資生堂、環境低負荷型ポリ乳酸容器を実用化
~中国専用化粧品ブランド“URARA”に導入~

資生堂は、この度植物由来プラスチックである「ポリ乳酸」を用いた、環境低負荷型プラスチック容器を開発しました。そして、本年9月に本技術を当社の中国専用化粧品ブランド“URARA(ウララ)”の容器に実用化し、中国において大手化粧品メーカーとして初めて、「ポリ乳酸」容器の製品を発売します。

容器開発の経緯

地球温暖化や石油資源の枯渇などの環境問題·エネルギー問題がクローズアップされる中、従来の石油資源を原料とするプラスチックに代わり、環境負荷の低い植物由来プラスチックが注目を集めています。近年ではポリ乳酸を用いた電化製品や自動車部品等への実用化が進んできていますが、一方でポリ乳酸は、石油資源を原料とするプラスチックに比べ、耐熱性、耐衝撃性、水分バリア性などの点で劣るため、長期間の中味保護を必要とする化粧品容器への実用化はこれまで困難でした。

本容器は、成型時にポリ乳酸の品質を厳密に管理すること、ポリ乳酸層の組成を最適化すること、汎用樹脂である高密度ポリエチレン(HDPE)とポリ乳酸層を最適な層厚で積層成型することにより、充分かつ安定した中味保護性·耐衝撃性を実現しています。同時に出来る限り植物度を高めるよう技術開発した結果、容器ボトル部分の半分以上を植物由来とすることができました。

中国における環境意識の高まりと実用化

経済成長が著しい中国は、その一方で大気汚染や水質汚染など環境被害も増加しており、若年層を中心に環境問題に対する意識·関心が高まっています。また、中国政府も環境の保護と改善を重視しており、企業に対する環境問題への貢献が強く求められています。

資生堂にとって中国市場は海外事業の重要な柱の一つであり、中国での環境活動は「工場(資生堂麗源化粧品有限公司、上海卓多姿中信化粧品有限公司)でのCO2削減活動」「工場内排水の処理による再利用(中水利用の促進)」などの事業分野のみならず、「中国·甘粛省での植林活動」などCSRの観点を含め、幅広く取り組んでいます。

こうした状況を踏まえ、今回の技術は着実に中国市場に受け入れられてきている中国専用ブランド“URARA(ウララ)”で、本年9月に新発売するシャンプーなど(5品目)のアイテムで導入を予定しています。

資生堂の環境に対する取り組み

資生堂は、1992年に定めた環境に関する経営方針「資生堂エコポリシー」や1997年に実務のガイドラインとして定めた「資生堂グローバルエコスタンダード」に沿って、全ての事業活動において環境活動を進めてきました。そして2009年3月には、化粧品業界初の「エコ·ファースト企業」(※)として認定され、地球環境保全に向けた様々な取り組みを積極的に推進していくことを社会に約束しています。

商品容器設計においては、レフィル容器製品の拡大·リサイクルに配慮した分別機構付容器の開発·容器の軽量化研究などの取り組みに加え、2011年にはサトウキビ由来プラスチック容器の実用化を予定しています。今回の技術は、CO2の削減に貢献する素材を用いて製品化を実現するものであり、「エコ·ファーストの約束」で掲げている、「カーボンニュートラルな植物由来の素材の積極的な活用とそれによるCO2排出量の削減」を実現する取り組みの一つです。   資生堂は、今後も「一瞬も 一生も 美しく」というコーポレートメッセージのもと、企業の社会的責任に基づく「基本的な環境活動」はもとより「資生堂ならではの環境活動」まで、いっそう注力するとともに、それらの活動の透明性を高め、広くステークホルダーに向けてグローバルに発信していきます。

(※)「エコ·ファースト制度」は、2008年4月に環境省が創設した「業界のトップランナー企業の環境保全に関する行動を更に促進していくため、企業が環境大臣に対し、京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束する制度」。認定企業は「エコ·ファースト·マーク」を広報活動などに使用することができる。

中国専用ブランド“URARA(ウララ)”について

“URARA(ウララ:中文名は「悠莱(ヨウライ)」)”は、資生堂が中国の化粧品専門店事業での販売強化に向け開発した中国専用のブランドです。2006年10月に現地子会社、資生堂中国投資有限公司から発売しました。中国女性のニーズを捉えた商品展開や専門店チャネル事業の順調な拡大に伴い、契約店は2008年12月末現在約3500店まで拡大しています。

資生堂の中国専用ブランドは、1994年に高級デパート向けに発売した「オプレ」がスタートです。その後、中国経済が急速に発展するなか、中国全土で化粧品市場も急激に拡大し、「オプレ」を販売している高級デパートチャネルだけではカバーしきれない地方都市でも化粧品に対する需要が高まってきました。資生堂は2004年からの化粧品専門店チャネル事業の開始に伴い、化粧意識の高まりつつある中国の新世代女性をメインターゲットにした“URARA”を開発しました。

現在“URARA”は、スキンケアからメーキャップ商品まで配置した総合化粧品ブランドとして、「煥(ホワン)自己(ツージ)(自分を輝かす)」をブランドメッセージにプロモーションを幅広く展開しています。

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