日本でブームとなっている「ケータイ小説」が最近、「純愛」という概念で上海の若者の心を捉えている。上海の出版界は、このビジネスチャンスを見逃すことなく、これらのオリジナル作品を輸入出版している。

东瀛流行的手机小说风潮借“纯爱概念”刮到了上海年轻人中间,沪上出版界也瞄准商机,引进此类原版作品。

上海訳文出版社はこのほど、日本で発行部数140万部を突破した人気ケータイ小説「君空」を輸入出版した。これは、昨年6月に上海で発売された「恋空」(中国語版)に続く、日本の「純愛ケータイ小説」第2弾となる。

上海译文出版社近日引进了日本发售超过一百四十万本的热卖书《君空》。这是继去年六月《恋空》之后上海译文引进的又一日本“纯爱手机小说”。

「恋空」と「君空」はいずれも、ケータイ小説という形で日本に大ブームを巻き起こした。「恋空」が書籍化されたことで、ケータイ小説の独特なタッチと従来の文体とをめぐる論争もさかんとなった。ケータイ小説では、携帯電話という身近なツールを使うことで、電話1本やメール1通も表現の手がかりとなる。画面に表示される字数制限も影響して、短い文章から会話や独り言などが多用されている。生活化や簡潔化が進み過ぎた結果、文学の専門性が打破され、日本の出版界では、「ケータイ小説が作家を殺す」という叫び声までもが出てくる始末だ。

《恋空》与《君空》最早均是以手机小说的形式而在日本风靡开来。从电子媒介跃至纸上,其特有的写作风格也引发了不少以其和传统写作模式为对象的探讨。由手机用户自己编写,一个电话、一条短信都可以成为表达凭借,而为了配合手机屏幕能够显示的有限字数,短句甚至对话、独白都成为了这些作品的载文方式。生活化、简洁化之余,文学的专业性被打破,日本出版界甚至出现了“手机小说在谋杀作家”的惊呼。

文学作品に対するとらえ方はさまざまだが、ケータイ小説の形式的特性は、中国の多くのネットワークビジネス業者の注意を引いた。ケータイ小説がウェブサイト、携帯電話、出版社、映画テレビなど多くの要素から成る産業チェーンを形成している日本と比べると、世界最大の携帯電話ユーザーを持つはずの中国にはまだ、携帯電話というプラットホームで著作を発表するという概念や行動が一般化していない。

作为文学现象的探讨不一而足,不过其“出身”却引起了不少中国网络商家的注意。与日本手机小说已形成包括网站、手机、出版社、影视等多环节的产业链相比,中国虽然有着全球最大的手机消费者群,但在手机平台上写作并发表的观念和行为还远未形成风气。

しかし、年初の3Gライセンス発給によって、ケータイ小説のビジネスチャンスの道が大きく開けた。一部の文学サイトでは、中国の「親指文化(携帯電話文化)」の市場開発や「中国で携帯電話小説家を生み出す」ためのプラットホーム構築に着手しはじめた。今回輸入出版された小説は、国内ケータイ小説のための踏み台という意味合いも持つことになる。

不过,今年初3G牌照的颁发让手机小说的机会又凸显,一些文学网站已经开始尝试开发其国内“拇指文化”市场,建立平台“打造中国的手机小说家”。此次引进的小说,也成了国内手机小说的一种“预热”。

日文原版书

予知夢 (文春文庫) (文庫) 探偵倶楽部 (角川文庫) (文庫) 蒼い描点(松本清张) (文庫)