能楽と権力

能乐与权力

能楽は、2001年に世界無形文化遺産に登録されました。能はいろんな要素を含んだ伝統芸能で、演劇文化と密接にかかわっているほか、題材は『古事記』や『日本書紀』、中国の歴史書や詩などから取ることが多いため、日本やアジア諸国の文学とも深いかかわりがあります。

2001年,能乐被列为世界无形文化遗产(即非物质文化遗产)范畴。“能”是一种包含了各种要素的传统艺术,同时与戏剧文化密切相连,由于其题材多取自《古事记》、《日本书纪》、中国的史书与诗歌等,能乐与日本、亚洲各国的文学有着深层次的关系。

室町時代に誕生した能楽は、武家社会に浸透し、戦国時代には武家をパトロンとして日本中に広まっていきます。パトロンである武家、有力者である貴族などの意向を反映したものも多く作られました。為政者の政治や社会の動きとどうマッチするかということも能楽が作られるときのポイントだったのです。

室町时代诞生的能乐,渗透于武士社会,在战国时期经由武士的支援在全日本传播开来。大多数作品的创作以反映作为其后台的武士、位高权重的贵族的意图为主。如何契合执政者的政治及社会动态也是制作能乐的重点之一。

一方、一般庶民も聴衆になることがありました。勧進能というものは、いろんな階層の人が見物することができたのです。民衆というものは多くの場合、反権力の立場にありました。このため、民衆に受けるように、貴族や武士をからかうような能が作られることもありました。多くの演劇がそうであるように、能楽も権力者におもねる作品もあれば、民衆の気持ちを代弁してくれるものもあるのです。権力者にすれば、民衆の心をつかむために能楽やのちの歌舞伎を利用したい、取り込みたいという気持ちが常にありました。このように、能楽を通して見てみると、歴史のダイナニズムを感じることができます。

另一方面,一般的庶民也成为了能乐的听众。所谓“劝进能”,是一种可供各个阶层的人观看的能剧。民众大多站在反对统治者这边,因此,出现了面向民众的嘲弄贵族、武士的能剧。就如同大多数戏剧一样,如果在能乐中出现了对统治者的阿谀奉承,那么自然也会产生可以稳定民众情绪的作品。统治者经常为了拉拢民心,想要利用能乐及之后出现的歌舞伎,将人心收为己用。因此,透过能乐我们能感受到历史的动态变化。

見にいく文学

可观看的文学

高校生などの学生のころは、能楽を見る機会は少ないかもしれませんが、現代でも多くの作品が作られています。世界遺産登録をきっかけに島根県の石見銀山を取り上げたり、有明海のムツゴロウを題材にしたりと、社会批判や世相を反映したものなども少なくはありません。

高中等学生时代,能去看能乐的机会可能很少,而现代已创作出了很多作品。在能乐中,以被列入世界遗产的岛根县的石见银矿山、有明海的弹涂鱼为题材的创作,反映社会批判与世态炎凉的作品不在少数。

現代の日本人は、文学は本で読むものだと思っていますが、『源氏物語』は絵巻とともに、『平家物語』は琵琶とともになど、目で見て楽しんだり耳で聞いて楽しんだり親しんできました。能楽は“見にいく文学”とでも言えるのではないでしょうか。

现代日本人可能认为文学便是阅读书籍,然而《源氏物语》本是画卷、《平家物语》本是琵琶弹唱,这些都是用眼睛看、用耳朵听的可以亲身享受的“文学”。那么把能乐称为“可观看的文学”也不过分吧。

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