「万策尽きてのリストラ」から「日常的リストラ」へ

从千方百计的裁员到司空见惯的裁员

さて、そんな終身雇用を謳歌したのは団塊の世代前後まで。その後、景気低迷が続く中で、それが悪しき慣習であるかのような風潮が強まり、《2000名の早期退職募集》といった経営判断(リストラ)をする会社が増え続けました。新卒で終身雇用を前提に入社した社員たちで、早期退職の対象者として肩たたきされた人は「裏切られた」と思ったことでしょう。こうした報道が頻繁に登場したのは、バブル崩壊して数年が経過した1990年代前半あたりであったと記憶しています。

如此追崇终身雇佣制其实是在“团块世代”前后的阶段。自那之后,经济持续低迷,质疑这项制度是否是不良惯例的风潮兴起,采取所谓“2000名提早解雇职工征集”的公司越来越多。那些大学毕业便以终身雇佣为前提进入公司的员工们,如果作为提早解雇的对象被公司劝退的话,会觉得“被背叛了”吧。笔者记得,泡沫经济崩溃之后的数年,正是这样的新闻报道不断涌现的时候。

あれから早期退職、リストラという言葉にも誰もが慣れて、終身雇用の崩壊は着実に進んでいるようにも思えます。ただ、あくまでリストラを行い、終身雇用にメスを入れたのは業績がどうしようもなく厳しい企業ばかりでした。「3年続けて赤字に転落して、もはやリストラしか手がない」と万策尽きての手段だったのです。可能なかぎり雇用は守りたいとの前提で、「致し方なし」というタイミングまで終身雇用を壊したくないと考える経営陣が多かったからでしょう。

在那之后,大家就熟悉了提早解雇、重组裁员这样的字眼,而终身雇佣制也向着崩溃迈了扎实的一步。只是,无论如何裁员、彻底废除终身雇佣制,公司业绩还是无可挽回的公司比比皆是。“三年持续赤字,只得重组裁员”,这也是万般无奈下的选择。因为还是有很多经营者是以尽可能保持雇佣状态为前提的,如果不是到了“走投无路”的时候,他们是不想破坏终身雇佣制的。

ところが、状況は変わりました。戦略的に終身雇用をやめ、同時に大胆なリストラに取り組む会社が出てきています。

但是,情况起了变化。战略角度废除终身雇佣制,同时大胆采取裁员手段的公司不断出现。

取材したある製造業では、5年後に工場を海外移転することに決定。現在は業績も順調ながら、国内工場で勤務している社員に対して早期退職の募集を検討中とのこと。一方で海外展開に伴うグローバル人材の新規採用は果敢に行う予定。このように業績不振に陥る前に戦略的に人材のリストラにも着手。その機会に終身雇用の考え方を改める企業が出てきたのです。

在我们采访的制造业公司里,就有决定5年后将工厂移到海外的计划。虽然现在业绩还不错,但已经在讨论征集国内工厂工作的员工进行提早解雇的相关事宜。另一方面,随着海外业务的扩展,公司有计划要果断重新雇佣国际化人才。此外,企业为了防止自己陷入业绩萎缩的境地,也提早开始考虑重组裁员的计划。许多企业就是通过这个机会改变了关于终身雇佣制的看法。

日本企業も長く厳しい時代を経験して、防衛本能を身に付けたのかもしれません。将来的に起きる問題を予測して、前もって人事的な施策に取り組む姿勢が出てきています。ある意味で頼もしいと思えますが、職場で働く社員にとっては厳しい時代の到来ともいえます。

由于日本企业经历了长时期的萧条岁月,或许已经有了自我保护的本能。于是他们会对于未来可能发生的问题进行预测,并提早采取人事措施。虽然从某种角度看比较靠得住,但对于在职场工作的员工们来说,艰难的时代已经到来。

売り手市場の中で、企業は「折衷案」を出す?

卖方市场中,企业提出“折中方案”?

一方で、若手社員には終身雇用を望む傾向が高まっています。2011年版厚生労働白書では、労働政策研究・研修機構による若者のキャリア形成に関するアンケート調査の結果によると、20代の若者でひとつの企業に勤め続けたいと考える人の割合は50%を突破し、1999年の37%から大幅に増加。複数企業でキャリアを形成したいと考える人や独立自営したいという人の割合は低下しています。つまり、現代の若者は以前と比べて、1社での終身雇用をより強く望んでいるということです。

另一方面,年轻员工却越来越希望公司采用终身雇佣制。2013年厚生劳动白皮书中,根据劳动政策研究·研修机构对年轻人进行的职业成长相关问卷调查显示,20多岁的年轻人中,想持续在一家企业工作的超过了50%,与1999年的37%有了大幅的提升。而想在多家企业发展自己的职业道路,或者想要独立创业的人比例不断下降。因此,比起过去,现代的年轻人更强烈地希望能被一家企业终身雇佣。

内閣府が行った「世界青年意識調査」の結果も興味深いものがあります。同調査では「職場に不満があれば転職するほうがよい」と考える人の割合が、日本は諸外国に比べて圧倒的に低く(米国は日本の2.5倍、フランスは2倍、韓国は1.8倍)、多少の不満があっても同じ会社に勤め続けることを望む傾向が鮮明になっています。要するに今の日本の若者は、転職を繰り返すことや、正社員にこだわらない形でのキャリア形成を基本的に望んでいないのです。

而内阁进行的“世界青年意识调查”结果也相当耐人寻味。该调查显示,认为“如果不满意职场,还是换工作比较好”的人占到的比例,日本比其他国家要低得多(美国是日本的2.5倍,法国是日本的2倍,韩国是日本的1.8倍),日本年轻人就算在职场中有不满,也还是想在同一家公司继续工作,这一倾向相当明显。重要的是,现代的日本年轻人在规划自己职业道路的时候,基本不希望多次跳槽,还是很希望能成为正式职员的。

これを踏まえ、会社側はどうしたらいいのか?戦略的にリストラも行い、終身雇用をやめて、人材の流動化のできる強い体質を目指す会社は、安定を望む多くの学生からすれば魅力的にみえない可能性があります。前向きな改革をしたい会社側にとっては、悩ましい問題ではないでしょうか。

那么基于这样的现状,公司方面是如何考虑的呢?希望通过废除终身雇佣制、促进人才流动性来增强自己实力的人才,在追求稳定的许多学生眼中,可能没那么有魅力。这对于想要积极改革的公司来说,也相当令人烦恼吧。

それでは今後どうなるか。おそらく、日本企業は「折衷案」的な方向性を示していくことになるのでしょう。

今后到底会如何发展呢?恐怕日本企业会偏向于“折中方案”。

終身雇用も可能なキャリアプランも準備するが、報酬はあまり増えない低位安定コース。別にリストラも辞さないが高報酬の可能性があるチャレンジコース。こうした2系統の伏線型人事制度を検討してはどうでしょうか?

终身雇佣虽然是可能的职场规划,但相应属于收入不会大幅增长的低位稳定路线。而另一条则是需要面对裁员的危险,却有可能得到高收入的挑战性路线。我们来讨论下这两条不同路线的人事制度吧。

ちなみにグループワーク製品で有名なサイボウズ社ではライフスタイルに合わせて働き方を選択できる「ライフ重視型」、「ワークライフバランス型」、「ワーク重視型」の3つの働き方があり、社員が年に1度選択できるしくみになっています。この仕組みを導入以後に退職率は劇的に下がったようです。

顺便一提的是,以集体处理法(group work)闻名的Cybozu公司结合生活方式提供了三种工作模式,“重视生活型”、“工作生活平衡型”和“重视工作型”,职员根据年龄可以有一次选择的机会。引进这个机制之后,公司的离职率大幅下降了。

このような折衷案を実践した取り組みをする企業が出ている点は注目すべきでしょう。

出现实行这种折中方案的企业值得大家的注意。

ただ、折衷案的な人事戦略で、企業が生き残れるのか?人材の流動化が進まないという問題点は放置され、さらに中小企業、ベンチャー企業の人材不足もより深刻化しないか。日本的雇用慣行からの脱却には、まだまだ時間がかかるかもしれません。

但是,通过折中的人事战略方案,企业能够得以生存吗?先不管无法促进人才流动这个问题,中小企业、风险投资公司的人才不足情况不是也越来越严重了吗?要完全摆脱日本传统的雇佣模式,或许还要花上更多的时间。

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