むかしむかし、日本の海には、たくさんのクジラが住んでいました。

很久很久以前,在日本的海里住着很多鲸鱼。

クジラは体が大きくて力持ちで、それに泳ぎの名人ですから、どんな魚もかないません。

鲸鱼体积庞大,力大无穷,而且擅长游泳,是任何鱼都比不上的。

だからクジラたちは大いばりで、毎日ゆうゆうと海を泳いでいました。

所以鲸鱼非常傲慢,每天在海里很悠闲地游来游去。

さあ、おもしろくないのは魚たちです。「何とかして、クジラをやっつける方法はないだろうか?」

可是,这让别的鱼们很不爽。「无论如何,要想个办法教训一下鲸鱼啊」

毎日のように集まっては相談しましたが、いい方法は浮かびません。

几乎每天都聚在一起商量,可是却想不出个好的方法。

するとそこへ、なまこがやってきました。「よし、わしにまかせてくれよ」

这是,来了只海参。「这件事就交给我吧」

なまこはそう言うと、一人でクジラの親分のところへ行きました。「こんにちは、クジラの親分さん、あの、一つ頼みがあります。わしと向こうの岩まで泳ぎ比べをしてくれませんか?」

海参这样说着,就独自来到了鲸鱼的头头地方。「你好。鲸鱼的老大,我有个请求。能不能和我比比看谁先游到对面的岩石?」

それを聞いたクジラの親分は、(のろまで有名ななまこが、何を馬鹿な事を)と、思いましたが、ここで断ったら、なまこに負けた事になります。

听到海参这么说,鲸鱼头头想(因愚蠢而出名的海参,想做什么蠢事呢)可是若是拒绝的话,就等于输给海参了。

「いいだろう、さっそく始めよう」クジラの親分は向こうの岩をめざして、ゆっくりと泳ぎはじめました。

「可以啊,马上开始吧」鲸鱼的头头就向着对面的岩石悠哉悠哉地游了过去。

いくらゆっくり泳いでも、なまこに負ける心配はありません。

就算游得再慢,也丝毫不担心会输给海参。

それでも、あっという間に向こうの岩に着いてしまいました。

虽然游得慢,可是不一会就到了对面的岩石。

(さて、なまこのやつ、いつ泳ぎ着く事か)そう思って、ふと前を見ると、なんとそこにはなまこがいて、「おやおや、ずいぶんと遅かったですね。今まで何をしていたのですか?」と、言うではありませんか。

(海参这家伙,什么时候能到啊)这样想着时,抬头一看,海参居然已经在那里了,不就是在说「啊呀呀,来得可真慢啊。至今为止都干了些什么啊」吗?

「そんなばかな!」クジラの親分は、どうしてなまこに負けたのか、さっぱりわかりません。

「怎么可能!」鲸鱼的头头怎么都不知道为什么会输给海参。

「よし、今度は、あのまで勝負だ!」言うなり、クジラの親分はものすごい勢いで泳いでいきました。

「好,这次谁先到海角谁就赢!」刚说完,鲸鱼的头头就飞快地游了出去。

「よし、これなら大丈夫だ」岬についたクジラの親分が、後ろを振り返ろうとすると、「やあ、今度は、さっきより早かったですね」と、目の前の岩で、なまこの声がしました。
「好,这次赢定了」到了海角后的鲸鱼头头回头看去「呀,这次比上次快了点嘛」海参的声音从眼前的岩石传来。

「なに!いったい、どうなっているんだ?!」すっかりあせったクジラの親分は、今度はあの岩、次はあの岬と言って、なまこと何度も泳ぎ勝負をしましたが、不思議な事に、いつも負けてしまいます。

「什么!到底怎么回事?」急了的鲸鱼头头这次就以那块岩石,下次又以那个海角为目的地,和海参比赛了好多次,可是不可思议的是没有一次赢过。

さすがのクジラの親分も、すっかり困ってしまいました。(なまこに負けたなんて事がばれたら、ほかの魚に馬鹿にされてしまう。・・・仕方がない。出ていこう)

就算是鲸鱼头头也丈二和尚摸不着头脑了。(要是被别的鱼知道我输给海参,一定会被看不起的。没办法,还是走吧)

そこでクジラの親分は子分たちを引き連れて、遠い南の方の海へ引っ越していきました。

于是鲸鱼的头头就带着自己的孩子们,来到了遥远的南方海域。

日本の海にクジラがいなくなったのは、その時からだそうです。

据说日本海里没有鲸鱼就是从那时候开始的。

さて、なまこはどうしてクジラの親分に勝ったのかというと、実は、なまこは仲間たちと相談して、あちこちの岩にはじめから隠れていたのです。

话说,为什么海参会赢得了鲸鱼的头头呢?其实,海参和自己的伙伴们商量后,从一开始就躲在了各个岩石后了。

そんな事とは知らないクジラの親分は、自分が負けたと思い込んだのでした。

而完全不知情的鲸鱼头头一直以为是自己输给了海参。

声明:双语文章中,中文翻译仅代表译者个人观点,仅供参考。如有不妥之处,欢迎指正。