この件に関しては、当時の自分の前にタイムマシンで押しかけて教えてやりたいと思うほどです。「あんたは訳をいじりすぎ。知識も経験もだけど、何よりもっと集中力が必要。スピードと訳質は両立するのだから」と言ってやりたいです。

关于这件事,我恨不得穿越到当时的自己面前,对他好好说教一番:“你在翻译上有些用力过头了。知识和经验自然需要,但专注力更加重要。速度和译文质量是并存的。”

当時は、とにかく一回訳を作り、それから訳を何回も何回も読み直して、もっといい訳語はないか、ちくちくと考え続けていました。しかし実のところ、翻訳というのは最初の切り出し方が非常に重要で、ここで間違うと、後からいくら手を入れてもリカバリーは非常に困難です。まさにToo many cooks spoil the broth. 手のかけすぎはかえって逆効果です。

当时,我会先译出一个草稿,然后一遍遍去读,为了找出更好的译词一直苦思冥想。但事实上对于翻译来说,最开始的切入十分重要,要是在这里犯错了,之后再怎么修复也很难回去。正所谓厨子太多煮坏汤,折腾太多反而容易坏事。

むしろ文章の鮮度を落とさないよう、一回の訳でぴたっと決める境地を目指さないといけません。寿司職人が、一回の包丁で完璧に刺身を切り出すのと同じです。もちろん推敲は欠かせませんが、「いいからとにかく切る、きれいに整えるのは後から」という発想では読める訳にはなりません。深く集中して深く理解し、静かにすぱっと切り出して、それで完成、という心構えが必要です。ここでは深い集中がポイントです。疲れていたり、だらだらと原文に向き合っていたりしては無理です。また、「なんでだめなの? なんで?!」という黒い心も訳質を落とします。

与其之后反复修改,不如保持文章的新鲜度,争取一次搞定。这和寿司师傅一刀下去能把生鱼片切得相当漂亮是一个道理。当然推敲修改是必不可少的,但若抱着“先弄出来再说,之后再去好好整理”这样的心态,出来的译文不会有多出色。译者必须要有这样的思想准备,即全神贯注深入了解,不动声色下笔译出,到最后漂亮收尾。在这里,全神贯注是关键,不能以倦怠的状态去面对稿子。另外,像“为什么不行呢?为什么?!”这样暗沉的想法也会影响翻译质量。

こうなると、原文を前にした時、いかに「良い集中」ができるかが鍵になってくるわけで、翻訳者はさながら修行僧の様相を呈してきます(笑)。集中のためになる食べ物を食べる(甘い炭水化物、玄米食など)。精神衛生上悪い相手とは深くつきあわない。適度な集中を長く保てるよう、呼吸や姿勢に気をつける。など、さまざまな工夫をするようになります。

这样一来,当原文摆在面前,能“专注”到什么程度是关键,译者也会变得如修行僧一般(笑)。吃有助于集中精力的食物(比如甜的碳水化合物、糙米食物等),不和精神不良的人深交。为了长久保持适度的集中力而留心自己的呼吸和姿势。像这样,为了保持良好的状态我会做各种各样的努力。

ある程度の知識と経験に加え、集中力が身につけば、気がつくと当初の数分の一の時間で、当初よりもうまい訳ができるようになります。「速いのにきれいな訳」ではなく、「速いからこそきれいな訳」ができるようになります。

有了一定程度的知识和经验,再加上专注力,我恍然发现自己仅需花当初几分之一的时间便能译出更好的文字来。如今可以做到“因为速度快才有好译文”,而不是“速度快竟也能出好译文”。

ここ数年、私の業務開始時間は朝5時です。子が生まれてから朝型になりました。締切までの残り時間によって、4時30分、4時…と前倒しになっていきます。起床してコーヒーをいれます。お湯が沸く間、深呼吸などして目を覚まします。そして起床10分後には訳し始めます。朝の1~2時間は街も静かで、頭の疲れもなく、淡々と訳の進むすがすがしい時間です。そのうち朝日が昇ってきたりすると、「今日も仕事があってありがとう」と自然に感謝の念もわいてきます。6時半には早朝の部の仕事は終了です。優雅なロハスとは違いますが、朝6時に集中のひとときを迎えるというのは、悪くないものです。

这几年,我都在早上5点钟开始工作,孩子出生后就习惯早起翻译。根据截稿剩余时间来安排起床时间,像是提前到4点30分、4点……起床后我会泡杯咖啡,在烧开水的那段时间里做做深呼吸什么的来提提神,然后在起床十分钟后开始进入翻译。早晨的那一两个小时里,外面街道是安静的,大脑也很清醒,整个人感觉神清气爽,工作起来也是得心应手。看着太阳慢慢升起,我心中也会涌现出一股对自然的感谢之情:“谢谢老天让我今天亦有事做。”到了6点半早上这部分工作就结束了。虽然有别于自由的乐活族,但能在早上6点迎来精力集中的片刻也是不错。  

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