あまねく光が及ぶ蛍光灯は、公共施設やオフィスに向く。初の用途も作業灯だった。片や、光に温かみのある白熱灯は、明暗の調節がしやすく、生活の場面を自在に演出できる。「赤ワインの色味（いろみ）もグラスの輝きも違う」（石井さん）そうだ。

价格便宜,且照明范围广的日光灯可以用于公共场所及办公室。而且,其本来的用途就是作业用灯。另一方面,光线柔和的白炽灯便于调节明暗,可以在生活领域尽情发挥它的作用。就像石井说的:“在两种不同灯光的照射下,红酒的色泽,以及高脚杯的光泽都是不一样的”。

▼節電もせず大きなことは言えないが、環境対策で「適光」の一つが消えるのは寂しい。照明は家庭の消費電力の２割に満たない。あふれる自販機、明るすぎる店や事務所、だらだらと続く残業。先に「消灯」すべきものは多い。

不(懂得)节电，又说不出什么大道理，但我还是觉得作为改善环境的一种方法而将“适光”中的一者取消,就未免单调了。照明只占家庭用电的不到20%。无处不在的自动售货机、灯火通明的商店及办公室、磨洋工的加班……。率先需要“关灯”的地方很多很多。

解说：

1.適光適所：照明用語に「適光適所」という造語があります。これは、読んで字の通りで「場所に合った光を」のことです。

2.大きなことは言えない
日本人表示自己的见解前常常采用的谦虚说法。
虽然我说不出什么大道理，但是……，（还是要提出自己的见解）。
例句：
1. 他をよく知っているわけではないので、あまり大きなことは言えないが、世界の観光地と比べて、北海道の自然は四季それぞれの表情を持っている点が大きな特長であろう。
2. ぼくはフランスと日本の料理の世界しか知らないので大きなことは言えないけど、経験上、 優れた人が他人を判断する時に目をとめるところは「ひとつひとつのことをきちんと処理しているかどうか」 なのではないかと思うのです。