万叶恋歌 「-樁之章-」(石田彰) 06 雨中
いよいよ今日は文化祭の日だ。生徒会役員は交替で校内の見回りすることになっている。まだ入ったばかりの彼女は俺がサポートするということで、一緒に見回りすることになった。 「人、多いなぁ~何か見たいところとかあるか?」 「特にない?正直に言ったほうがいいぞ。この後も仕事あるから、ゆっくり見られるのは今のうちだけだ。そうだ。お前、見回りの後は暇か?って聞かなくてもどうせ暇だろう。一緒にうちのクラスのお化け屋敷に入らないか?」 「嫌だ?どうして?」 「……なるほど。怖いのが苦手なのか。ふう、って、お前は子供か。でも、まぁ~女なんだから、そのぐらいのほうが可愛いけど。」 その時、ふと中庭に目をやると、急に雨が降り出しているのが見えた。 「雨?まずい!外に出してある看板が濡れる!」 「俺が濡れるって?そんなこといい!中に入れるほうが先だ。あ、お前は来なくていい。濡れるだろう。そこで待ってろ。俺が一人で片付けるから。」 俺は雨の中を走った。校門には生徒会役員が一生懸命作った看板が出してやる。彼女がデザイン案を出して、夜遅くまで残って作ったものだ。雨なんかに濡れてほしくない。俺は雨の中、看板を一人で片付け始めた。早く入れないと、雨に濡れて全部壊れる。 「くそ!重いなぁ~」 予想以上に看板が重い。俺は力いっぱい持ち上げようとした。その時、先まで重かった看板が軽くなった気がした。顔を上げるとそこには彼女がいた。 「バ~カ!来るなって言っただろう!本当にお前は……ほら、行くぞ!セーノ」 俺たちは黙ったまま、雨の中夢中で看板を運んだ。彼女が走るたびに、水しぶきが揚がる。髪を濡らした水滴が頬を伝っていく。その姿が綺麗に見えた。俺の初恋の女の子はこんなに綺麗だっただろうか…… ---わが情焼くもわれなり愛しきやし君に恋ふるもわが心から--- この葛藤も、熱い思いも、どちらの思いも、私の心の中から生まれたもの。 彼女は……まさか、初恋の女の子じゃない?いや、でも……
今天终于迎来了文化祭。按规定,学生会成员必须轮班在校内巡视。为了照顾新来的她,我决定和她一起巡视。 “好多人啊~有什么想逛的地方吗?” “没有?说实话比较好哦。一会还有工作,能慢慢逛的就只有趁现在。对了,巡视过后你有时间吗?不用问,你肯定很闲。要不要一起去咱班的鬼屋?” “不要?为什么?” “……原来如此。害怕恐怖的东西吗。呵~,你是小孩子吗。不过~女孩子嘛,这样也挺可爱就是。” 这时,望了一下庭院,外面突然下起雨来。 “下雨了?…糟糕!外面的告示牌会被淋湿!” “我会淋雨?没关系!一定要先把它拿进来。啊,你不用跟来,会淋湿的。在那儿等着,我一个人收拾就好。” 我在雨中奔跑。校门口放着学生会成员拼命做好的告示牌。是她提出的设计方案,并且一直做到了深夜。我可不想让它被雨淋湿。我独自在雨中收拾着告示牌。再不快点拿进去,就要被雨淋坏了。 “可恶!还好重啊…” 比我想的重多了。我卯足力气往上提,就在这时,原本很重的告示牌变轻了。抬起头,看到了她。 “傻瓜!说了不叫你来了!你真是……好了,走吧!一~二~” 我们就这样沉默着,在雨中搬动着告示牌。她每走一步就会溅起一片水花。水滴从湿润的发际流到脸颊。这样的她,好美。我初恋的女孩竟然会如此美丽吗…… 『烧我心者,是自己;恋君情意,自我心起。』 这份纠葛也好,炙热的想念也好,无论哪种心情,都是由我心中萌生。 她……难道不是我初恋的女孩?不,但是……