ここまで脅しみたいな話ばかり続けてきましたが、もちろん良いこともあります。締切を無事に超えた後の脱力感(笑)。労働の後のビールはうまい!・・・ちょっと話が先走りました。フリーランス翻訳者にとっての時間感覚は、普通とはちょっと違うかもしれないと思う点がいくつかあります。次にそれらを紹介してみたいと思います。

一直说了这么些看起来像是威胁的话,当然这份工作也有它好的一面。比如顺利交稿后的无力感(笑)。工作后的啤酒美味极了!……这话有点说早了。自由译者的时间概念和一般人比可能会有些不同,我想到了几点,接下来向大家介绍下。

例えば、翻訳者は自分の翻訳スピードをかなり正確に把握しています。具体的に言うと、分野ごと・クライアントごとに、1時間で何ワード訳せるかを把握しているものです。実際の翻訳作業は、1時間ごとに訳した語数を数えながら進めていきます。マラソン選手が区間タイムを計測するのと同じ感覚です。

比如,译者对自己的翻译速度有着十分准确的认识。具体来说,我们清楚在做不同领域•客户的工作时,每小时能翻译多少。在实际翻译过程中,我们会在工作的同时计算每小时的翻译量。这种感觉就像马拉松选手对自己的区间用时进行测算一样。

翻訳スピードを把握しているため、「このファイルには何時間かかるか」「今の仕事はあと何時間で終わるか」といったことを、かなり正確に予想できます。また、「24時間は均質ではない」ということも大きな発見でした。一頭の牛にもさまざまな肉質の部位があるように(?)、24時間は均質ではありません。生産性の高い時間と、低い時間があります。生産性の高い時間はまさしくゴールデンタイム。

因为了解自己的翻译速度,所以对于“这文件需要花几小时”、“完成目前的工作还需要几小时”等事情会有相当准确的估算。另外,“24小时并不等质”也是一个重大发现。正如一头牛身上各部分肉质会有所不同(?),24小时也并非是等质的。一天中会有效率高的时间与效率低的时间。效率高的时间正是黄金时间。

翻訳は「朝のほうがはかどる」という人が多いように思います。私の場合もそうで、早朝、または翻訳開始後5~8時間(もはや朝ではありませんが)がゴールデンタイムです。この時間はスピードも出るし、訳語も面白いように出てくる、まさにランナーズハイならぬ翻訳ハイの時間です。翻訳ハイはすごく密度の濃い時間で、終わった後、短い時間で遠い所まで行ってきたような、浦島状態(の逆?)のような不思議な気分になります。

很多人做翻译会觉得“早上比较有效率”,对我来说亦是如此。早上、以及开始翻译后5~8小时(这会儿就不是早上了)是黄金时间。在这段时间里,速度也提高了,有趣的词也出来了,正如跑步兴奋期一样,翻译也是如此。翻译兴奋期是一段高密度时间,结束后会有一种在短时间内去了趟远方的感觉,就像浦岛太郎那样(相反?),让人觉得很不可思议。

そして翻訳と時間の関係についての、自分にとって最も大きな発見は、「翻訳にかけた時間と質は必ずしも比例しない」ということです。駆け出しの頃、翻訳にはとにかく時間がかかりました。日本語の語彙が今より少なかったですし、ビジネス英語の言い回しにも習熟していなかったので、読解にも訳出にも膨大な時間がかかり、時給に直すと200円くらいのこともありました。

然后,对于翻译和时间的关系,我最大的发现就是“花在翻译上的时间与产出的质量并不一定成正比”。在初出茅庐那会儿,我在翻译上投入了大量时间。当时不仅日语词汇量比现在要少,对于商务英语的表达也还不太熟悉,所以不管是读解还是翻译都很费时,曾经还有过换算成工资大概才200日元一小时的时候。

派遣に出る少し前、スクールの先生からOJTの仕事を回してもらいました。提出したときに、所要時間を聞かれました。べらぼうに時間がかかっていたことは確かだったのですが、当時は記録をつけていなかったので、すぐに数字を言うことができませんでした。サバを読みたい気持ちも働き、つい適当な時間を言ってしまいました。

在开始派遣工作前一段时间,学校的老师曾转给我一份OJT的工作。在提交终稿时,老师问我用了多长时间。虽然当时确实花了很久才完成,但由于没做记录,所以一时之间竟说不出具体数字来。于是我便想蒙混过关,就随便说了个时间。

私の答えを聞いた師匠は、向き直って私に言いました。「駆け出しのあなたが、たったそれだけの時間で済むはずがない。せめて時間だけはベテランの何倍もかけないと。それでも今のあなたの訳は、ベテランの1周目の訳には届いていないのだから」

老师听了我的回答后转过身来这样说道:“你还是个新手,怎么可能在这么短的时间内完成。别的不说,至少在时间上要比老手们多花上几倍才行。即便如此,你现在的翻译质量还赶不上他们的初译。”

時給200円にして「たったそれだけの時間」・・・・・・しかし私は年々、師匠の言葉の正しさを実感することになるのでした。駆け出しが、経験豊富なベテランと同じ訳を同じ時間でできるほど、翻訳業は甘くないのです。だからこそ続けがいがあるわけですが。

我当时心想,工资才200日元一小时却说“只花了那么点时间”……不过后来,我越发认识到老师说的那些话有多对。别以为对于同样的翻译,新手花的时间能赶上经验丰富的老手,翻译行业没这么好混。也正因为如此,这份工作才有坚持下去的意义。

師匠の訳は文に勢いがあり、歌うような訳でした。私のボロボロの下訳とは、天と地ほども違います。「いったいどうやったら先生のような訳になるんだろう?」当時はいくら考えてもわかりませんでした。

老师的翻译在文字上很有气势,听起来就像在唱歌一样。和我那读起来磕磕碰碰的草稿相比,简直是一个天一个地。“到底怎样才能翻得像老师那样呢?”当时我想破了脑袋也没想出个所以然来。

そのころ考えていたのは、
(1)気分転換してリフレッシュしたほうがよかった。
(2)早めに始めて一晩寝かせる。その方が客観的な推敲が出来る。
(3)日本語の写経。訳す前に似た分野の日本語の文章を少し書き写してから訳す。
(4)関連する本やサイトを読んで、知識を強化する。

那段时间我想了这么些事,
(1)工作一段时间后转换下心情、重新振作精神会比较好。
(2)早点开始翻,之后将译文放上一晚。这样的话再去修改时能做到更加客观。
(3)日语抄写。在翻译前先抄写一些类似领域的日语文章再开始翻译。
(4)读相关的书籍及网站,强化知识。

要するに、まだまだ時間と手間をかける余地がある、ということでした。

也就是说,在翻译这件事上,还可以再花些时间和精力。

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