3.空気を読む→エスカレート

3. 察言观色→升级版

「空気を読む」という日本独特のコミュニケーション方法もいじめを陰湿化させる要因の一つである。日本は本音と建前の社会だと昔から言われているが、「いじめてはいけない」という建前よりも、「本当はいじめたい」という本音が子どもたちの中で一種の空気になり、結果としていじめを助長してしまうようになる。

“察言观色”这一日本独特的交流方式也是让欺凌问题变得阴暗的原因之一。历来就说日本是真心话和面子话的社会,相比于“不可以欺凌”这种面子话,“其实想欺凌”的真心话在孩子当中形成一种氛围,结果助长了欺凌。

「いじめを見たときに、止めに入りますか?」という質問について「はい」と答える人の比率が、他国では年齢が上がるにつれて単純に増える傾向にあるのに対して、日本ではいじめの多発期(小学校5年生頃から中学校2年生くらいまで)には低下する傾向がある。思春期のころにはいじめがあっても、傍観したり、無視したりする子が、一時的に多くなるということだ。

对于“看到欺凌场面你会去制止吗?”这一问题回答“会”的比例其他国家会随着年龄的增长而单纯变多,相比之下日本在欺凌多发期(小学五年级到初二期间)反而呈现减少的趋势。这也说明青春期时即便有欺凌,选择旁观或无视的孩子暂时变多了。

逆にアメリカなどのような多民族・多文化社会の場合は、日本のようにホンネを全体で共有するのが難しく、タテマエのルールで動かないと成り立ちにくい社会でもあるため、「いじめはいけない」というタテマエが通りやすく、いじめを見たときに、止めに入るといじめが止むことがある。

反之在美国等多种族、多元文化社会,很难像日本那样所有人共享真心话,如果不通过面子上的规则来行动社会就难以运作,所以“不能欺凌”这种面子话就容易通行,看到欺凌时,也会有去制止的。

4.悪いのは「いじめられる自分」

4. 是“被欺凌的自己”不好

個人主義的な傾向が強い欧米社会では、自分の身は自分で守らなければならないという行動規範が強いため、自分がいじめられたときに、「自分は悪くなく、相手が悪い」と考えて自分の身を守る。

在个人主义倾向强烈的欧美社会,自己得由自己来保护这一行为规范较强,所以自己遭遇欺凌时,会认为“不是自己的错,是对方的错”以此来保护自身。

それに対し、「コミュニティのなかに入れない人が悪い」という価値観を教育されてきた集団主義社会の日本人は、いじめられた本人が「自分が悪いからいじめられた」と考えてしまうケースが多い。いじめられる自分が悪いと思う文化では、いじめで心理的に追い詰められたときに、うつや不登校、引きこもり、自殺などの自己否定的な反応を示しやすいのが特徴である。

与之相对,一直被灌输“不能融入社群的人不好”这一价值观的集体主义社会的日本人被欺凌时则多会认为“是自己不好才被欺凌”。认为被欺凌的自己不好,在这种文化氛围中,因欺凌而心理上陷入绝境时,容易表现出抑郁、不上学、蛰居、自杀等自我否定反应。

また、真面目な日本人の気質もあいまって、日本人は他者から悪く思われないように、自分を改善する心性が強く、批判されないように自分の欠点を見つけて直そうとする傾向がある。だから批判された場合も、「自分が悪いから批判された」と自罰的になりやすいといえるだろう。自罰性が比較的強いうえに、日本でのいじめはほとんどが仲間内で起こるので、守り合うべき関係の中で攻撃されると、さらに自己の内部が強いダメージを受けると考えられる。この点が「いじめを苦にした自殺」が日本で多くなってしまう一番の原因だろう。

此外,配合认死理的日本人气质,为了不让别人觉得自己不好,日本人试图改善自我的心性很强,为了不受批判,会倾向于找出自己的缺点并改正。因此受到批判时也容易自我惩罚式的觉得“自己不好所以受到批判”。由于自罚性质较强,因此日本的欺凌几乎都发生在同伴内部,在理应互相保护的关系中受到攻击,更会让自己内心遭受强烈打击。这点恐怕是“苦于欺凌而自杀”的情况在日本变多的最大原因吧。

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