むかしむかし、土佐の国(とさのくに→高知県)に、たいさくと言うとんちの上手な人がいました。

很久很久以前,在土佐国(高知县)有个很聪明的人叫对策。

ある日、たいさくは町に出かけて、こんな事を言いふらしました。「わしらの山にはブッポウソウと言う珍しい鳥がいて、それがまことに良い声で鳴くんだよ」

有一天,对策去街上,到处宣传这样一件事。「我们的山上有一种珍贵的鸟叫三宝鸟。它的叫声可真是优美啊」

するとその話が、お城の殿さまの耳にも届いたのです。「ほう。このあたりにも、ブッポウソウがいるとは知らなかった。ぜひ一度、鳴き声を聞いてみたいものだ」

渐渐地这话就传到了城里的老爷耳朵里。「呼。不知道这附近居然也有三宝鸟。一定要听一下它的叫声啊」

殿さまが言うと、家来(けらい)たちが言いました。「ですが殿。たいさくと言う男が住んでいるあのあたりの山には、道らしい道がございません。山に入る事は、とうてい無理にございます」

老爷这样一说,家臣们就说道「可是,老爷,这个叫对策的男子住的附近的山没有条像样的路啊。要想到山里去,几乎是不可能的啊」

「そうか。しかし道がなければ、道をつくればよいではないか。そうであろう」

「这样啊。可是如果没有路的话,做一条路不就好了嘛。是这样的吧」

「ははーっ!まことにその通りでござます」そこで家来たちは、さっそく山に道を開きました。

「哈哈!的确是这样的啊」于是家臣们就立刻开了条路通往山里。

「では、まいるとしよう」殿さまはカゴに乗ると、大勢の家来と山に出かけました。

「那么,去吧」老爷坐着轿子,和很多家臣一起去山上。

ところが山で鳴いているのはブッポウソウではなく、野バトばかりです。

可是,在山上叫的并不是三宝鸟,而是野鸽子。

殿さまはカンカンに怒って、たいさくを城に呼び出しました。「これ、たいさく。お主が住んでいる山に行ったが、ブッポウソウの声など聞こえんではないか」

老爷火冒三丈,把对策喊到城里「喂,对策。我去了你住的山里,可是根本就没听到三宝鸟的叫声啊」

するとたいさくは、不思議そうな顔で言いました。「おかしいですね。確かに山では、♪デデポッポゥ、♪デデポッポゥと、鳴いているのですが」

于是对策就摆出一副很不可思议的表情。「可真奇怪。山里的确有♪咕噜噜♪咕噜噜的叫声啊」

「バカ者!それは野バトじゃ!」

「笨蛋!那是野鸽子!」

「ありゃ、そうでしたか。わしはてっきり、あれがブッポウソウの声かと思いました。しかし、さすがにお殿さまは物知りですな、あははははははっ」

「呀,是吗。我一直以为那是三宝鸟的声音啊。可是不愧是老爷,知道的真多啊,哈哈哈」

「笑い事ではないわ!」

「这有什么好笑的!」

たいさくはきつく叱られましたが、でも殿さまが山に道をつくってくれたおかげで、村のみんなは山仕事が楽になったと大変喜んだそうです。

虽然对策收到了严厉的批评,可是多亏老爷开了山路,才使村民们去山里干活变得轻松,为此大家很是高兴。

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