【原作】:アントワーヌ·ド·サン=テグジュペリ
【朗読】:保志総一朗、諏訪部順一 

王子の星は家ほどの大きさで、そこには3つの火山と、根を張って星を割いてしまいそうになるバオバブの芽と、よその星からやってきた種から咲いた一輪のバラの花があった。王子はバラの花を美しいと思い、大切に世話していた。しかし、ある日バラの花とけんかしたことをきっかけに、他の星の世界を見に行くために旅に出ることにする。

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花はすぐに気まぐれな自惚れで、王子さまを困らせるようになった。例えばある日、自分の四本の刺の話をしながらこう言った。

这朵花儿马上就以她那心血来潮的自命不凡让小王子感到了困扰。例如,有一天,她向小王子讲起她身上长的四根刺。

「たとえ虎が来ても大丈夫よ。鋭い爪で…」

“老虎,让它张着爪子来吧!”

「僕の星には虎はいないよ。それに、虎は草を食べないし。」

“我的星球上没有老虎。而且,老虎也不吃草。”

「私、草ではないんですけど。」

“我不是草。”

「ごめんなさい。」

“真对不起。”

「虎なんかちっとも怖くないけれど、風が吹き込むのが苦手なの。貴方、衝立(ついたて)がないのかしら。」

“我一点儿都不怕什么老虎,可我讨厌穿堂风。您没有屏风么?”

風が吹き込むのが苦手だなんて、植物なのに、困ったことだな。この花はけっこう気難し屋さんだぞ。

讨厌穿堂风……这对一株植物来说,真不走运。这朵花儿真不大好伺候……

「暗くなったら、ガラスの覆いを被せてちょうだい。この星はとても寒いわ。作りが悪いのね。前に私がいた所は…」

“晚上您得把我保护好。你这地方太冷。在这里住得不好,我原来住的那个地方……”

花はいきなり口を噤(つぐ)んだ。種の状態で来たのだから、他の世界のことなど、何一つ知っているはずがない。花はすぐにばれる嘘をついてしまったことが恥ずかしくて、悪いのは王子さまのせいにしようと、二度三度咳をした。

但她没有说下去。她来的时候是粒种子。她哪里见过什么别的世界。她叫人发现她是在凑一个如此不太高明的谎话,她有点羞怒,咳嗽了两三声。她的这一招是要小王子处于有过失的地位。

「で、衝立は?」

“屏风呢?”

「探しに行こうとしていたら、君が話しかけてきたんでしょう?」

“我这就去找。可你刚才说的是……”

すると花は、わざとまた咳をして、王子さまの良心を疼(うず)かせた。

于是花儿故意咳嗽了几声,使小王子后悔自己的过失。

こうして王子さまは、心から愛していたにもかかわらず、直(じき)に花のことを信用できなくなっていった。些細な言葉を一々深刻に受け止め、その度に不幸になった。

尽管小王子本来诚心诚意地喜欢这朵花,可是,这一来,却使他马上对她产生了怀疑。小王子对一些无关紧要的话看得太认真,结果使自己很苦恼。

「花の言うことなんか、聞かない方がよかったんだよ。ただ眺めたり、香りを楽しんでいればいいんだ。あの花は僕の星をいい香りで満たしてくれた。それなのに僕はそれを楽しめなかった。虎の爪の話にしても、僕はうんざりしたけれど、花にしてみれば、ほろりとさせるつもりだったのかもしれない。あのころの僕は、何(なん)にも分かっていなかったんだね。言葉ではなく、振る舞いで判断しなくちゃいけなかったんだ。花は僕の星をいい香りで満たし、明るくしてくれた。僕は逃げちゃいけなかったんだ。つまらない見せ掛けに隠れた花の優しさに気づくべきだった。花って、本当に矛盾しているからね。でも僕はまだ子供で、あの花の愛し方が分からなかったんだ。」

“我不该听信她的话,绝不该听信那些花儿的话,看看花,闻闻它就得了。我的那朵花使我的星球芳香四溢,可我不会享受它。关于老虎爪子的事,本应该使我产生同情,却反而使我恼火……我那时什么也不懂!我应该根据她的行为,而不是根据她的话来判断她。 她使我的生活芬芳多彩,我真不该离开她跑出来。我本应该猜出在她那令人爱怜的花招后面所隐藏的温情。花是多么自相矛盾!我当时太年轻,还不懂得爱她。”

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