1.0 はじめに

猫は、世界中で広く飼われているネコ目(食肉目)の小型動物である。猫の起源は、ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めた(狭義の)ヤマネコの家畜化であり、分類学上はヤマネコの1亜種とされる。人によくなつくため、多くが愛玩用のペットとして飼育されている。
日本猫は日本人に長く親しまれている日本特有の猫である。自分の文化を持って、長い時間を経って、今の特別の「猫」と「猫の文化」になった。

2.0 先行研究 

猫は死を悟ると死に場所を求めて姿を消すと言われるが、実際には猫には「死」という抽象的概念を認識することは出来ないと考えられる。体調が悪化したり、致命的な傷を負ったときなどは、本能的な防御反応として危険な場所から移動して安全な場所に身を隠そうとし、場合によってはそのまま死んでしまうと考えられている。一般に猫は自分の弱った姿を飼い主や仲間に見せることはない。これは本能的に猫は弱った姿を見せると仲間からいじめられることを知っており、死に場所にたどりつくまで元気な姿を演じるからである。したがって人間は街中で弱りきった猫の姿を見る機会は少なくなる。
しかし、飼い主への依存度の高い猫の場合、心細くなって主の近くに寄ってくる、あるいは、近くにいてくれるよう求め、結果的に飼い主の目の前で死ぬことになる。