事無草 祈り

あるおばあさんがお祈りをしていました。

「今日も一日、何事もありませんように…」

事無草は、漢方薬にも使われる。シダの仲間で、土がなくてもよく耐え忍んで育つことから、こう呼ばれるようになりました。

そんな忍び草に、昔の人はこれ以上悪いことが起きぬよう、平穏無事の祈りを託してきたのでしょう。

若いころは、無事ということの重みがわからないかもしれません。でもいつか「何事もない」ということが、どんなにすごいことか、分かる日が来るでしょう。

いいことは、自分の力で掴み取ることができます。でも、無事は、祈ることしかできないのです。

 

无恙草·祈愿

一位老奶奶这样祈愿道:

“愿今天,也一切安然无恙……”

无恙草,是中草药的一种。与羊齿草同类,即便没有泥土,仍然能够坚韧的生长,因此而得名。

古时的人们,把驱逐苦难、祈福求安的愿望寄托在无恙草中。

年少的时候,也许不懂得平安无恙的分量。但是,总有一天,我们都会明白,“一切安然无恙”是多么的难能可贵!

美味佳肴,高官厚禄,我们可以通过自己的努力去获取,去捕捉。但是,对于“平安无恙”,我们只有依靠“祈愿”了。