优秀奖

「民泊―友好の力」

羅雯雪(云南民族大学)

子供の時から、「知らないイコール危険だ」というように、ずっと教えられてきた。民泊というのは見知らぬ人の部屋に泊まることだ。まさにその未知のものだ。

今年の夏、airbnb(民泊予約サイト)の創業者であるBrianという人のスピーチをインターネットで見た。「知らないイコール危険だ、というのは心の中の偏見から来ている。さらに、もし何か悪いことが起こると、猜疑心に満ち溢れ、危機に陥ると、憎しみが強くなる」と彼が言った。確かに、彼の言う通りだ。

彼の提唱する「民泊」というアイデアが面白いと思ったので、実際に体験してみようと思った。私は日本語を専攻しているので、日本に行くことにした。あまりも突然な決定だったので、一人旅になった。ちょうど7月には祇園祭がある。行き先は京都に決めた。もちろん、宿泊予約はairbnbのサイトを通してだ。

まずは京都で4泊した。築100年以上の日本家屋と心地よいリラックス出来る庭がとても気に入った。そこは古い京都の長屋を、できる限りオリジナルな形を残し、最低限必要な所だけを改装した家だ。だが、部屋は個室ではなく相部屋(女性部屋)だった。それから大阪で宿泊した。あるシンプルな現代的アパートだった。簡素なスタイルだが、人の暖かさを感じさせてくれた。

出発の二、三日前、予約した宿のホストは家の住所や名前などを教えてくれ、しかもメールで地図を送ってくれた。しかし、飛行機が遅れたせいで、関西空港到着は20時になった。入国手続きや荷物受取、空港からの移動時間を考えると、あと二、三時間はかかる。チェックインの時間には間に合わない。約束を守るべきだが、仕方がないのでホストに電話連絡した。「大丈夫ですよ、私の家でお待ちしています」と言ってくれ、少し安心した。京都に到着し、送ってくれた地図を頼りに歩くと、すぐにその家が見つかった。インターホンを鳴らすと、先ほどの声の主が出迎えてくれた。ホストは気立てがいいおばあさんだ。彼女は部屋の施設や構造、長屋に泊まるフランスやイギリスからの客を親切に紹介してくれた。もう随分遅い時間だったが、リビングに招かれ、抹茶をいただいた。そして、彼女は京都の地図とバス路線図を渡し、おすすめのコースを説明してくれた。例えば、清水寺へ行くもっと面白い道、観光客があふれる花見小路通と比べてもっとのどかな風景、和風建築、情緒豊かな町並み、伏見稲荷へ行くいい方法など。毎日京都をたっぷりと味わい、宿へ帰ったら宿泊客同士で和やかに談笑し、快適に過ごした。さらに、おばあさんとのコミュニケーションが楽しかった。本当に情熱的で、愛想がいい人だ!おかげでガイドブックには載っていないもう一つの京都をのぞくことができた。

そのあと大阪へ行った。今度のホストは専業主婦だ。夫と二人暮らしだそうだ。彼女の家の床は鏡のように一点のほこりもなく、窓からは限りなく広がる海が見え、トイレもレストランのようにきれいだ。そして、彼女は人なつっこい性格だったので、気兼ねなく大いに語り合えた。以前、主婦というのは毎日掃除や洗濯などの家事に明け暮れる退屈な人だと思っていた。しかし、彼女と話してみて、自分の勘違いに気付いた!彼女は、私がイメージしていた主婦とは明らかに違う、知識人だった。毎週2冊以上の本を読むそうだ。さらに、ゲストと出会い、違う文化や生活習慣に接しているので、外国人に対しての見方が客観的だ。「外国と言っても一概には言えない。日本人だって親切な人もいればそうでない人だっています」と言う言葉が印象に残った。 

このような民泊のおかげでアットホームな雰囲気に包まれながら、日本の秩序、清潔さ、気配りの上手さ、サービス精神の高さなどを味わった。想像していた以上に素晴らしい旅だった!

実は近年、訪日観光客はずっと増えている。しかも、少なくとも2020年までは増え続けることが予想されている。そのため宿泊施設不足が深刻化しており、日本政府はその問題解消の秘策とも言われる「民泊」を利用することにしたそうだ。その一方でさまざまな問題も起こっている。近隣住民からは治安悪化や騒音問題などの苦情が寄せられ、民泊に批判的意見も出てくるようになったという。

しかし、民泊は観光客、特に若者にとってはよい選択だと思う。それは単に宿泊料が安いというだけではなく、日本の習慣や文化を理解する助けになるからだ。普通の日本人と直接コミュニケーションし、日本と中国における様々な違いを実感すれば、日本に対する本当の理解がさらに深まるのではないだろうか。今回の旅行で私はそう強く感じた。

さあ、中国の若者よ、もっと世界に出よう。そして、日本に行って民泊を利用しよう。

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